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2019年5月24日金曜日

衣服に付着し室内に持ち込まれるマイクロカプセルから発生する猛毒のイソシアネート

 化学物質過敏症になり、自宅に住めず避難されている方が居ます。
 今回はご主人はそのまま自宅で暮らし、奥さんと娘さんが少し離れた所に避難されているケースの測定結果です。

 少し古くなりましたが、今年3月に測定器をNPOから借用したいというので、SPM Flexの使い方を説明に伺った時のことです。避難先の室内で、当初イソシアネート(この時はHDIとして測定)は検出されずゼロでした。

 ところが、近くでご主人が動くと途端に検出され、下のグラフの様にピークで1.1ppbとなり、13:32から13:38の6分間に渡って検出されました。その時、モニターしていたPM2.5とPM10もわずかに上昇していますが、これは測定器を窓際に置いて、SPM Flexと離れた位置に置いていた影響で十分検出できなかったと思われます。

 ご主人の衣類に付着したマイクロカプセルが崩壊してイソシアネートを出したものと思われます。

<使用測定器>
①有毒ガス検知器 SPM Flex






















エアクオリティモニター(1号機)















<SPM Flexとエアクオリティモニター測定結果のグラフ>
SPM FlexとエアクオリティモニターからのダウンロードデータをExcelで処理























<マイクロカプセルの顕微鏡写真>特徴的な物のみ掲載
避難場所と避難者自宅およびその周辺で収集されたマイクロカプセル
光学1,000倍Xデジタルズーム3倍=3,000倍で、画面の左右いっぱいで100μです
だ形がはっきりしているが周りに子カプセルを放出






















劣化して親カプセルの形が崩れ、子カプセルが大量に出ている

気持ちが悪い位大量に子カプセルを放出している























親カプセル寿命が来てばらばらに解体が始まったカプセル






















2019年5月23日木曜日

衆議院会館での院内集会「柔軟剤・香りマイクロカプセル」の録画が公開されています

2019年5月22日(水)に日本消費者連盟他の主催で衆議院第二議員会館で行われました「柔軟剤・香りマイクロカプセル」が市民メディア放送局で公開されていますのでお知らせします。
以下のURLでリンク出来ます。
https://shiminmedia.com/video/53069

私の出番は、18分25秒~40分の部分と最後の質問コーナーです。

香害被害者からの報告
どこにでもあり他人を汚染するマイクロカプセル。その観測結果の話。
という題のプレゼンです。

<2019.05.24追記>
参議院の福島瑞穂議員が、香害を含む消費者問題を参議院の消費者問題に関する特別委員会で質問されています。ご覧ください。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=37930&type=recorded

2019年5月17日金曜日

柔軟剤臭の移り香

移り香で柔軟剤臭くなったレジ袋、ジッパー袋
写真は妻が3日前に友人から頂いて冷蔵庫に保管されている手作りのパウンドケーキです。私も食べていいと言うので、昨日冷蔵庫から取り出すと独特の柔軟剤臭がしました。

 一番外側のレジ袋から中身を取り出してみると、レジ袋が柔軟剤臭い。しかし、中に入っていたジッパー袋はもっと臭います。パウンドケーキは切られて個々にラップに包まれていますが、幸いにラップは柔軟剤臭はしませんので、美味しく頂きました。

 しかし、この後自分の手が柔軟剤臭い事に気が付いて、急いで石鹸で洗ったら臭いは取れました。

 今日ももう1個食べようと冷蔵庫から取り出すと、昨日と同じ状況ですが、今日はパウンドケーキを包むラップも臭います。ラップを剥がしたらケーキの匂いは良い香りでしたので今日も美味しく頂きました。今日は手は臭くなりませんでしたが、念のため手は直ぐに洗いました。

 上の写真は今日撮影した物ですが、この写真を撮り終えた頃から目が圧迫される感じがして、急いで片付けて冷蔵庫に仕舞いました。

 恐らくこのパウンドケーキを作った方は、マイクロカプセルを使用した香る柔軟剤を使っていて、そのカプセルが家の中に浮遊していて付着したものと思われます。

早朝はすがすがしい空気でも・・・
その事を裏付けるのが以下の現象です。
 早朝、人がほとんどいない時にウォーキングに出かけます。

 自宅の近所では、洗濯物が外に干されていない家でも、換気口から柔軟剤臭が出ていて、家の周りは柔軟剤臭に包まれている家が何軒も有ります。

 風が無いと、何軒もの柔軟剤臭が混ざり合ってすさまじい臭いになります。

 部屋の中はすごい臭いだと思いますが、臭いは直ぐに慣れてしまい分からなくなるので、その家の人には分かりません。

 ウォーキングで人家がまばらの所を歩いてきれいな空気を吸った後で自宅に近づくと、出る時は分からなかった色々な柔軟剤臭を感じます。

 自宅前で落ちてくる微粒子を顕微鏡で見ると、柔軟剤の香りのカプセルが気持ち悪い位見られます。PM2.5,PM10をレーザーで計測する測定器で見ても、敏感な人は外出を控えるレベルが計測されます。

