2020年2月18日火曜日

電車の中のエアロゾル:ほとんど香りのカプセル破片


自宅から電車に乗って歯科検診へ出掛けた時に受けるエアロゾルのうちPM2.5,PM10を5分おきに計測しました。また、往路のつくばエクスプレスでは微粒子を2種類の両面テープで捕集し顕微鏡で観察しました。以下Youtubeに公開しました。
画像は10秒で送られますので、早すぎる時は一時停止か速度調節をお願いします。
https://www.youtube.com/watch?v=4kjVeqA-FqI

2020年2月17日月曜日

人が犯人:花びらの正体

晴れるとPM2.5が急上昇


 今日も13時半頃に部屋の中で喉が痒くなってきました。2階ベランダで常時モニターしている外気の状態を見ると、PM2.5が急上昇していました。

 夜中に雨が降って早朝4時に起きてウォーキングに出た時は爽やかな空気で気持ちよかったのに、晴れ間が出てくると、この様にPM2.5やPM10が急上昇します。

 我が家の周りだけがこの様にPM2.5やPM10が高いかどうかを、先日車検で車を修理工場へ持って行った帰りと次の日受け取りに行く機会に、もう1台のモニターをぶら下げて測定しながら約3km歩いてみる事にしました。














1.自宅から修理工場までは車移動、帰りは約3kmを徒歩で戻る(2月15日 晴れ)
 徒歩の前半は車の往来が激しい国道を歩き、後半は住宅街の近道を歩きました。

 グラフの破線は自宅の2階ベランダで測定している値を比較の為に載せています。





























 車の助手席へモニターを乗せて走ると良好で、修理工場の事務所も30㎍/㎥以下と良好でした。

 しかし、トイレを借りに人の多いショールームへ入ると急に上昇し、帰り道に国道へ出ると上がったり下がったりして、住宅街に入ると急上昇して自宅前まで続きました。

 自宅で室内に入ると20㎍/㎥以下できれいな空気になりました。この間、自宅の外気(破線のデータ)はやや高い値が続いていました。晴れた天気の良い日でも、「窓を開けてきれいな空気を入れましょう」というのは今や通用しません。窓を開けると目に見えないPM2.5,PM10が大量に入ってきてしまいます。


2.自宅から修理工場まで車を受け取りに歩き、帰りは車に乗ってくる(2月16日 雨)




























 今日はあいにく小雨で、傘をさして修理工場まで約3km歩き、帰りは車検が終わった車で自宅まで帰ります。

 出発前の自宅の室内は20㎍/㎥以下と良好な空気でしたが、自宅の玄関を出ると雨にも関わらずいきなり60㎍/㎥越えです。常時モニターしている南向き2階の値(グラフの破線)は低いのに、道路に面した東側は高い値です。この場所による差は今後検証が必要です。

 60㎍/㎥越えの住宅街を抜けて国道に出ると、車の通行が多いにも関わらず少し下がりました。

 ショールームのテーブルに案内されると一旦レベルは下がりましたが、私は少し喉が痒くなりました。その後メカニックの人が整備状況について説明に来ると、PM2.5は100を超え、PM10は200近くまで急上昇しました。メカニックの人は香り付き柔軟剤を使用している人が多いので、衣類から成分が飛び散っていると思われます。その後の帰りの車中も高め。私はもちろん活性炭のマスクでガード。自宅の部屋に戻りやっと下がりました。


3.歩行中に収集した微粒子の写真(残念ながらメカニック発の微粒子は有りません)
①2月15日(土)晴れ
20200215143937 1000倍
ビローンと間延びした左のカプセル、まだ破裂前の2個のカプセルが見られます。
天気が良く洗濯物が沢山出ているので、おそらく洗濯物から飛んで来たのでしょう。


































20200215155325 1000倍
キラキラ光る物からごく小さな粒(数μ~1μ以下)が放出されています。



































20200215142506 1000倍
左下のカプセルでは、殻が破れて左下に伸びてそこから無数の小さな粒子(数μ~1μ以下)が放出されています。
右上のカプセルでは破れた所から中身が飛んだように見えます。



































