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2017年6月29日木曜日

洗濯物から出る貰いイソシアネートが職業病のレベルを超える

 柔軟剤処理した布から出るイソシアネートを何点か測定しましたが(疑問点が有るので未発表)、測定器のテープ上に繊維くずが数カ所見られて測定値が疑わしいので、新品のサンプル布を洗濯機で石鹸洗剤を使って良く洗ってから測定する事にしました。

 今回は購入した新品の布(木綿100%のタオル雑巾)を洗濯機で石鹸洗剤を使って良く洗って、庭の芝生上に有る物干しざおで天日干ししてから柔軟剤処理して測定する事にします。


ホームセンターで購入したタオルぞうきん

木綿100%

約20cmX30cm






1.26日に新品を石鹸で洗い庭に干して良く乾かし、29日まで室内に吊るしておいた布がひどくイソシアネートに汚染されていた。

 そっとしておいて測定してもイソシアネートは出ない。
 布を揉んだり、霧吹きで湿らせるとACGIHが職業病を防止する為の規制値とする1ppbの6倍ものイソシアネートが出る。





















10:12 5.6ppb

 測定中の写真で、この時は5.6ppbで警報が鳴って画面が赤くなっている。

 外に干したタオル雑巾に付着したポリウレタンマイクロカプセルが機械力や水分により解離し、材料のイソシアネートが発生していると思われる。

 洗濯物を畳んでいると咳が出たり頭痛がしてくる時が有る理由がこれで分かった。


2.今日、外に干した洗濯物が心配になり測定してみた。
 始めに測定場所・用具が汚染されていない確認をしてから、今日2階に干したバスタオルを測定した。
 今日は汚染は無く、バスタオルを揉んだり叩いたりしても計測値はゼロのままだった。霧吹きは今日使うのが濡れてしまうので実施しなかった。こちらは庭では無く2階に干したので、高さにより汚染されないのか、それとも風の状態で我が家に飛んでこなかったのかは不明です。





















3.1.の布を柔軟剤処理して乾かし測定したが極端な値の発生は無く、この程度では
  元の汚染の残りか柔軟剤処理の汚染かは判定できず。






















16:43 1.6ppb

 1.6ppbを計測した時の写真です。この程度だと外に干した時の汚染かどうか分からない。











 今回の実験で、柔軟剤から出るイソシアネートは
①柔軟剤処理して濡れたままだと出ない。一旦乾かす事が必要。
②静かにしていると出ない。機械的刺激や水分で出る。(各メーカーの香りの宣伝通り)
 以前、電車の中で測定した時に、満員電車から皆が一斉に降りて、ドアが閉まった後に急上昇した理由がこれで分かった。

2017年6月27日火曜日

外から衣類等に付いて持ち込まれる猛毒のイソシアネート

 昨日朝は雨が降っていたので妻を整骨院に車で送って行きました。帰りに迎えに行って妻が車に乗り込むと、強い柔軟剤臭がして換気しても私は喉が痒くなりました。これは整骨院で付着した柔軟剤臭で、イソシアネートの発生も疑われます。

 急遽測定器の準備をしてイソシアネートとTVOCを測定することにしました。といっても、イソシアネート測定用のケミカセットは化学変化し易く冷凍保存してあるので、常温に安定させるまで時間が掛かります。あせるとテープに付いた水分でセンサーが誤動作してしまい、テープの試薬がイソシアネートと反応していないのに警報が出たりします。

 まず最初に測定場所がイソシアネートに汚染されていない事を確認する為に、サンプルが無い状態で測定開始です。その間に、つなぎ作業服に着替えて畑のきゅうりの棚の増設作業と草取をします。

 休憩の為に頭に被っていたタオルを取って測定器の右の方に置いて暫くすると、イソシアネートを検出しました(下の写真)。
右に置いたタオルからイソシアネート

右にタオルが置いてあります

イソシアネート測定で
MAX 3.5ppb

TVOCも0.14ppm増加(成分は不明)