 毎日この中で暮らすのは大変です。窓を閉め切って、換気口をガスを使う所以外閉めて酸欠に注意しながらの生活です。山深い所でも同様に香りのカプセルが沢山見られます。

2019年5月1日水曜日

柔軟剤処理した洗濯物から放散されるマイクロカプセル(2)雨の日


 前回「柔軟剤処理した洗濯物から放散されるマイクロカプセル(1)晴の日」に続く試験です。今回は雨の日に柔軟剤処理した布を部屋干ししたらどうなるかです。

 試験方法、測定器は前回と同じです。

<干している状況>
 二重窓の間の隙間9cmに干しています。
外側はペアガラスで温度が伝わりにくくなっています。

 この後、外側のシャッターを閉めて内側も内窓と二重カーテンを閉めておきます。

 大きな変化が無いため日が差す翌日8:00にシャッターを開け、部屋のカーテンもレースのみにして前回と同じ条件にしました。



<PM2.5,PM10計測結果>
①雨の日に干す(4月30日)
1号機の計測結果



























2号機の計測結果

































 雨の日で日が当たらず温湿度の変動も少ない時は、所々にPM10の小さなピークが見られるのみで、大きな変動は無かった。VOCも低く安定している。

 次の日は晴れ間が出そうなので、直射日光が当たる様にして同じサンプルを継続して干してみることにします。

②晴れたり曇ったり(5月1日)前日から続いて干す 
1号機の計測結果





























2号機の計測結果

























 薄日が差すと共にVOCが上昇し始め、VOCのピークとなる11時55分から12時05分までの10分間にPM2.5,PM10共に激しく発生する。カプセルが崩壊して中身を放出していると思われる。


 それでは次にこの後で顕微鏡により、実際の柔軟剤液が乾いてどのようになったかプレパラート上で見るのと、布に付いたのがどうなっているか観察してみます。


<PM2.5,PM10顕微鏡観察>

①プレパラート上乾燥柔軟剤希釈液のマイクロカプセル
塊が崩壊して小さなカプセル(小さい物は1μmかそれ以下)が出ている
20190501175803 3,000倍







































左側に崩壊して抜け殻になった親カプセルが見える 直径30μm程度
20190501181504 3,000倍







































一番密度が高い部分
20190501182225 3,000倍





































②布に付着したマイクロカプセル観察
アクリル繊維が交差した所にマイクロカプセル内容物
(透明な粘性の物と子カプセル)が付着
子カプセルで小さい判別可能なものは直径1μm
20190501183408 3,000倍

マイクロカプセル内容物がダンゴ状に付着 外径19μmX16μm
中に色々な形状の子カプセルが見える
20190501183643 3,000倍









































アクリル繊維に付着したマイクロカプセル内容物 26μmX16μm
内容物の一番手前にドーナツ状の物が透けて見える
20190501192000 3,000倍









































上の写真と同じドーナツ状の物が飛んだ? 直径16μm
20190501191235 3,000倍




























アクリル繊維の左側に積もる様に付着
最初から晴れた日に干すとこの様に大量に付着した
20190501203213 3,000倍
























アクリル繊維にべっとりと付着したマイクロカプセル内容物
20190501204007 3,000倍
























2本のアクリル繊維間をまたぐようにマイクロカプセル内容物が付着
20190502093117 3,000倍
























アクリル繊維にマイクロカプセル内容物が付着
粒々の子カプセルは3μm~1μm以下
20190502100741 3,000倍

























粘性の高いマイクロカプセル内容物が付着
20190502093740 3,000倍
























色々な大きさの子カプセルが透けて見える
20190502101221 3,000倍
























 柔軟剤の取説では、洗濯の後放置せずにできるだけ早く干すように書かれている。前回の様に直ぐに干した場合は、親カプセルが完全に崩壊して中の子カプセルのみが繊維に厚く付着していたが、今回の様に雨の日に干した場合は、カプセルが完全に破裂せず、内容物の粘液みたいのに包まれた子カプセルが多く見られた。

 我が家の外気では今回の様な大きな塊が多く飛んできているのが観察される。近所はほとんどが共稼ぎで夜に洗濯をする家が多く、一晩過ぎて直射日光に干すと今回の様な塊が飛んでくると思われる。

 今回は1回しか洗濯をしていないが、更に洗濯をして柔軟剤液が付いたり、前に付着した物が劣化してどうなるか?
 また、今回は小さな布片(1cmX5cm)で過敏の人は避けなければならない程のPM2.5が飛んだが、一家4人分程度の洗濯物を干した場合は恐ろしく大量の微粒子が飛ぶことになる。かなりの距離まで拡散するのではないだろうか。