20200215145158 400倍
カプセルが両面テープに落ちてきてから破裂するとこの様に飛び散ったのが見えます。





























20200215142628 1000倍
洗濯物から飛んで来た繊維くずでしょう。
表面に微小な粒子がびっしり付着していて上の方で剥がれかかっています。









































②2月16日(日)小雨
20200216171913 1000倍
間延びしてしまったカプセルと思われます。
上の方は破れて中身が出ている様に見えます。




































20200216172504 1000倍
粉々に壊れてしまったマイクロカプセルと思われます。
雨の日は原形を留めている物はほとんど無く、この様にバラバラになった物が多い。


































20200216172849 1000倍
破裂後のマイクロカプセル



































20200216181754 1000倍
もやもやした中に小さな粒が見えます



































  今回は二日間に渡って観察してみましたが、雨の日でも意外とPM2.5やPM10は観測され、それらを放出している破裂したマイクロカプセルが空気中を漂っていました。

 また、車がひっきりなしに走る国道よりも静かな住宅街の方がPM2.5、PM10が高かった。最も高い値が出たのは室内で柔軟剤使用の人と机で対面した時で、短時間ではありますが危険なレベルでした。テレビの柔軟剤の宣伝で花びらが周りに飛ぶように表現しているのを見まけますが、実際はこれらの写真の様な物で、これらを吸って(柔軟剤に弱い人にとっては強制的に吸わされて)いることになります。


2020年2月1日土曜日

室内に浮遊する大きなマイクロカプセル破裂画像

 或る化学物質過敏症の方の室内に飛ぶ微粒子を捕集して顕微鏡で観察するとほとんどが柔軟剤等に使われているマイクロカプセルやそのかけらでした。

 その家庭ではもちろんその様な物は使用しておらず、外部から衣類に付着して持ち込まれた物や窓・玄関の開閉で外から入り込んだ物と思われます。

 顕微鏡観察中にまだ破裂しないで残っていた大きな直径167μmのマイクロカプセル(大きい物ほど破裂し易い)が観察中に破裂しましたので、その顕微鏡画像をご覧下さい。

 室内で吸っている空気にこのような肉眼で見えない物が飛んでおり、気道に吸い込んで破裂している事が疑われます。そして、カプセルに含まれる化学物質の原液を粘膜が浴びている恐ろしい事態が想定されます。








撮影時刻:20200125131825 光学倍率:1000倍 NPO VOC研究会
光学倍率を1000倍に拡大
形の変化はまだ無い
この27秒後に突然破裂した



































撮影時刻:20200125131852 光学倍率:1000倍 NPO VOC研究会
突然破裂した



































撮影時刻:20200125131930 光学倍率:1000倍 NPO VOC研究会
破裂の38秒後には噴出物が白く光り輝いていた
内部の微粒子が見えてきた



































撮影時刻:20200125132005 光学倍率:1000倍 NPO VOC研究会
内部の大きな塊は形状が変わり始めている(矢印部)

































撮影時刻:20200125132029 光学倍率:1000倍照明暗く NPO VOC研究会
照明を暗くして噴出物を観察
ドロドロした物と非常に小さなカプセルと思われる物が見える


































撮影時刻:20200125132132 光学倍率:1000倍 NPO VOC研究会
明るさを元に戻す



































撮影時刻:20200125132223 光学倍率:400倍 NPO VOC研究会
光学倍率を下げて周辺確認
周辺に飛び散った物等無く変化無し


































撮影時刻:20200125133850 光学倍率:1000倍 NPO VOC研究会
破裂から約20分後
内容物がはっきりしてきた
破裂直後と形状が変化した物が多い
はっきり見えないが、外側のカプセル外径は変化が無い





































 この後残りの所を観察した後、最後にもう一度観察しようとしましたが、顕微鏡のX-Yステージに目盛りとかエンコーダーが無いので、残念ながらこの位置にたどり着けませんでした。

 マイクロカプセルには色々な構造が有り、ここで紹介したのはごく一例です。この様に観察中に破裂した物はマイクロカプセルに間違いないので、マイクロカプセルの写真を整理してみたいと思います。

 室内では上記の様な破裂前のマイクロカプセルはほとんど見られず、破裂したカプセルの残骸やその中から飛び散った更に小さなカプセル(数μ~1μ以下)が多数見られます。一方、屋外ではまだ破裂していないカプセルも多数見られ、このような物が空中を浮遊して我々が吸い込んでいるという事は恐ろしい事です。