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2018年3月17日土曜日

この消臭スプレーまだ使い続けますか?

 今まで柔軟剤処理した布を測定した時に、朝一番で有毒ガス検知器 SPM Flexを作動させるといきなりアラームになる現象が何度も発生しました。この測定器は光学センサーを使用しているので、今まで朝暖房が入った事による測定器の誤動作と思っていました。

 この為、柔軟剤処理した布から発生するイソシアネートについては公表してきませんでした。ところが、無香料の消臭スプレーで実験を続けるうちに、朝一にアラームとなる現象が暖房と関係なく出たり出なかったりして、経過を整理するとスプレーして数日後の朝に発生している事が分かりました。

 測定器の誤動作か実際に朝方にイソシアネートが発生した物か、2/25に更に確認した結果をお知らせします。方法としては、イソシアネートが出続けている時に、2階や襖の外側に測定器を移動して測るとイソシアネートは観測されず、また布の入ったポリ袋を閉じると暫く経って検出されなくなる事から、朝一に多量のイソシアネートが出ているのは測定器の誤動作では無くて、本物である事を確認しました。

 以下その経過です。


朝一にSPM Flexを作動させたらアラーム状態

 朝一、SPM Flexを作動させたらいきなりアラームで画面が赤くなっています。

 写真を撮るのが少し遅れたので、ここでは10.3ppbを表示していますが、ダウンロードした測定データではピークが14.9ppbでした(下のグラフ参照)

朝一SPM Flexを作動させたら、いきなりアラーム























 SPM Flexの左側には、ポリ袋に入っているがチャックが開いた状態の青色の布巾(無香料消臭スプレー処理済み)が置いてある。
 SPM Flexを持って2階に上がるとイソシアネートは検出されなくなる。また、襖1枚隔てた玄関でも検出されなかった。

 次に、1階の各部屋の分布を調べてみる




















 一番遠い台所でも9ppb観測された。また、隣の洋室でも6.3ppb観測された。(部屋の仕切りは開いた状態で)

 次にポリ袋の中で布を振って機械的な刺激を与えて増加するか見てみる。




















 布を振ると18.5ppbものイソシアネートが発生した。その後放置して19分経過してもまだイソシアネートが出続ける。

 次にイソシアネートを発している布巾を入れたポリ袋(0.04mm厚)のチャックを閉じて減衰していく様子を見てみる。




















 11分後にイソシアネートは検出されなくなった。(空気中の水分と反応してアミンに変化したと推定される)

 ここで観測されたピーク値の18.5ppbという値は以下許容濃度と比べても如何に大きな値かが分かる。トルエンジイソシアネート2,4-と2,6-の混合物としての許容濃度
                                                                 TLV-TWA     TLV-STEL
ACGIH(アメリカ合衆国産業衛生専門家会議) 1ppb             5ppb

                                                                 許容濃度 常時この濃度以下に保つこと
日本産業衛生学会                                          5ppb            20ppb

 あくまでもこれは有毒物を扱う職場の事で、この値以下に管理すれば絶対大丈夫という物ではない様です。更に以下の注意も必要とされています。
 ・許容濃度は化学物質が皮膚に吸収される可能性を除いた値
 ・許容濃度以下でも身体に異常が出る場合がある

 テレビで良くコマーシャルをやっている様に、洗濯せずに消臭スプレーを子供たちの物にシュッシュと掛けて、数日経つとこの様な値のイソシアネートが発生し、知らない間に部屋中に充満します。

 そして、トルエンジイソシアネートを例にとると、以下の様な症状を起こすと言われています。(職場のあんぜんサイト トリレンジイソシアネート参照→リンク
 赤字の所は、私が実際経験したか経験している症状です。

特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露): ヒトについては、眼、気道、皮膚に対する刺激性、激しい乾性の咳、喀痰、胸部絞扼感、呼吸困難、悪心、嘔吐、重篤な気管支痙攣を伴った気管支炎、肺水腫、肺炎など が報告されている。 21)
    ヒトについては、さらに「長期に亘って頭痛、健忘、集中力欠如、錯乱、人格の変化、易刺激性、鬱のような中枢神経系に対する影響」が見られ 21)、また「高揚感、運動失調、断続的な四肢の痙攣、めまい、意識消失、頭痛、集中力欠如、記憶障害、混乱、被刺激性、抑うつ」等の記述がある。 33)
    呼吸器、中枢神経系の障害(区分1)

 また、動物実験では発がん性が有るとされています。

 これでもまだ、あなたは使い続けますか?

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