 暫くすると値が落ちて来るので、タオルを叩くとまた増加します。







 続いて畑作業で着ていたつなぎ作業服も測定してみました。

つなぎの作業服
イソシアネート測定
MAX 0.6ppb

TVOCは顕著な変化無し










 今度は予定していた外で柔軟剤臭が付いた妻のシャツを測定します。ビニール袋に入れておいたので、底に穴を開けてその穴から測定します。反対側は開放です。

整骨院から帰ってきた妻のシャツを測定
車で迎えに行ったが、臭いがきつく喉が痒くなった。

イソシアネート測定(6時間経過後)
MAX 0.7ppb

以前測定した時も0.7ppbでした。
以前の投稿記事へリンク

TVOCも0.09ppm増加しています。




以下はイソシアネートとTVOCの測定データです。
イソシアネートは有毒ガス検知器 米国Woneywell社製 SPM Flexで測定

 最初のタオルの時、途中で一旦下がってからまた上がっているのは、タオルを叩いている為です。

 SPM Flexのテープ呈色反応






                      ←薄いがここから反応している→
 ニセの反応(湿度によるセンサー誤動作)でないのを確認する為にテープを確認した。うっすらと赤い○(反応部分)が見える。


 TVOCは米国 Indiegogo社のPortable Pollution Monitor Atmotubeで測定。


 庭の畑で作業しただけでもタオルや作業服がイソシアネートに汚染されるには驚きです。特別臭いは感じないのに、まるで放射性物質の様です。
 昨日早朝は北風が強く石鹸系の柔軟剤臭がして、その後雨が降って午前中は酸っぱい柔軟剤臭がしました。午後は臭いは感じなく暑いのでマスク無しで畑の作業をしたのですが、イソシアネートは出ていて頭に被ったタオルや作業服が汚染された。
 今朝起きるとひどい目やにが出ていて、体が異常にだるく、左腕や指先に時々神経の痛みが走った。

2017年6月20日火曜日

米国の職業病防止許容濃度を越える自宅近辺のイソシアネート

<変更履歴>
2017.06.21 イソシアネートに反応したケミカセットの画像を追加

 危険な化学物質を扱う職場では、作業者がさらされる化学物質の濃度を管理することが労働安全衛生法で定められています。

 アレルギーを起こす猛毒のイソシアネート(代表のトルエンジイソシアネート)については、日本は時間加重平均の許容濃度が0.005ppm(5ppb)と定められています。米国では昨年この規格が改訂され0.005→0.001ppm(1ppb)と厳しくなりました
 新規格は、喘息、肺機能、眼刺激の為とされています。

 この規格は、「ほとんどすべての作業者が毎日繰り返し暴露しても、有害な健康影響が現れないと考えられる化学物質の気中濃度である。TLV は、産業界の経験、ヒトや動物による試験・研究などの利用可能な情報に基づいている。これら情報の量と質は物質によって異なるため、TLV の精度にも幅がある。TLV は、安全濃度と危険濃度の間のはっきりした線ではないし、毒性の相対的な指標でもない。」・・・環境省の保健・化学物質対策より

 「ほとんどすべての作業者」という事は、残りの一部化学物質に弱い作業者は、これ以下でも危ないと解釈できます。

 前置きはこれ位にして、我が家の部屋の外や近辺でこの規格を上回る最大で1.5ppbが観測されました。早朝ウォーキング時に有毒ガス検知器をしょって測定したのが以下のグラフです。我が家では窓を閉め切って換気口も閉じていますが、これから暑くなって網戸にして戸を開けて寝たら、恐ろしい事にこのレベルのイソシアネートを一晩吸い込むことになります。



6/18測定後のケミカセット
上記グラフのデータの基になるカセットテープの画像です。
イソシアネートを検出した部分が反応して赤い丸になっています。

 試薬をしみ込ませたテープに空気を通して反応させ、空気中のイソシアネート濃度に比例して濃度が濃くなる原理です。
 この濃度を反射率の変化としてセンサーで読み取り、デジタルに変換して表示します。


 上記グラフは用事の為に途中で測定を中断したものですが、以下は朝から夜まで測定した時の物です。真夜中も測定したいのですが、測定器の音がうるさく近所迷惑になるので遠慮しています。夕方から夜間に徐々に上昇し、早朝まで続き、測定出来た期間のピークは1.1ppb有ります。昼間は徐々に減少していきます。これは晴れている時のパターンです。



 この程度の濃度は混み合った電車の中や駅の乗り換え通路、混雑した歩道でも観測され、人が発生源です。妻が外出先で柔軟剤臭を貰ってきたブラウスを測定したら0.7ppbが観測された事からも言えます。→リンク

 今後は主な香り付き洗剤や香りを長持ちさせている柔軟剤で実際に布を処理して測定してみたいと思います。(以前も実験したがより確証を得る為に)

 今日も玄関の外は柔軟剤の臭いが充満して、閉め切った室内でも先ほどから喉が痒くなり活性炭の息苦しいマスクをしました。

2017年6月15日木曜日

筑波山登山時のTVOC(揮発性有機化合物の総量)

