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2021年11月14日日曜日

イソシアネート系硬化剤の吸入によるアレルギー(労働災害事例)が参考になる

 職場のあんぜんサイトの労働災害事例に「イソシアネート系硬化剤の吸入によるアレルギー」が掲載されています。

 私は生活環境(住宅街の外気、電車の中、地下通路、混雑した歩道等)でイソシアネート測定を行いましたが、日にちや時間帯によっては米国の職業病予防基準を越えて観測されます。同様の事が生活環境で起こっている可能性が有ると思われます。

<発生状況>

 塗装工事現場において、硬化剤を入れた塗料で雨戸に吹き付け塗装を行った。作業中に喉に違和感を覚えたが、当日はそのまま作業を続けた。翌日の朝に起床したときに首や喉が腫れて呼吸困難となり病院を受診した。耐候性を高めるウレタンコーティング塗料の硬化剤に含まれていたイソシアネート類(トルエンジイソシアネートなど)を吸入したことによるアレルギーと診断された。作業においては防毒マスク未着用であった。


<対策>一部関連する所のみ

 ウレタン系の硬化剤はイソシアネート類を含有している。アレルギーを発症しやすいため、一度でもアレルギーを起こした作業者は、アナフィラキシーショックを避けるために同様の製品を使用する作業を回避させる

 ここで重要なのは、症状は遅れて次の朝出ているという事です。


2021年11月10日水曜日

飛散微粒子とガス異常の時に我が家に飛んで来たマイクロカプセルが観察中に破裂

 混み入った住宅街で強烈な香りの柔軟剤使用の家に取り囲まれた我が家の外気を数年間連続測定しています。

  10月31日午後から11月1日早朝にかけては、飛んで来る微粒子と揮発性有機化合物が異常な値で測定器が異常を知らせてきています。

 その時に飛んで来た微粒子を電子顕微鏡用の両面テープにくっつけて顕微鏡で観察して見ました。

 観察中に破裂して中身が吹き飛ぶ現象が見られました。


<10月31日の外気測定結果>

 PMの値が徐々に上昇し、PM2.5で44㎍/㎥にも達しています。

 この測定はレーザー散乱方式で行っていますが、我が家から約1kmの所に有る県の測定器ではベータ線減衰方式でPM10を測定しています。我が家と県のPM10測定値を比べると、測定方式が異なるので厳密に一致はしませんが傾向は似ています。

 という事は、約1km離れていても同じ現象となっている事を意味し、この汚染は広域で起こっている事になります。

 その成分は、ほとんどがPM1と呼ばれる1㎛以下の物で、肺の奥深く肺胞まで入り、その先血液中から脳や胎盤まで入ると言われています。

 一方、VOC(正確にはTVOCで揮発性有機化合物の合計)も時々爆発的に増加しては減衰しています。
















<11月1日の外気測定結果>

















 日付が変わって、PMはまだ高い値ですが、徐々に減衰してきています。県の測定局の値も同じ傾向を示しています。

 7時台と10時台には、1~2分間の異常なピークが見られ、短時間大量の微粒子が発生した事を示しています。測定器が1分間隔なので、非常に短い時間の現象で、ここでもPM1が主流を占めています。

 朝方は曇っていましたが、晴れ間が出た10時ごろにはVOCのピークが出ています。その後、継続的に晴れる変わり目にはやはりVOCのピークが出ています。


<顕微鏡観察中にマイクロカプセルが破裂(ミクロの爆発)>

 顕微鏡(工業用のPCマイクロスコープ)で飛んで来た微粒子を観察していました。

 400倍で見ていて(左の写真:1000倍と大きさを合わせる為に2.5倍画像を拡大)、1000倍に切り替えて画面を明るくする為に(倍率を上げると画面が暗くなる)LED照明を明るくした途端に、マイクロカプセルが破裂しました。光のエネルギーの刺激か、温度上昇で破裂したと思われます。

 動画でお見せしたい所ですが、動画で狙っているとなかなか破裂してくれません。今まで何度も破裂の瞬間を捉えられたのは静止画のみです。ドライブレコーダーみたいに常時録画して破裂したら停止するソフトでもあれば出来るかも知れません。

