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2017年6月20日火曜日

米国の職業病防止許容濃度を越える自宅近辺のイソシアネート

<変更履歴>
2017.06.21 イソシアネートに反応したケミカセットの画像を追加

 危険な化学物質を扱う職場では、作業者がさらされる化学物質の濃度を管理することが労働安全衛生法で定められています。

 アレルギーを起こす猛毒のイソシアネート(代表のトルエンジイソシアネート)については、日本は時間加重平均の許容濃度が0.005ppm(5ppb)と定められています。米国では昨年この規格が改訂され0.005→0.001ppm(1ppb)と厳しくなりました
 新規格は、喘息、肺機能、眼刺激の為とされています。

 この規格は、「ほとんどすべての作業者が毎日繰り返し暴露しても、有害な健康影響が現れないと考えられる化学物質の気中濃度である。TLV は、産業界の経験、ヒトや動物による試験・研究などの利用可能な情報に基づいている。これら情報の量と質は物質によって異なるため、TLV の精度にも幅がある。TLV は、安全濃度と危険濃度の間のはっきりした線ではないし、毒性の相対的な指標でもない。」・・・環境省の保健・化学物質対策より

 「ほとんどすべての作業者」という事は、残りの一部化学物質に弱い作業者は、これ以下でも危ないと解釈できます。

 前置きはこれ位にして、我が家の部屋の外や近辺でこの規格を上回る最大で1.5ppbが観測されました。早朝ウォーキング時に有毒ガス検知器をしょって測定したのが以下のグラフです。我が家では窓を閉め切って換気口も閉じていますが、これから暑くなって網戸にして戸を開けて寝たら、恐ろしい事にこのレベルのイソシアネートを一晩吸い込むことになります。



6/18測定後のケミカセット
上記グラフのデータの基になるカセットテープの画像です。
イソシアネートを検出した部分が反応して赤い丸になっています。

 試薬をしみ込ませたテープに空気を通して反応させ、空気中のイソシアネート濃度に比例して濃度が濃くなる原理です。
 この濃度を反射率の変化としてセンサーで読み取り、デジタルに変換して表示します。


 上記グラフは用事の為に途中で測定を中断したものですが、以下は朝から夜まで測定した時の物です。真夜中も測定したいのですが、測定器の音がうるさく近所迷惑になるので遠慮しています。夕方から夜間に徐々に上昇し、早朝まで続き、測定出来た期間のピークは1.1ppb有ります。昼間は徐々に減少していきます。これは晴れている時のパターンです。



 この程度の濃度は混み合った電車の中や駅の乗り換え通路、混雑した歩道でも観測され、人が発生源です。妻が外出先で柔軟剤臭を貰ってきたブラウスを測定したら0.7ppbが観測された事からも言えます。→リンク

 今後は主な香り付き洗剤や香りを長持ちさせている柔軟剤で実際に布を処理して測定してみたいと思います。(以前も実験したがより確証を得る為に)

 今日も玄関の外は柔軟剤の臭いが充満して、閉め切った室内でも先ほどから喉が痒くなり活性炭の息苦しいマスクをしました。

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