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2017年5月22日月曜日

住宅街で米国のイソシアネートのばく露限界1ppbを越える

 昨年、米国産業衛生専門家会議(ACGIH)はTDI(トルエンジイソシアネート)の時間の時間加重平均ばく露限界値を5ppbから1ppbに引き下げました。厳しくした理由を調べていたのですが、米国産業衛生学会、展示会のプレゼン資料に解説されているのを見つけましたので、それを紹介したいと思います。

 この1ppbという値は、我が家の外気で観測され、窓を開けているとオーバーする時が有ります。また混雑した電車の中や駅の乗り換え等人の多い所でも越えてしまっています。これは、トルエンジイソシアネートを扱う工場の中の空気より一般家庭や人の多い場所の方が有毒物質が多い事を意味します。

以下、プレゼン資料(英文)関係部分の機械翻訳
原文はこちらの33ページを参照→リンク
201621日、ACGIHTDI TLV-TWA8時間の時間加重平均)を5ppbから1ppbに、TLV-STEL15分間の短期曝露限界)を20ppbから 5ppbに引き下げた。

TLVsを下げるACGIH決定に関するコメント
2016 TLV基準:喘息、肺機能、眼刺激
→以前のTLV基準:呼吸器、感作

→職業訓練、技術管理、医療監視における産業の改善は、OAの発生率を低減する効果を実証している(2011-12年の調査から)。 これは、TDIの製造および使用が増加している一方で、イソシアネートに起因する職業性喘息症例が米国および他の世界で減少していることに反映されている。 しかし、ACGIHはこれらの結果を示唆的なものとみなしているだけです。

ACGIHは、TLVを低下させると職業性喘息のさらなる減少につながると考えているが、この肯定の支持は弱いと考えられる。

ACGIHは、TWA濃度に関連する健康影響が、単一または複数のピーク暴露の発生によって影響を受ける可能性があることを認識し、OEL勧告の複雑さを増す。


上の特殊用語の解説:環境省のHPより
【作業環境許容濃度(ACGIH)】
 ACGIH (米国産業衛生専門家会議)では、作業環境許容濃度をTLV (Threshold Limit  Value )と呼んでいる。TLV は、ほとんどすべての作業者が毎日繰り返し暴露しても、有害な健康影響が現れないと考えられる化学物質の気中濃度である。TLV は、産業界の経験、ヒトや動物による試験・研究などの利用可能な情報に基づいている。これら情報の量と質は物質によって異なるため、TLV の精度にも幅がある。TLV は、安全濃度と危険濃度の間のはっきりした線ではないし、毒性の相対的な指標でもない。

TLV には次の3 つのカテゴリーがある。
*TLV-TWA (Time-Weighted Average)
1日 8時間、1 週40 時間の時間荷重平均濃度
*TLV-STEL (Short-Term Exposure Limit)
たとえ8 時間TWA がTLV-TWA 内にあっても、1日の作業のどの時間においても、超えてはならない15 分間TWA として定義される。当該物質に急性毒性が認められる場合、TLV-TWA を補足するために設定されるものであり、独立して設定されるものではない。
*TLV-C (Ceiling)
作業暴露のいかなる場合においても超えてはならない濃度

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