 破裂後の画像を良く見ると、周りに非常に小さな点(1㎛以下)がうっすらと見えます。これが計測結果に出ているPM1の犯人と思われます。 



2021年10月29日金曜日

電車に乗って柔軟剤臭くなったズボンに付着した物

 電車に乗ると体中が柔軟剤臭くなり、咳や頭痛、ひどいだるさを感じたりします。ひどい時は帰ってきて1時間位力が抜けて動けなかった事が有ります。そんな訳で、できるだけ電車での外出は避けていますが、どうしても本人が行かなければならない事になり(登山靴を買う為)、空いている時間帯に各駅停車の空いた列車で出掛けました。

  帰ってきて部屋に入ると身体が柔軟剤臭いので、直ぐにズボンと上着を着替えました。ひどい時は下着まで臭くなりますが、今日はそれ程でも有りませんでした。しかし、その後動くとまだ柔軟剤の臭いがしました。風呂に入って全部着替えてやっと臭わなくなりました。

 症状は後から少し咳が出て、体がだるく両下肢がかゆくなりました。電車に乗っている時は目に違和感を感じました。後でひどい複視にならなければ良いのですが。

 今日は黒いズボンをはいて行ったので、顕微鏡で見ることが出来、どんな物が付着しているか直接観察してみる事にします。固定がうまく出来ないので、ピント合わせが大変です。よく息を止めてと言われますが、それでもダメで、ズボンを押さえる力を加減してピントの合う所を探し、素早くシャッターを切り(マウスをクリック)します。

 最初は良く見られる付着物です。顕微鏡の光学倍率は全て1,000倍です。


















 こちらはは中央部をPCで拡大したものです。ほぼ透明なゼリー状の様な物の中に小さな粒々(数㎛~1㎛以下)が入っています。中の粒々が周りの繊維にくっついている様にも見えます。

















 次も同じ様なもので、大きな塊が繊維をまたいでべっとりとくっついています。


















 拡大すると、やはり中に小さな粒々が良く見えます。

















 こちらは破裂して左を向いた骸骨の様な形の物です。頭の所から液体の様な物を出している様に見えます。


















 拡大するとこの様に、破裂したマイクロカプセルの左半分が繊維にくっついた物でしょうか。頭から液体の様な物と粒々が出ているのが見えます。電車の椅子に座ると、他人の香料マイクロカプセルがこの様に付着し臭いが付いてしまいます。知らないうちに衣類が汚されてしまっています。

















2021年10月16日土曜日

スポーツジム帰りの柔軟剤臭で臭くなったTシャツからイソシアネート発生

2021年10月13日(水)

 スポーツジム帰りの妻が入ったトイレに続いて入ると、きつい柔軟剤臭がして目にしみました。我が家では石鹸洗剤しか使っておらず、スポーツジムで柔軟剤使用の人の香りのマイクロカプセルが椅子等に付着し、それを貰ってきた様です

 この状態で近くを通ると、咳が出たり頭痛がしたりするので直ぐに着替えて貰っています脱いだTシャツやズボンから混ざり合った気持悪い柔軟剤臭がします

 トイレに入った時に目にしみたので、炎症性のガスが発生している可能性が有るので、脱いだTシャツとズボンからイソシアネートやホルムアルデヒドが出ないかチェックしてみます。自分が暴露されるのを防ぐために、ゴミ捨て用のポリエチレン袋を被せます。


<測定準備>

ブランクチェックOK
Tシャツを入れたところ


























使用測定器

①イソシアネート

       米国 Honeywell社製    SPM Flex    呈色反応テープ光電光度法

       ( ACGIH 米国産業衛生専門家会議でイソシアネートの現場測定器として紹介)

②HCHO ホルムアルデヒド

        英国 Elitech(UK)Limited製    Temtop M2000  非分散型赤外分光法

③PM2.5,TVOC等
        米国    NotAnotherOne Inc.製    AtmotubePRO    PM2.5はレーザー散乱方式



<測定中の動画(早送り)>

https://www.youtube.com/watch?v=diBdvK7fMJU



<イソシアネート測定結果>

Tシャツ     1回目刺激 0.5ppb max

                2回目刺激 0.7ppb max

                3回目刺激 7.4ppb max→劣化により盛んにカプセルが破裂したか?

