2018年2月21日水曜日

無香料でも危険な消臭スプレー:多量のイソシアネートが発生(2/2)

 前回に続いての試験です。イソシアネートが出なくなったので、再度スプレーして測定しました。結果はスプレーした次の日には何度も出てなかなか出切る事が有りませんでした。また、これまでいろいろ試した結果では、ホコリを立てる様に振るのが一番出る様です。
 この測定の後、夕方には脚が所々赤くなりひりひりと痒くて寝られそうもなくなってしまいました。かゆみ止めの入った抗ヒスタミン剤を塗ってやっと治まりました。

2/18(日) 18:14 無臭の消臭剤を10回スプレー後測定、イソシアネート検出せず
          その後、ジッパー付き袋に入れてジッパーは開いて良く乾かす

2/19(月)  5:30 ブランクチェック 3分間 MAX2.4ppb・・・昨日測定の汚染か?
                  5:36 1回目 22分間     MAX2.9ppb
                  6:58 2回目   4分間     MAX3.8   
      7:05 3回目 17分間     MAX5.9
      7:30 4回目  5分間      MAX4.7
      7:40 5回目  3分間      MAX3.6
      8:05 6回目  2分間      MAX0.9
      8:50 7回目  3分間      MAX1.0
      9:00 8回目  3分間      MAX2.5
      9:30 9回目  3分間      MAX2.8
      10:00  10回目 4分間      MAX3.0
      10:16  11回目 検出せず
                10:30  12回目 検出せず

2/20(火) 17:51  検出せず・・・出切ってしまったか

布巾を振る様にするとイソシアネートが発生

 ジッパー付きビニール袋に手を入れて布巾(業務用のホコリが出ない高級品)を写真の様に左右に振ります。

 値が出たら振るのは止めて見守ります。直ぐに手を大量の水で良く洗います。






ピークに近い値の5.6ppbが出てアラーム2となる

 何もしなくてもレベルが上がり、一番多く出た時はピークで6ppbにもなりました。(写真は5.6ppbを記録した時)

 アラーム2の2ppbを越えて警報が鳴り画面が赤くなっています。






 以下は有毒ガス検知器 SPM FlexからダウンロードしタデータをExcelでそのままグラフにしたものです。濃度が高いと測定間隔が短くなる仕様なので、時間軸(横軸)は等間隔では有りません。




















 Excelの処理でAtmotubeで測定したTVOCと温湿度のデータにSPM Flexのイソシアネート測定データをリンクさせたグラフです。
 Atmotubeは1分間隔、SPM Flexは濃度が高い時はほぼ1秒間隔なので、イソシアネートのピーク値は拾えてない部分が有ります。また、AtmotubeのTVOCは表示の都合で10倍してグラフを描いていますので目盛の値を1/10して下さい。






















 このグラフを見ると、イソシアネートが出るだけでなく、TVOCもブランクチェックで静かにしていた時は0.16ppmだったのが1回目に振った事により0.39ppmに上がり、更にその後の操作で0.61ppmまで増加して0.45ppmも増加しています。但しこの測定では成分は不明で毒性の有る物かは分かりません。



2018年2月19日月曜日

無香料でも危険な消臭スプレー:多量のイソシアネートが発生(1/2)

 消臭スプレーが盛んにテレビで宣伝されていますが、我が家にも1本無香料のが有りました。私は化学は素人ですが、専門家によると消臭成分の「トウモロコシ由来」の成分はもちろん無害ですが、その分子同士をくっつけるのにイソシアネートという物質が使われている可能性があるとのこと。

 このイソシアネートという物質は、米国の職場では1ppb以下(1ppmの千分の一以下)に抑えないと職業病になる人が増える事で恐れられているアレルギー物質です。そして一旦アレルギーを発症した人は、ごく微量でも症状が出るので接触を避けなければならないとされています。米国の職場では2016年に許容濃度が5ppbから1ppbに厳しくなりましたが、日本ではまだ5ppbのままです。 許容濃度を1ppbに下げた理由は喘息、肺機能、眼刺激で、以前の基準5ppbでは呼吸器、感作とされています。

 また、動物実験で発がん性が確認されており、人でも発がん性を示す可能性がある。とされています。詳しくは以下リンクのWHO国際化学物質安全性カード(イソシアネートの中の一般的なトルエンジイソシアネート)を参照
http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0339c.html




 今回試験に使用した消臭スプレーは、「赤ちゃんにも安心、香料無添加。皮膚科医監修のもと、肌テスト済み」の表示が有り、赤ちゃんや小さなお子さんが居るお母さんは買いたくなる物です。









 我が家に有ったのはいつ買ったのか妻は覚えていないそうですが、娘の里帰り出産が有ったので、その時に無香料なら大丈夫だろうと買ったのと推測されます。しかし、外で試しにスプレーした時に風が強くて少し吸い込んでしまった様で、私はその後喉がおかしくなり、夜中に頭痛がして目が覚めました。

 長くなるので、最初に結果のまとめと測定時の写真です。
 スプレーして直ぐはイソシアネートは検出されません。次の日は、体温程度にヘアードライヤーの低温モードて温めてから布を振ると0.9ppb出ました。
 ところが、スプレーして4日後には、写真の測定条件で室温で振るだけでMAX4.1ppbものイソシアネートが発生しました。

<結果のまとめと測定時の写真>
2/10 13:30 10回スプレー後測定ゼロ
2/11 13:31 加温後振るとMAX0.9ppb 2分14秒間検出された
2/14 10:45 17℃で振るとMAX4.1ppb 6分間検出された(下の写真参照)
2/16 18:33 18℃で振るとMAX3.3ppb 3分+2分+3分(放置)計8分間検出
2/18 17:30 全く出ず。再度10回スプレー後乾かしておく。
*継続時間に注目。布巾を振ってイソシアネートが出るのを確認したらそのまま放置しています。イソシアネートは直ぐに消滅すると言われていますが、実際測定してみるとここでは最長6分間継続して存在します。

以下は2/14測定時の写真
そっと測ると出ない



 2月10日に無香料の消臭剤をスプレーした布巾を測定。

 刺激を与えない様にそっと測るとイソシアネートは出ない。








手で振ると出始め




 ビニール袋に手を入れて軽く振ると出始める。

 有毒ガス検知器SPM Flexの画面が赤くなりアラームがけたたましく鳴る(アラーム1状態で1ppbを越えている)。







手を離して放置してもどんどん上昇





 手を離して放置していてもどんどん値が上昇し、MAX4.1ppbを記録。アラーム2の2ppbを越えている。














<測定データ>
 有毒ガス検知器 SPM Flexからダウンロードしたデータをグラフ化したものです。横軸の目盛は均等ではありませんので注意して下さい。アラーム状態では測定点が多くなります。

2/11(日)の測定データ





















2/14(水)の測定データ



















2/16(金)の測定データ




















TVOC(総揮発性有機化合物)も含めたグラフ














 子供の活動は活発です。このスプレーをシューとやったソファーやベッドの上で子供が暴れたらどうなるでしょうか?直ぐは何とも無いかもしれませんが、一旦アレルギーになると、どんなに微量でも症状が出てしまうと言われています。

 そして、私が診察を受けた専門医の話では、現在のところこの物質によるアレルギーかどうか確立した検査法は無く、有効的な治療法も無いそうです。原因物質を回避するしか確実な方法は無いそうです。

(2/2)に続く