筑波山登山の日、帰ってきて夜になると自宅2階ベランダのPM測定値が徐々に上がってきていたので次の日も続いて見る事にしました。
2階ベランダには2種類の測定方式の違う測定器を置いていたので、2台の計測器の違いについてもこの際比較してみる事にします。
その結果、土曜日朝6時をピークとする異常な値が2台共記録されていました。数年間にわたる観測の結果、金曜夜から土曜の朝にかけて我が家の周囲では臭いがひどくマイクロカプセルの飛散もひどくなる傾向が分かっています。
我が家の周りの新興住宅は共稼ぎが多く、金曜夜に洗濯をして夜干し、または土曜の早朝に洗濯して干す家が多い為と思われます。今回は土曜の朝の近所ウォーキングは疲れて行かなかったので洗濯物の状況が確認出来なかったのが残念です。
1.エアクオリティモニターによる測定
Bluetooth エアクオリティ モニター REX-BTPM25V
ラトックシステム株式会社製
PM2.5センサーにはシャープが開発したセンサーを使用
粒径が小さいほど慣性が弱い性質を利用し、PM2.5以下の粒子だけがフォトダイオードの前を通過する「バーチャルインパクタ方式」と呼ばれる構造の小型分粒器を使用
有効範囲 | : | 25 ~ 1000μg/m3 |
方式 | : | 光拡散方式 |
※ | 本製品ではPM10の計測値にPM2.5を含みません。(PM2.5とそれより大きな粒子の飛散濃度を分別計測) |
※ | 花粉・ハウスダスト等、飛散している物質を判別することはできません。 |
以下、PM2.5センサーの図解(シャープの資料より)
慣性で微粒子を分けてLEDのスペクトルの比較的広い光で散乱光をフォトダイオードで見るので、ほとんど透明なマイクロカプセルやその内容物を検出し易いのかも知れません。
微粒子が徐々に増える(カプセルが徐々に崩壊して居る?)時はVOCが上昇しています。そして、微粒子が急激に増えた後徐々に減っていく時は、VOCが急激に下がっています。
2.Air
Quality Monitor Atmotube PROによる測定
NotAnotherOne.Inc
レーザー散乱方式(MIE理論)による測定
PM10 (0.3~10.0㎛)
PM2.5 (0.3~2.5㎛)
PM1.0 (0.3~1.0㎛
PMの標準的な精度
0〜100μg/m³±10μg/m³
100〜1000μg/m³±10%
NotAnotherOne.Incの「Atmotube PMセンサーはどのように機能しますか?」より
レーザー光の様な鋭いビームで検出しているのでほとんど透明なマイクロカプセルの大きな成分(PM2.5やPM10)は検出し辛いのかも知れません。実際マイクロカプセルの太陽光反射を見ると或る特定の角度で鋭くレーザービームの様に反射しているのが分かります。
VOCについても前の測定結果と真逆の傾向を示しています。VOCセンサーは、センサーによってガスの種類毎の感度が異なるというのを聞いたことが有ります。ピーク前半と後半で発生するガスの種類が異なっているのかも知れません。この辺りはクロマトグラフでガスの種類を分析をしないと分かりません。
3.VOC(正確にはTVOC)測定値について
両者の仕様を調べて見ると以下の様に差が有ります。これ以上は化学の専門知識が無いと分からないので諦めます。
<エアクオリティモニターの仕様>
検出物質 | : | アルコール、アルデヒド、ケトン、有機酸、アミン、脂肪族および芳香族炭化水素 |
方式 | : | 半導体方式 |
※ | 本製品で計測できるのはVOCの総量です。物質を識別することはできません。また物質や濃度によっては、検知できないことがあります。 |
<Atmotube PROの仕様>
ガスにさらされると導電率が変化するMOxベースの(金属酸化物)VOCセンサーを利用しており、これらの変化を外部で測定および分析できます。
ISO16000-29によると、6種類のVOCミックスは、VOCを7種類のグループ、つまり芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、テルペン、ハロゲン化物、エステル、ケトン、アルデヒドに分類できるという考えに基づいています。安定性が低いため、アルデヒドは省略されていることに注意してください。他の6つのグループのそれぞれについて、トルエン、n-デカン、αピネン、p-ジクロロベンゼン、酢酸ブチル、メチルi-ブチルケトンなどの代表を1つ選択しました。
ガスセンサーは、エタノールを使用して校正されています。
最後に、
VOCの値は数百ppbというレベルなので、この中に2ppbとかの猛毒でアラームレベルのイソシアネートが含まれていても残念ながら分かりません。