            

ズボン       刺激しても出ない(柔軟剤臭はする)

*HCHO ホルムアルデヒドは全体を通じて出なかった。

*PM2.5等の微粒子も変化無かった。

ご注意:マイクロカプセルはメーカーにより構造が大きく異なります。また香料との相性でカプセル材を変えている可能性が有り、これは一例と考えて下さい。刺激でPM2.5が大量に発生する物も経験しています。

<測定データグラフ>






















2021年10月13日水曜日

室内や外気で検出されるイソシアネートの分析詳細:TDIやHDIが主原因ではなかった

 有毒ガス検知器(呈色反応でイソシアネート基に反応)で測定すると、我が家の外気ではMAX2ppb程度のイソシアネート微量のシアン化水素(青酸ガス)が検出されました。また、電車の地下区間や地下鉄のホーム、地下の乗換通路、混雑した歩道等でも米国の職業病予防ACGIHの基準1ppbを上回る値が検出されます。

 イソシアネートはイソシアネート基を含むグループの総称で、色々な種類が有ります。有毒ガス検知器の検知可能な例を見ても、以下の様な種類が有ります。

 















 しかし、有毒ガス検知器で数ppbを検知している時でも、TDI、MDIで反応するイソシアネートバッジでは以下の様に全く反応が有りませんでした。

暴露前(左)と暴露後(右)

 一般的なTDI、MDIには反応無し。










 その後、或る研究機関で高速液体クロマトグラフで分析して貰う機会が有りましたので、その結果をお知らせします。

イソシアネート成分の分析方法

サンプラー(ジブチルアミン)に定量ポンプで空気を通し反応・安定化

アセトニトリルで抽出

LC-MS/MSでイソシアネート11成分を分析

(精度良く超高感度で11種類のイソシアネートを分析できる)


分析結果



ICAイソシアン酸が一番多く検出されました。

12/14の外気ピークでppbに換算すると0.48ppbになります。

室内、外気共にかなりの値で検出されています。

なお、有毒ガス検知器の検出可能ガスリストにICAは有りませんが、日本の代理店に確認したところ、検量線は持っていないが検出可能との事でした。



MIC イソシアン酸メチル

外気にわずかに存在しますが、室内は低い値か未検出です。

用途:殺菌剤、防かび剤、防汚剤 殺虫剤、防虫剤


インド、ボパールの化学工場で漏洩した。MICガスは風に乗って市街地に拡がり、3,000人以上の死者と35万人もの被災者を出した。

(失敗知識データベースより)




PIC ポリイソシアネート

用途:塗料、接着剤の硬化剤やウレタン樹脂の原料

外気でのみ微量に検出されています。









PHI:フェニルイソシアネート

用途:?


未検出又は検出限度以下です。







HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート

用途:塗料用イソシアネート硬化剤

未検出又は検出限度以下です。

今年の人間ドックでTDI,MDI,HDIのIge抗体の検査を受けましたが、どれも陰性で、この結果と一致しています。



イソシアネートとイソシアン酸との測定値比較

これは我が家では有りませんが、屋外でイソシアネートを2種類の測定方式で測定し比較した物です。

<茶色>SPM Flexで測定

イソシアネート基(色々なイソシアネート類)に呈色反応で反応したものを計測

<青色>

LC-MS/MSでイソシアネート11成分を分析し、桁違いに大きかったイソシアン酸のみをグラフにした。11成分以外は不明。


<両者の比較から>

分析可能な11成分以外の成分が大量に有ると思われる。

2021年10月4日月曜日

歯医者帰りの妻を車に乗せると:移香の衣類から大量の猛毒イソシアネートが発生

 2021.10.01(金)

 台風16号の影響で風雨が強く、歯医者へ車での送迎を妻に頼まれました。

 行く時は何事も無かったのですが、帰りに自宅前に着いて、妻が急いで車を降りた瞬間、目にしみて気管支に違和感を感じました。油断して今回は活性炭のマスクをしていなかったのですが、その時臭いは感じませんでした。

 その後目が痛いので、急いでうがい、目洗い、顔洗いをしました。着ていた上着とズボンは直ぐに脱いで着替えて貰いましたが、鼻を近づけるときつい柔軟剤臭がして移香した事が分かります。

 夕方準備が出来たので、洗濯籠に有った脱いだ上着とズボンを測定してみる事にしました。


測定の様子(上着の測定中)


 上着は動かしてもイソシアネートは出ませんでした。

 HCHO ホルムアルデヒドも0.032㎎/㎥で変化有りませんでした。













しかし、ズボンと入れ替えると・・・


 入れた直ぐはゼロでしたが、あっという間に上昇を始め、max6ppbにまで達しました。

 ホルムアルデヒドも少し上昇し、0.059㎎/㎥になりました。

 値が落ちてきても、動かして刺激を与えるとまた上昇し、かなりの時間継続します。










 測定データをグラフにすると以下のようになり、アレルギーを発症する猛毒のイソシアネートがピークで6ppbも出ることが分かります。

 但し、これは自分がもろに吸い込んで危険な状態にならないように、ポリエチレンの袋を掛けて実験しています。誤差要因としては、袋で拡散しないプラス要因と、袋に吸着されるマイナス要因が考えられると思います。

