Atomotube PRO

 Atmotube1.0が発熱して壊れてしまったので、微粒子PM1,PM2.5,PM10も測れるAtmotube PROを購入しました。現在は日本で販売している業者は見つからなかったので、輸入代行業者を通じて輸入しました。

 インターネットで検索すると色々この手の測定器はピンからキリまで出てきますが、データを記録してくれて微粒子も測れてセンサーのスペックがはっきりしているのはなかなか見つかりませんでした。

 このAtmotube PROは微粒子とTVOCのセンサーや測定原理が公開されているのが選定理由です。また1分毎に測定データが記録され、スマホからPCへデータをコピーして効率よくExcelで表にしたり出来るのも便利です。Atmotube1.0ではファンが内蔵されておらず、無風状態ではVOCの測定誤差が大きいと思いますが、今回はファンが内蔵されているので安心です。測定精度も明記されています。

<ブリスターパックから出した所>


取説(英文)




本体、カラビナ、充電ケーブル


本体は大容量バッテリーを内蔵しているので少し重い。





<スマホの表示例>
空気がきれいな時                   空気が汚れている(台所で魚を焼いている)






























Atmotube technical specification

Atmotube1.02.0PLUSPRO
TVOC sensorAMS CCS801Sensirion SGPC3
Analog
1s interval
Analog
10s interval
Digital, auto calibration
2s interval
PM sensorNoSensirion SPS30
PM1, PM2.5, PM10
Temperature/Humidity sensorSensirion SH21-
Temperature/Humidity/Pressure sensor-Bosch BME280
Pressure sensorNoYes
Memory size~82kB64kB256kB
History size1 week5 days10 days
BluetoothBluetooth 4.0Bluetooth 5.0
improved antenna performance
Battery capacity350 mAh500 mAh2000 mAh
Battery life7-12 hours3 days7 daysup to 10 days
(depending on the measurement intervals)
Weight1.5 oz
(42 g)
0.95 oz
(27 g)
3.7 oz
(104 g)
SizeHeight x Diameter
2.6 x 0.9 in
66 x 22 mm
Height x Width x Depth
3.4 x 2 x 0.9 in
86 x 50 x 22 mm

Measurement range and accuracy

Atmotube1.02.0PLUSPRO
TVOC output range0 - 60 ppm
TVOC typical accuracy25% of measured value15% of measured value
PM output range-0 - 1000 μg/m³
PM typical accuracy-0 to 100 μg/m³ ±10 μg/m³
100 to 1000 μg/m³ ±10%
Temperature±0.5°C (±0.9°F)
Humidity±3%RH
Pressure-±1 hPa




Atmotube PMセンサーはどのように機能しますか?
PMセンサーは、レーザーを使用して浮遊粒子を空気中に放射することにより機能するレーザー散乱原理を使用します。そして、ある程度散乱光を集め、最終的には時間とともに変化する散乱光の曲線を得る。結局、同等の粒子径と、単位体積あたりの異なる直径を持つ粒子の数は、MIE理論に基づいてマイクロプロセッサによって計算できます。
1.    ファンは吸気口から空気を吸い込みます
2.    空気はレーザーを通過し、そこで粒子から反射された光はフォトダイオードによって捕捉されます。
3.    フォトダイオードは情報を光電変換器に渡します。光電変換器は粒子からの信号を密度に処理します。
4.    信号はマイクロコントロールユニットに送信され、そこで独自のアルゴリズムがデータを処理し、粒子の密度(μg/m³)の出力を提供します。








































センサーの動作の機能図(図提供:©Honeywell

1.   ① ファンは吸気口から空気を吸い込みます
2.   ② 空気はレーザーを通過し、そこで粒子から反射された光はフォトダイオードによって捕捉されます。
3.   ③ フォトダイオードは情報を光電変換器に渡します。光電変換器は粒子からの信号を密度に処理します。
4.  ④  信号はマイクロコントロールユニットに送信され、そこで独自のアルゴリズムがデータを処理し、粒子の密度(μg/m³)の出力を提供します。



TVOC測定原理
検知原理は、金属酸化物(MOx)ナノ粒子の加熱膜に基づいています。金属酸化物粒子に吸着された酸素は、ターゲットガスと反応して電子を放出します。これにより、センサーによって測定される金属酸化物層の電気抵抗が変化します。























