2021年11月14日日曜日

イソシアネート系硬化剤の吸入によるアレルギー(労働災害事例)が参考になる

 職場のあんぜんサイトの労働災害事例に「イソシアネート系硬化剤の吸入によるアレルギー」が掲載されています。

 私は生活環境(住宅街の外気、電車の中、地下通路、混雑した歩道等)でイソシアネート測定を行いましたが、日にちや時間帯によっては米国の職業病予防基準を越えて観測されます。同様の事が生活環境で起こっている可能性が有ると思われます。

<発生状況>

 塗装工事現場において、硬化剤を入れた塗料で雨戸に吹き付け塗装を行った。作業中に喉に違和感を覚えたが、当日はそのまま作業を続けた。翌日の朝に起床したときに首や喉が腫れて呼吸困難となり病院を受診した。耐候性を高めるウレタンコーティング塗料の硬化剤に含まれていたイソシアネート類(トルエンジイソシアネートなど)を吸入したことによるアレルギーと診断された。作業においては防毒マスク未着用であった。


<対策>一部関連する所のみ

 ウレタン系の硬化剤はイソシアネート類を含有している。アレルギーを発症しやすいため、一度でもアレルギーを起こした作業者は、アナフィラキシーショックを避けるために同様の製品を使用する作業を回避させる

 ここで重要なのは、症状は遅れて次の朝出ているという事です。


2021年11月10日水曜日

飛散微粒子とガス異常の時に我が家に飛んで来たマイクロカプセルが観察中に破裂

 混み入った住宅街で強烈な香りの柔軟剤使用の家に取り囲まれた我が家の外気を数年間連続測定しています。

  10月31日午後から11月1日早朝にかけては、飛んで来る微粒子と揮発性有機化合物が異常な値で測定器が異常を知らせてきています。

 その時に飛んで来た微粒子を電子顕微鏡用の両面テープにくっつけて顕微鏡で観察して見ました。

 観察中に破裂して中身が吹き飛ぶ現象が見られました。


<10月31日の外気測定結果>

 PMの値が徐々に上昇し、PM2.5で44㎍/㎥にも達しています。

 この測定はレーザー散乱方式で行っていますが、我が家から約1kmの所に有る県の測定器ではベータ線減衰方式でPM10を測定しています。我が家と県のPM10測定値を比べると、測定方式が異なるので厳密に一致はしませんが傾向は似ています。

 という事は、約1km離れていても同じ現象となっている事を意味し、この汚染は広域で起こっている事になります。

 その成分は、ほとんどがPM1と呼ばれる1㎛以下の物で、肺の奥深く肺胞まで入り、その先血液中から脳や胎盤まで入ると言われています。

 一方、VOC(正確にはTVOCで揮発性有機化合物の合計)も時々爆発的に増加しては減衰しています。
















<11月1日の外気測定結果>

















 日付が変わって、PMはまだ高い値ですが、徐々に減衰してきています。県の測定局の値も同じ傾向を示しています。

 7時台と10時台には、1~2分間の異常なピークが見られ、短時間大量の微粒子が発生した事を示しています。測定器が1分間隔なので、非常に短い時間の現象で、ここでもPM1が主流を占めています。

 朝方は曇っていましたが、晴れ間が出た10時ごろにはVOCのピークが出ています。その後、継続的に晴れる変わり目にはやはりVOCのピークが出ています。


<顕微鏡観察中にマイクロカプセルが破裂(ミクロの爆発)>

 顕微鏡(工業用のPCマイクロスコープ)で飛んで来た微粒子を観察していました。

 400倍で見ていて(左の写真:1000倍と大きさを合わせる為に2.5倍画像を拡大)、1000倍に切り替えて画面を明るくする為に(倍率を上げると画面が暗くなる)LED照明を明るくした途端に、マイクロカプセルが破裂しました。光のエネルギーの刺激か、温度上昇で破裂したと思われます。

 動画でお見せしたい所ですが、動画で狙っているとなかなか破裂してくれません。今まで何度も破裂の瞬間を捉えられたのは静止画のみです。ドライブレコーダーみたいに常時録画して破裂したら停止するソフトでもあれば出来るかも知れません。

 破裂後の画像を良く見ると、周りに非常に小さな点(1㎛以下)がうっすらと見えます。これが計測結果に出ているPM1の犯人と思われます。