 イソシアネートの発生は37分間続き、その後はゼロ(測定限界0.4ppb未満)となり、ズボンを動かしてももう出ませんでした。(今回は行いませんが、過去に数日放置したり、刺激方法を加湿・加温にすると出た経験が有ります)
















実験中の動画(4倍早送り)



 これは或る特定製品の特性かも知れませんが、柔軟剤等の香りの強い製品使用の人が椅子に座った後で、そこに未使用者が座ると移香し、動かすと危険な量のイソシアネートが発生する事が分かりました。

2021年10月2日土曜日

大きなマイクロカプセルは肉眼でも見える

 昨日、洗濯物を畳んでいると、畳の上にキラリと光る点が見えました。鋭い光で顔を少しずらすと見えなくなってしまいます。見失わないように、付箋とシャープペンで位置が分かるようにしました。

 この様な光る物は2018年に手術で入院していた時も見られました。感染症対策が行き届いた病院の中でも見られました。

 太陽光やLED照明の様なスポット光だと良く見えます。今回、色々な方法で撮影して見る事にしました。顕微鏡だと平面的にしか見えないので、デジカメで限界まで解像度を上げて撮影してみます。


1.スマホで撮影(右はデジタルズームで拡大)

 接写機能の無いスマホでは肉眼と同じ光る点にしか写りません。

















2.デジカメ(一眼レフ+等倍マクロレンズ)、更にエクステンションチューブ装着

 次にデジカメの一眼レフに等倍マクロレンズを付けて、一番接近して撮影して見ます。

下の写真は後程出るエクステンションチューブを装着した所です。











 そのままだと明るすぎて潰れてしまうので、露出補正をして形状が見えるようにします。等倍撮影でそのまま見るとこんな感じで点にしか見えません。シャープペンの先と大きさを比べて下さい。



















 次に上の画像をPCで拡大すると、形状が分かるようになりました。割れ目が確認出来ます。



 更にエクステンションチューブを装着して接近して撮影すると中の物がはっきり見えてきます。中に粒々が有るのが見えてきます。


















3.顕微鏡で撮影(上の物をひっくり返して見ています。両面テープを押し付けて採取した)

 電子顕微鏡用の導電両面テープを押し付けて、採取して顕微鏡で見てみます。今度は裏から見ている事になります。こちらは割れ目が見えません。しかし、400倍でも中に粒々がびっしりと詰まっているのが分かります。

 メーカーにより特許の関係で構造が全く異なります。この様な大きなカプセルを作れるのはあのメーカーです(非公開)。

顕微鏡400倍


















 倍率を上げて1000倍で見てみます。色々な大きさの粒や塊が見えます。小さな粒は1㎛以下の物も有り、光学顕微鏡ではぼんやりとした点にしか見えません。これらはPM2.5やPM1.0と呼ばれる物で、吸い込むと肺の奥深くにまで入って、更には血液中にまで入り込むと言われています。

 画面を拡大して見られる方は、ぜひ拡大してご覧ください。

顕微鏡1,000倍 中央底にピント























 次にカプセルの壁の部分にピントを合わせてみました。層の様になっているのが見えます

顕微鏡1,000倍 殻の部分にピント、明るさ絞る




















 以前に窓を開けていた頃は、この様な光る点が畳のあちこちに落ちていました。今は窓を開けられないのでたまにしか見つかりませんが、近所から飛んで来て洗濯物にくっついてきた物か、歯医者へ行った妻にくっついてきたのが落ちたものと思われます。

 歯医者でくっついたマイクロカプセルから高濃度のイソシアネートが出る実験動画を撮りましたので公開する予定です。

換気すると・・・空気が汚れる!

  玄関の外とPC作業する部屋に微粒子とVOCの測定器を置いて連続測定しています。PC作業の部屋の建物の反対側に台所が有ります。

 ガスを使う為に台所の換気扇を回して換気をすると、建物反対側の部屋にもわずかな隙間から(換気口を閉じても隙間が有る)PM2.5が入ってきています。

<外気の測定>玄関の外側

 9日はPM2.5がやや高く、ピークでWHOの基準を越えている。

 PM2.5を収集して顕微鏡で観察すると、ほとんどがマイクロカプセルや破裂したかけらです。
















 季節や日による変動が大きい。2020年に2階ベランダで測定した結果は、2月から4月頃が多くなる。

PM10(PM2.5は隠れているので下のグラフ参照)















PM2.5が隠れているのでPM2.5のみを表示













 PM10,PM2.5共に冬から春にかけて値が大きくなっている。日照時間との関連か?