Atmotube VOCガスセンサーは、室内の空気の質に関連するさまざまな揮発性有機化合物(VOC)およびその他のガスに反応します。現在のガスセンシングテクノロジーは、TVOC濃度のモニタリングおよびIAQレベルへの変換に適しています。各Atmotube VOCセンサーは、製造時に校正されています。
測定範囲と精度
TVOC出力範囲
060 ppm
典型的な精度
測定値の15
測定間隔
2



-----分解修理の記録(公開済みのコピーです)------------

2021年8月25日水曜日

PM2.5微小粒子状物質測定器 AtmotubePRO を分解修理

 先日、PM2.5 微小粒子状物質測定に使用している米国製でレーザー散乱方式の測定器AtmotubePROをうっかり植木鉢の上へ落としたら動かなくなってしまいました。

 この測定器は米国から直輸入で購入した物ですが、今は在庫切れでもう入手出来ません。そこで、内部構造を知るのも兼ねて分解修理する事にしました。

 (注)内部にはレーザー光線の光源が有ります。私はバッテリーが空になるのを待って行いましたが、スマホからのコマンドで電源を切る方法も有るので、危険の無い様に。また、分解したら保証が受けられなくなるのでご注意下さい。

 

 AtmotubePRO

 最初に外装の小さな+ネジ4本を時計ドライバーで外します。

 次に爪の位置を探りながら-時計ドライバーの小さい物から差し込み、隙間が出来たら大きな時計ドライバーで広げ、この操作を繰り返して爪を外します。











上下のケースが分離したら、今度は緑のプラスチックカバーのセンサー部を分解しますが、分解防止のトルクスネジという特殊ななネジが使われており、普通のドライバーでは回りません。

 そこで、ネジの大きさを測ってドライバー(T型トルクスレンチ)を購入します。


 ネジの寸法を測るとネジの穴の対角線が1.65mmのT6という呼び径の様ですが、もし寸法が外れても良い様に、前後の呼び径を含んだセットを購入しました。

 このネジはぴったりのレンチで外さないとネジの溝が潰れてしまい、取れなくなってしまいます。(外す奥の手は有るが、ネジは使えなくなる)


 T6のトルクスレンチで無事カバーが外れました。

 センサー部が上下に合体している構造で、内部を見るにはまたトルクスネジ(同じサイズ)を4本外します。






センサー部を分解しているところ










 無事上下が分離しました。

 詳細に目視チェックすると、写真にうまく撮れませんが、排気ファンの羽が傾いて回りません。ピンセットを突っ込んで位置を修正したら軽く回る様になりました。

 ここで気になるのは、白い粒の大きな塊のような物が空気の通路2ヵ所に見られます。




 一つ目は上の写真の左側で、拡大してみると白い綿あめの様な物が溜まっています。







 もう1ヶ所右側の排気ファンの左側の部分に灰色の粒々の塊のような物が見えます。


 他にも空気の通路の至る所に粒々がくっついています。



 細かくて取りにくいですが、キムワイプで大きな物は取り除き、レンズ拭きのアルコールシートで仕上げ拭きしました。フォトダイオード表面も汚れていたので傷を付けないように慎重に作業しました。

 これは作業中の全景ですが、作業が終わり、逆に組み立てていきます。

 センサー部を合体させケースに収めてカバーを閉じようとすると何かが当たって閉まりません。

 もう一度センサー部を取り外して何が当たっているか見ると、底に小さなスプリングが落ちていました。

 センサーユニットの箱状のシールド板を基板のアースと接触させる為のスプリングの様です。ちょうどぴったり収まる穴が有ったので、その穴に入れて組み直したら無事組み上がりました。

 電源を供給してバッテリーを充電すると、センサーが熱を持っています。というメッセージが出ましたが、暫くすると正常になりました。もう1台の物と同じ場所で比較すると、PMの値はほぼ一致しています。しかし、VOCは低めの値が表示されます。VOCの高い所で校正されてしまったせいかもしれないので、一度バッテリーを放電させ、清浄な空気の所でもう一度動作を開始させてみます。

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