2021年7月13日火曜日

外干し後の部屋干しで猛毒のイソシアネート発生

  雨天続きで洗濯物を部屋干しする事も多いと思います。我が家では浴室乾燥という手も有りますが、電気代節約の為に部屋干しで扇風機で風を当てるとほとんど夕方までに乾きます。

 ところが、部屋干しを始めて暫くの間、目の調子が悪くて複視でPCの文字が非常に読みづらかったり、喉がひりひりしたり咳が出たりします。

 ちょうど今は借用品の有毒ガス検知器が手元に有り、イソシアネートを測定出来るので早速測ってみました。しかし、前日の測定の汚染が残る事が有り、電源を入れて暫くはイソシアネートが無くても数字が出ることが有ります。マニュアルには清浄な所で1時間位空運転を行う様に記載が有ったと思います。測定経過は以下の通りです。

7/7(水)

 9:40 和室(部屋干し有り)で電源オンし測定スタート 最初高く徐々に下がる(前回の汚染が残っているパターン)。

11:15まで待ってもまだ9.4ppb

 外へ出すとゼロ→測定器の汚染は無い確認

 和室へ戻すと9.2ppbも有る→実際の値

 玄関で測定すると玄関はゼロ→やはり測定器の汚染ではない

 再度和室で測るとまだ7.6ppbも有る

11:42晴れ間が出てきたので洗濯物を2階ベランダに移動するとゼロになった


7/8(木)確認テスト

 7:50 有毒ガス検知器電源オン 26.8ppbだが急激に下がる(前回の汚染が残る)

 8:10 洗濯物部屋干し、扇風機2台で風送る

 8:55 複視がひどくPC見辛い

 9:23 外出の為一旦扇風機停止 4.4ppb

    帰ってきて扇風機オンにすると5.1ppbに上昇

 9:33 測定器を玄関へ移動。4分後にゼロ

 9:38 測定器を台所へ移動。0.7~0.8ppb有ったが、1分後にゼロ

その後2階の各部屋チェックするが、全てゼロ

 9:45 測定器を外で測ってみるとゼロ(小雨南風状態)

 9:47 玄関内側で動いたら1.1ppb(部屋干しの所とふすま1枚)

 9:50 部屋干し中へ戻ると1.3ppb

 9:52 ゼロになった。洗濯物が少し乾いてきたせいか?

 次回確認時には2階の清浄な部屋で空運転してから部屋干しの所で測定したいと思います。

 有毒ガス検知器が検出するのはイソシアネート基の合計値で、色々有るイソシアネートの種類の合算値です現在使用している化学テープは使用期限の切れた物しかなく、感度が何割か落ちていると思われる物です。

 我が家で高速液体クロマトグラフの分析で明らかになったイソシアネートはイソシアン酸でした。一般的な分析可能なTDI,MDI,HDI等はごく微量か未検出でした。

 イソシアネートの濃度は米国の職業病予防基準が厳しく8時間労働で1ppbです。これ以下でも完全に職業病を予防できる訳ではなく、一部の敏感な人は症状が出るそうです。危険なので部屋干しの時は活性炭のマスクをしますが、それでも目や皮膚からも吸収されるので、ゴーグルや化学防護服が無いと万全とは言えません。

 部屋干しの洗濯物からイソシアネートが出る原因は以下の様に、外干し時に付着したカプセルが部屋干しで洗濯物が乾いていく過程で破裂し、ポリウレタンやポリウレアが分解してイソシアネートが発生していると思われます。












今までに確認した根拠を整理すると以下の様になります。

①洗濯物からマイクロカプセルが剥がれて飛び散る

・剥がれる原因はポリウレタンの紫外線による表面劣化や水分による劣化(理論上の推定)

・空中を飛び交っているマイクロカプセルはPCマイクロスコープ(工業用顕微鏡)で撮影出来ている。


②外干しの洗濯物にマイクロカプセルが付着

・外干ししたシーツに交換すると、寝て温まってくると咳が出て、飛び散るマイクロカプセルや破片がPM2.5として計測されたり、PCマイクロスコープで観察される(このブログに公開されている)。

・物干しざおに両面テープを置いて付着物をPCマイクロスコープで撮影出来ている。

・水洗いしたフキンを外干しして刺激を与えるとイソシアネートが出る事を確認している。


③ポリウレタンが分解するとイソシアネートが出る。高温ではイソシアン酸が占める。

・以下の論文で明らかにされている

https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-26550080/26550080seika.pdf

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27357471/

https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/27836276

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11993759/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9158242/


・カプセルの破裂で高温になるのはミクロの爆発で、トライボロジーやマイクロプラズマ現象として説明される。

以上です。

 先日の近所への落雷停電でメインのPCが立ち上がらなくなってしまいました。恐ろしく遅い予備のPCで編集していますので、思うように動きません。読みづらい点が有るかもしれませんがご容赦ください。