 微粒子を収取して顕微鏡で観察すると、花粉や黄砂も見られる時があるが、ほとんどをマイクロカプセルやその破片、中から放出された極小のカプセル(数㎛~1㎛以下)がほとんどである。


<室内の測定>

・測定している部屋の換気口は柔軟剤臭が入ってくるので常時閉じている。

・風呂場とトイレの窓は開けている。

・建物反対側に有る台所の換気口のみガスを使うので酸欠防止の為に開けている。

















 換気の為に窓を開けたり、台所でガスを使って換気したり、風呂の後で乾燥の為に換気すると外気から微粒子が侵入する(換気にならず空気を汚している)


2021年9月26日日曜日

住宅街で窓を開けるとイソシアネートがアラームレベルで入ってくる

 2021年9月23日(秋分の日)実験

 有毒ガス検知器(Woneywell社 SPM Flex)を使用して、住宅街の我が家で窓を開けると危険レベル(米国の職業病予防基準1.0ppbを越える)のイソシアネートが入ってくる実験をしました。

 窓を開ける前はゼロを表示していますが、二重窓を開けて網戸越しに測定すると、暫くしてイソシアネート濃度が上がっていき、1.4ppbにも達しました。危険を知らせる為に画面が赤くなり、アラームレベルを表示しています。

 我が家ではほとんど窓を開けられません。窓を開けると咳が出て頭痛になります。

早送りの動画Youtubeをご覧ください。



 念のために呈色反応が起こっているか確認する為に、カセットテープを撮影しました。スマホで撮影したので色が正しく有りませんが、テープ中央にイソシアネートに反応した赤い丸が確認出来ます。




2021年9月18日土曜日

予備測定:自宅近辺のイソシアネート値は米国の職業病予防基準を越える

  有毒ガス検知器(米国Honeywell社製 SPM Flex)にイソシアネート検出用カセットをセットし、自宅近辺を約1時間肩に掛けて散策してデータを取ってみました。

 この検知器は、有毒ガスを扱う工場や研究機関等で、ガスが漏れたのを検知し一定レベルを越えると警報を鳴らしたり、自動的にガスを遮断する機能も有ります。

 今回使用したイソシアネート用カセットは、呈色反応でソシアネート基を検出し、ガスやエアロゾルに反応して濃度に応じて赤く変わり、その変色度合いを光学的に読み取り記録したり警報を出したりする装置です。

<測定器本体とカセットの外観>















測定器の詳細については以下のページに解説していますのでリンクで参照して下さい。

https://mukouryou.blogspot.com/p/blog-page_62.html

Honeywell社の製品紹介

https://sps.honeywell.com/jp/ja/products/safety/gas-and-flame-detection/high-tech-and-semiconductor/spm-flex


<測定結果> 測定日:2021.09.05(日)

一番高かった地点→3.8ppb 産婦人科医院駐車場脇の歩道を通った時

沼の脇を通る→1.7ppb 一時弱い雨が降ってきたので、その影響か?

途中立寄ったコンビニの中、自宅室内ゼロ(検出限界0.4ppb未満)の地点

自宅近辺外気→1.4ppb MAX(職業病の危険が有るのでアラーム1

ACGIH(アメリカ産業衛生専門家会議)は8時間労働のイソシアネート許容濃度を1ppbと定めています。24時間暮らす自宅近辺に工場など無い住宅密集地で許容濃度を越えていて、弱い一部の人は職業病になると思われます。





2021年8月25日水曜日

PM2.5微小粒子状物質測定器 AtmotubePRO を分解修理

 先日、PM2.5 微小粒子状物質測定に使用している米国製でレーザー散乱方式の測定器AtmotubePROをうっかり植木鉢の上へ落としたら動かなくなってしまいました。

 この測定器は米国から直輸入で購入した物ですが、今は在庫切れでもう入手出来ません。そこで、内部構造を知るのも兼ねて分解修理する事にしました。

 (注)内部にはレーザー光線の光源が有ります。私はバッテリーが空になるのを待って行いましたが、スマホからのコマンドで電源を切る方法も有るので、危険の無い様に。また、分解したら保証が受けられなくなるのでご注意下さい。