 通常は山に登ってきれいな空気を吸い汗をかくと、すっきりして心地よい疲れで、帰りの車の片道4時間運転も苦にならないのものです。
 ところが、筑波山とか人の多い山へ登ると、柔軟剤等の化学物質に弱い私は、香りの強くてなかなか消えない柔軟剤臭とすれ違った時に咳や頭痛、涙等の症状が出ます。そして、時間が経つと疲労の回復機能が失われた様なひどい疲れと眠気に襲われます。

 今回の登山もその様な症状が出て、次の日には朝起きると体がだるくて耳鳴りと頭痛がして、右肩の痛みと腕の痺れが出ました。自宅でも新聞を取りに外に出ると北風に乗って薬臭い柔軟剤独特の臭いがします。

 近所で洗濯物が干される7時半頃になると、目がごろごろして痛く鏡を見ても何も入っていません。目を洗ってしのぎます。そして、8時半頃には家の前の道路に酸っぱい薬臭い柔軟剤臭が充満して複視がひどくなって、昼頃には両腕に赤い模様が出ました。

 午後1時半頃から1時間位だるいので昼寝をしましたが、起きると両足がだるくて複視がひどい状態で両腕に赤い模様が出ています。

 これらの症状のトリガーになったと思われる筑波山登山時のTVOC(揮発性有機化合物の総量)をAtmotubeで測定したので、グラフにしてみました。成分は分かりませんが人が居る所に揮発性有機化合物有りです。但し、量が多くても害が少ない物とごくごく微量でも毒性の強い物が有るので、成分を分析しないと原因物質は分かりません。成分のうち一般的な合成香料と猛毒のイソシアネートでは百万倍もの毒性の差が有ります。






















 最初の頃の鋭いピーク2カ所は、妻と私が虫よけスプレー(無香料品)を使用した影響と思われます。
 登山中に強い柔軟剤臭の人とすれ違ったと思われる場所3ヵ所でわずかな上昇がみられます。しかし、この山は虫よけスプレーの様にストンと落ちません。マイクロカプセルが付着して、化学成分を出し続けているせいでしょうか。
 御幸ヶ原で昼食を食べて休憩した時には、途中から立ち込める柔軟剤臭を避けて風上に逃げたのですが、それでも測定値が上昇しています。この時の影響が一番大きく症状に出ているのではないでしょうか。










2017年6月12日月曜日

自宅1階で窓を開くとイソシアネートが入って来る

<改訂記事>
2018.08.22 イソシアネートとTVOCグラフを追加

 早朝ウォーキングに出ると、我が家の北東の家脇で石鹼系の柔軟剤臭で気持ちが悪くなりました。今日は北風でイソシアネートが出る疑いが有るので急いで準備をして測ってみる事にしました。

 1階の和室で窓を閉じていた時のイソシアネート測定値は0ppbでした。テープの画像でも左端の部分は反応がない事で確認出来ます。

 ところが、1階と2階の窓を開いた途端にイソシアネートが家の中に入って来て、ピークでは1ppb(トルエンジイソシアネート換算)となりました。この値はACGIH(アメリカ合衆国産業衛生専門官会議)が定める許容濃度と同じ値で、この濃度以下であれば一日8時間週40時間この環境で働いてもほとんどの人は影響が出ないとされている値です。
 テープ画像にも赤い丸で反応の痕跡が残っています。

 ほとんどの人は影響が出ないという事は、逆に一部の人に対してはこの濃度でも影響が出る可能性が有るという事で、更に我が家はほとんど消える事無く四六時中イソシアネートにさらされているので厳しい状況です。

 今日もちょっと庭仕事をしただけでひどく疲れたり、咳が出たりしました。

<イソシアネートのみのグラフ>



















<イソシアネートとTVOCグラフ>





















 我が家の環境は窓を閉め切った状態ではTVOCが高いが、イソシアネートは検出されない。
 そして、窓を開けると外気が入って来てTVOCは急激に下がり、一見きれいな空気の様に思われる。しかし、臭いを感じない(感じた時は生命の危険が有る濃度と言われている)イソシアネートがピークで1ppbも入って来る。この値は、米国の職業病予防のACGIH(アメリカ合衆国産業衛生専門官会議)の許容濃度1ppbと同じ値である。

 近くに工場も無い戸建て住宅が密集している環境の我が家で、イソシアネートという職業病で問題となる猛毒のアレルギー、発がん物質が検出されるという事は大変な環境汚染である。