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2024年10月27日日曜日

PM,VOC測定器 AtmotubePRO を故障させた原因物質の顕微鏡写真

 前回の投稿「とうとうPM,VOC測定器のAtmotubePROが動かなくなる:その原因は人体に通ずる物が有る」の続きです。

 分解して見つかった、測定する空気の通り道を塞いでしまっている異物を顕微鏡(PCマイクロスコープ)で見てみます。

<前回の投稿見つかった異物>

 別の初期モデルAtmotubeではこのオーバーヒート保護機能が無い様で、VOCセンサーを加熱し続けて暴走し、ケースを持てない程熱くなって完全に壊れてしまいました。


<PCマイクロスコープの画像>













 これらの様子を見ると、粒々には強力な接着性が有る様に見えます。














 接着力は強く、左画像中央の様に破裂したマイクロカプセルの残骸もまだ繊維にくっついています。繊維はその表面状態から化繊です。材料にもよるかも知れませんが、化繊の方が良く見られます。

 右画像は粒々が数珠の様にお互い連なってくっついています。














 破裂したマイクロカプセルが形状を留めていたり、ボロボロに劣化したマイクロカプセルが見られます。大気中を飛んでいた物が測定器に吸い込まれています。

 この事は、私達も呼吸器にこれらを吸い込んでいる証拠です。

 これらは慣れないと見分けが難しいかも知れませんが、次の画像をご覧ください。














 柔軟剤や洗剤に使用されるマイクロカプセルは、透明で無いと点々とした汚れとして見えてしまう為にほぼ透明です。重なって厚くなると白く見える様です。

 この為撮影も難しいですが、バックに真っ黒で異物が少ないSEM(電子顕微鏡)用の特殊な導電性両面テープを使うとこの様に形状が写ります。

 洗濯物に付着したマイクロカプセルがなぜこのように形状を保ったまま剥がれて大量に飛ぶかは文献を探しても見つかりませんでしたが、私は恐らくプラスチック表面の紫外線による劣化(塗装のチョーキング現象:塗装表面が劣化してチョークの粉の様になる)ではないかと思っています。

 ここでは破裂したカプセルですが、未破裂のカプセルも大気中を飛んでおり、顕微鏡観察中にどんどん破裂していくのを何度も見ています。

 という事は、測定器に吸い込まれて中で破裂し、カプセルから極小のPM2.5サイズのカプセルや液体を放出していると思われ、その様な現象も測定データとして捉えられています。

 これと同じことが我々の呼吸器の中で起こっている事は誰も想像できることです。

 問題は、PM2.5と呼ばれるごく小さなカプセルで、これは肺胞にまで入り、脂溶性の物は細胞膜を通過し血液中にまで入り、血液脳関門や胎盤関門・精巣関門等を通過すると言われている事です。













 測定器の出口付近の壁をぬぐって採取撮影した上記と前の③出口付近画像では点々と大量のPM2.5が見られます。


<修理結果>

 これらの異物をキムワイプとレンズクリーナー(アルコール主成分)で取り除いてAtmotubePROを元通りに組み立てて動作確認→無事動作し他の測定器よりPM感度が高い(空気の通りが良くなったせいか)。


2024年10月25日金曜日

とうとうPM,VOC測定器のAtmotubePROが動かなくなる:その原因は人体に通ずる物が有る

 2020年6月に導入し外気の PM(微小粒子状物質)とVOC(揮発性有機化合物)測定を行っていた測定器 AtmotubePRO の一号機が9月4日に電源が遮断されて動かなくなってしまいました。

 その前から時々「センサーが熱を持っています」というメッセージが出て時々測定出来ない事が有り、だんだん頻度が多くなり、とうとう電源が遮断されて動かなくなりました。

 ここで気になるのが、同じAtmotubePRO二号機を購入して余り時間が経っていない時に手が滑って落としていまい動かなくなり分解した時の事です。分解してチェックした所、動かない原因はファンの羽根が軸から外れて回っていない事でした。

 この時気になったのが、購入してまだ日が浅いのに、内部に白い綿あめ様な物が溜まっていた事です。この時の様子は以下のリンクを参照して下さい。

https://mukouryou.blogspot.com/2021/08/pm25-atmotubepro.html

 この時は、動かすのに懸命で内部の異物迄注意が行かなかったのですが、今回の「センサーが熱を持っています」という警告もファンの風量が落ちているのではと分解チェックしてみる事にしました。

 また、内部に異物が有った場合は、PCマイクロスコープで観察してみる事にします。

  なお、分解した場合は保証が受けられなくなりますし、内部にはレーザー光源が有り危険が伴うので、知識の有る方が自己責任で行ってください。












































































































































次に続く
https://mukouryou.blogspot.com/2024/10/pmvoc-atmotubepro.html

2024年5月16日木曜日

長持ちする香りの仕組み:なかなか取れなくて突然自爆するマイクロカプセル

  最初はプレゼンの表紙>最後の姿

マイクロカプセルが自爆して中から数㎛以下の極小カプセルを放出している所です。

この大きさだと、無風状態では1日以上大気中に浮遊すると言われています。

私達は知らない間にこれらを吸い込んで、肺に入ったり、目に入ったり、髪の毛や皮膚に付着しています。高濃度の暴露を受けていることになります。













以下、付着から自爆迄の経過を画像で追います。

<最初に付着した時>

人の多い沼へ白鳥やカワセミの撮影に出かけた時、メガネ(プラスチックレンズ)に付着したマイクロカプセルを1,000倍で撮影した画像です。













レンズクリーナーで拭いても油分は取れますが、マイクロカプセル自体は取れません。














再度レンズクリーナーで拭いても取れませんでした。













キムワイプで拭くと一見綺麗になりますが、PCマイクロスコープで見るとまだ残っています。


再度、レンズクリーナー、キムワイプで拭いてもまだ残っています。


大きなカプセルが白濁し始めた















約3ヶ月で自爆しました。

一番大きなカプセルが割れて、中から数㎛以下の極小カプセルを大量に放出しています。