 

 AtmotubePRO

 最初に外装の小さな+ネジ4本を時計ドライバーで外します。

 次に爪の位置を探りながら-時計ドライバーの小さい物から差し込み、隙間が出来たら大きな時計ドライバーで広げ、この操作を繰り返して爪を外します。











上下のケースが分離したら、今度は緑のプラスチックカバーのセンサー部を分解しますが、分解防止のトルクスネジという特殊ななネジが使われており、普通のドライバーでは回りません。

 そこで、ネジの大きさを測ってドライバー(T型トルクスレンチ)を購入します。


 ネジの寸法を測るとネジの穴の対角線が1.65mmのT6という呼び径の様ですが、もし寸法が外れても良い様に、前後の呼び径を含んだセットを購入しました。

 このネジはぴったりのレンチで外さないとネジの溝が潰れてしまい、取れなくなってしまいます。(外す奥の手は有るが、ネジは使えなくなる)


 T6のトルクスレンチで無事カバーが外れました。

 センサー部が上下に合体している構造で、内部を見るにはまたトルクスネジ(同じサイズ)を4本外します。






センサー部を分解しているところ










 無事上下が分離しました。

 詳細に目視チェックすると、写真にうまく撮れませんが、排気ファンの羽が傾いて回りません。ピンセットを突っ込んで位置を修正したら軽く回る様になりました。

 ここで気になるのは、白い粒の大きな塊のような物が空気の通路2ヵ所に見られます。




 一つ目は上の写真の左側で、拡大してみると白い綿あめの様な物が溜まっています。







 もう1ヶ所右側の排気ファンの左側の部分に灰色の粒々の塊のような物が見えます。


 他にも空気の通路の至る所に粒々がくっついています。



 細かくて取りにくいですが、キムワイプで大きな物は取り除き、レンズ拭きのアルコールシートで仕上げ拭きしました。フォトダイオード表面も汚れていたので傷を付けないように慎重に作業しました。

 これは作業中の全景ですが、作業が終わり、逆に組み立てていきます。

 センサー部を合体させケースに収めてカバーを閉じようとすると何かが当たって閉まりません。

 もう一度センサー部を取り外して何が当たっているか見ると、底に小さなスプリングが落ちていました。

 センサーユニットの箱状のシールド板を基板のアースと接触させる為のスプリングの様です。ちょうどぴったり収まる穴が有ったので、その穴に入れて組み直したら無事組み上がりました。

 電源を供給してバッテリーを充電すると、センサーが熱を持っています。というメッセージが出ましたが、暫くすると正常になりました。もう1台の物と同じ場所で比較すると、PMの値はほぼ一致しています。しかし、VOCは低めの値が表示されます。VOCの高い所で校正されてしまったせいかもしれないので、一度バッテリーを放電させ、清浄な空気の所でもう一度動作を開始させてみます。

 直すのに一生懸命で後から思ったのは、空気の通路に溜まっていた異物を保存しておいて顕微鏡で見たら良かったかと思いましたが、後の祭りゴミ箱に捨ててしまいました。ひょっとしたら、マイクロカプセルが溜まり溜まった物かも知れません。粘着性なので、うまく排出されずに空気がよどんだ所に溜まってきたのかもしれないからです。

 これがもしマイクロカプセルなら、私たちの気道の中も同じように汚染されていると思われるからです。次回もし分解する機会が有れば、ぜひ顕微鏡で観察してみたいと思います。

2021年7月13日火曜日

外干し後の部屋干しで猛毒のイソシアネート発生

  雨天続きで洗濯物を部屋干しする事も多いと思います。我が家では浴室乾燥という手も有りますが、電気代節約の為に部屋干しで扇風機で風を当てるとほとんど夕方までに乾きます。

 ところが、部屋干しを始めて暫くの間、目の調子が悪くて複視でPCの文字が非常に読みづらかったり、喉がひりひりしたり咳が出たりします。

 ちょうど今は借用品の有毒ガス検知器が手元に有り、イソシアネートを測定出来るので早速測ってみました。しかし、前日の測定の汚染が残る事が有り、電源を入れて暫くはイソシアネートが無くても数字が出ることが有ります。マニュアルには清浄な所で1時間位空運転を行う様に記載が有ったと思います。測定経過は以下の通りです。

7/7(水)

 9:40 和室(部屋干し有り)で電源オンし測定スタート 最初高く徐々に下がる(前回の汚染が残っているパターン)。

11:15まで待ってもまだ9.4ppb

 外へ出すとゼロ→測定器の汚染は無い確認

 和室へ戻すと9.2ppbも有る→実際の値

 玄関で測定すると玄関はゼロ→やはり測定器の汚染ではない

 再度和室で測るとまだ7.6ppbも有る

11:42晴れ間が出てきたので洗濯物を2階ベランダに移動するとゼロになった


7/8(木)確認テスト

 7:50 有毒ガス検知器電源オン 26.8ppbだが急激に下がる(前回の汚染が残る)

 8:10 洗濯物部屋干し、扇風機2台で風送る

 8:55 複視がひどくPC見辛い

 9:23 外出の為一旦扇風機停止 4.4ppb

    帰ってきて扇風機オンにすると5.1ppbに上昇

 9:33 測定器を玄関へ移動。4分後にゼロ

 9:38 測定器を台所へ移動。0.7~0.8ppb有ったが、1分後にゼロ

その後2階の各部屋チェックするが、全てゼロ

 9:45 測定器を外で測ってみるとゼロ(小雨南風状態)

 9:47 玄関内側で動いたら1.1ppb(部屋干しの所とふすま1枚)

 9:50 部屋干し中へ戻ると1.3ppb

 9:52 ゼロになった。洗濯物が少し乾いてきたせいか?

 次回確認時には2階の清浄な部屋で空運転してから部屋干しの所で測定したいと思います。

 有毒ガス検知器が検出するのはイソシアネート基の合計値で、色々有るイソシアネートの種類の合算値です現在使用している化学テープは使用期限の切れた物しかなく、感度が何割か落ちていると思われる物です。

 我が家で高速液体クロマトグラフの分析で明らかになったイソシアネートはイソシアン酸でした。一般的な分析可能なTDI,MDI,HDI等はごく微量か未検出でした。

 イソシアネートの濃度は米国の職業病予防基準が厳しく8時間労働で1ppbです。これ以下でも完全に職業病を予防できる訳ではなく、一部の敏感な人は症状が出るそうです。危険なので部屋干しの時は活性炭のマスクをしますが、それでも目や皮膚からも吸収されるので、ゴーグルや化学防護服が無いと万全とは言えません。

 部屋干しの洗濯物からイソシアネートが出る原因は以下の様に、外干し時に付着したカプセルが部屋干しで洗濯物が乾いていく過程で破裂し、ポリウレタンやポリウレアが分解してイソシアネートが発生していると思われます。












今までに確認した根拠を整理すると以下の様になります。

①洗濯物からマイクロカプセルが剥がれて飛び散る

・剥がれる原因はポリウレタンの紫外線による表面劣化や水分による劣化(理論上の推定)

・空中を飛び交っているマイクロカプセルはPCマイクロスコープ(工業用顕微鏡)で撮影出来ている。


②外干しの洗濯物にマイクロカプセルが付着

・外干ししたシーツに交換すると、寝て温まってくると咳が出て、飛び散るマイクロカプセルや破片がPM2.5として計測されたり、PCマイクロスコープで観察される(このブログに公開されている)。

・物干しざおに両面テープを置いて付着物をPCマイクロスコープで撮影出来ている。

・水洗いしたフキンを外干しして刺激を与えるとイソシアネートが出る事を確認している。


③ポリウレタンが分解するとイソシアネートが出る。高温ではイソシアン酸が占める。

・以下の論文で明らかにされている

https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-26550080/26550080seika.pdf

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27357471/

https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/27836276

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11993759/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9158242/


・カプセルの破裂で高温になるのはミクロの爆発で、トライボロジーやマイクロプラズマ現象として説明される。

以上です。

 先日の近所への落雷停電でメインのPCが立ち上がらなくなってしまいました。恐ろしく遅い予備のPCで編集していますので、思うように動きません。読みづらい点が有るかもしれませんがご容赦ください。


2021年6月29日火曜日

新型コロナウイルスワクチン接種2回目

 

 1回目の接種3週間後に2回目の予約が取れていたのでファイザー社製コロナワクチン接種へ行ってきました。2回目なので本人確認は省略されるのかなと思っていましたが、1回目と同じでした。アレルギーの確認も、抗生物質で出た事、柔軟剤等にめっぽう弱いのを申告しましたが、関係ないだろうという事ですんなりOKとなりました。1回目の副反応が2日間多少突っ張った位で痛みも無かったのでその点も考慮されたのかも知れません。

1回目の接種と微粒子・VOC計測、微粒子顕微鏡画像は以下のリンクを参照して下さい。

https://mukouryou.blogspot.com/2021/06/1.html

 なお、これはあくまで私個人の状況ですので、了解してご覧ください。柔軟剤等の化学物質にはめっぽう弱くても、無事新型コロナウィルスのワクチン接種は済んで、今のところ異常は無くほっとしています。今回微粒子やVOCの計測は、測定器を落として調子がおかしいので行いませんでした。


<総合病院での接種状況>

 予約時間の5分位前に着いたので、前回同様受付で待っている人は居なくて、受付・予備問診→医師の本問診→看護師の接種→15分の経過観察と順調でした。経過観察場所は病院の外来待ち合いでしたが、空いているので端の方の人が居ない所へ座りました。一人後から来た人が活性炭マスクでも柔軟剤臭を感じましたが、通り過ぎただけだったので、咳が出る事もなく無事でした。


<衣類への柔軟剤臭付着>

 自宅に帰ってきてから直ぐに着ていたものを全て脱いで着替えました。今回は1回目ほど柔軟剤臭は強くなく、ズボンが微かに臭った程度でした。


<2回目接種後の副反応>

6/27(日) 午後接種

 28(月) 1回目と同じ位で、腕を持ち上げると肩が突っ張った感じがする位だったので、

      午後3時間庭仕事(粉塵作業用マスク着用にて)をしました

 29(火) 症状無し

 なお、医療関係者で先に受けた娘は、2回目で腕を上げると痛くて子供をだっこできない状態で、熱も38.5℃出て解熱剤を飲んだそうです。

 私は腎細胞がんで片側の腎臓を摘出しているので、普段から主治医に水分を沢山取る様に言われています。透析1.5歩手前位の状態ですので、今回いつもより更に水分の摂取量に気を付けました。また、接種前には人込みに出かけない様に注意したり、窓を閉め切ってエアコンを使う様に心がけました。(窓を開けると外気から香料マイクロカプセルやイソシアネートが入ってくるため)

 無事終わってほっとしている所です。


2021年6月25日金曜日

建て込んだ住宅地では窓を開けると危険:有毒ガス検知器がイソシアネートを検知しアラーム

 コロナで窓を開けて換気しなさいと言われているけど・・・我が家の様な建て込んだ住宅地では、化学物質に敏感な人は危険です

 有毒ガス検知器を借りられたので、イソシアネート濃度を測ってみました。この測定器は危険なガスを扱う職場等でガス漏れ等が発生したのをモニターし、作業者に危険が差し迫ったのをアラームで知らせる装置です。

 米国からの輸入品です。日本でも化学テロ対策用として後から開発された類似の物は有りますが、残念ながらイソシアネート用のテープが有りません。化学テープは反応しやすいので保存には0℃以下に冷凍保管が必要です。

 イソシアネートは−N=C=O という部分構造を持つ化合物のグループで、個々の物質としては色々有ります。その中で住宅街で主に検出される物としてかっている成分はICA(イソシアン酸)です。測定器メーカーに確認したら、この測定器はイソシアネート基に反応するので、イソシアン酸も検出できる確認が取れています。

 但し、イソシアン酸としての検量線は持っていないので、表示される値は校正されたものでは有りません。ここではTDIの検量線で測定しています。

 

有毒ガス検知器がアラーム状態で1.4ppbを
表示している

(但し、期限切れテープ使用なので実際は
もっと高いと思われる

 締め切った部屋の中で測定器を動作させるとゼロだったが、窓を開くと1.4ppbが表示されアラームが鳴る

 但し、消費期限を過ぎた化学テープを使用しているので、実際より低い表示になっていると思われます(古いと検出感度が低下する)






呈色反応のテープは確かに反応して
赤い丸に変色している(↓箇所)

 光学的にテープの化学反応変化(呈色反応)を読み取っているので、念のために化学テープが反応している事を確認しました。


 空気を通した丸い部分が赤く反応して間違いなくイソシアネートに反応しています。





血中酸素濃度が95に低下している
今朝は体がだるく複視の症状が出ている

 朝から体がだるく複視の症状が出ているので念のために血中酸素濃度を測ると95に低下していました。

 必ずしもだるい時に低下している訳ではありませんが、この様に低下している時も有り、一番低かった時は92でした。