2019年9月18日水曜日

番外編:アンパンマンことばずかんDXの修理

 台風15号の通過後以来体調の悪い日が続き、寝たり起きたりの状態でしたが、やっと昨日ほぼいつもの状態に戻ったのでおもちゃの修理をしてみました。しかし・・・今日はまた何日か元に戻った状態です。今回はこの件は別にして、孫のおもちゃの修理です。

 おもちゃ病院で2回修理をして一時は動いていたそうですが、今回は完全に音が出ません。電池を入れて電電スイッチを入れると、LEDは光っていますが、イントロ音が全く出ません。

 AMラジオを近づけて電源スイッチを入れるとノイズが出ますのでクロックの発振やマイコンは大丈夫な様です。

 構造が分からないので慎重に分解します。左の写真が分解が終わった所です。この時気を付けるのが、プラスチックの爪で、これを無理やり開けると、欠けてしまって後で元に戻らない事が有ります。

 今回は真ん中付近の両脇だけだったので、すんなり外す事ができました。

 また、ネジの種類が長さ、太さ色々有りますので、外した場所が分かるようにしておくのが肝心です。


  部品の不良だと修理部品が無いのでお手上げですが、半田付け不良なら修理出来るので、分解後はまず半田付けの状態チェックです。





 自動半田(リフロー)の部分は問題ない状態でしたが、手半田でスピーカーの部分が半田くずが多数飛んでおり、この部分の作業者が下手くその様です。

 スピーカーへ行くリード線がイモ半田(はんだ付け不良の一つの原因)の可能性が有るので、この部分を押すと一瞬音がでました。






















 リード線を引っ張ると、線が切れていました。ほとんど切れかかりではんだ付けされて、ホットメルトで固定されているので、今までかろうじて接触して動いていたと思われます。

 リード線の被覆剥きの工程が不適切で、芯線を傷つけていて、それがそのまま半田付けされていた様です。

 これ以上鮮明に写らないのであまりはっきり見えませんが、切断面を見ると、芯線が傷付けられている様です。

 この様なトラブルは多発しますので、このロットで同じ様な不良が出ていると思われます。















 最初はこの1本の線だけ交換して動作確認をしたらまだ時々音が途切れたりするので、もう1本も線を付け替えて安定しました。















 アンパンマンことばずかんDXの復活です。さっそく孫に渡したら大喜びで使っています。









2019年9月10日火曜日

35℃近辺で破裂しPM2.5,PM10を大量に発生する香料マイクロカプセル

 以前に実験して失敗し公開していませんが、売れ筋の香りが強く長持ちする柔軟剤で、使用条件と同じ(濃度、手洗い時間)でフキンを処理して部屋干しして、温度、湿度、機械的刺激を与えて猛毒のイソシアネートが発生するかテストした事が有ります。

 もちろん、部屋干しの時は有毒ガスで自分がやられないように大きなポリエチレンの袋(我が市のゴミ袋)の底に測定用の穴を開けてトンネルの様にして反対側から吸気して底で測定する構造にしました。これで室内でもほとんど臭いは気になりませんでした。

 この方法で、イソシアネートが一番再現性良く発生したのが、温度を上げた時でした。

 せっかくの実験でしたが、ここで失敗した原因は、試験が終わったサンプルを不十分な密閉で同じ部屋に置いておいた事です。ある時、数十ppbのイソシアネートが発生し、測定器のアラームが鳴り続けました。実験は1階で行っていましたが、測定器を持って発生源から離れても1階全部がイソシアネートに覆われていました。まさかこんなに大量のイソシアネートが発生すると思っていなかったので、これではどのサンプルから発生したのか特定出来ません。

 この時は体調は何とも有りませんでしたが、夜になると激しい咳で寝られない程で、喉から出血するほどひどく、1週間声が出ませんでした。耳鼻科に行くと声帯がどす黒くやられているという事で、炎症を直す薬を処方されました。また、この時は分かりませんでしたが、後日撮影した肺のCTやレントゲンでも右下に炎症が見られました。規定された柔軟剤の濃度でもこの様な有様なので恐ろしい事です。

 一方、窓を開けて外部から部屋に侵入してくるイソシアネートが連続して測定されている時に、窓を閉めると数分でイソシアネートはゼロになる事が分かりました。この事は、イソシアネートを出す物質(マイクロカプセル)がイソシアネートを短時間出しては変化しながら次々と飛んできているのではないか、と想像できます。

 これらの現象を解き明かすべく、我が家に飛んで来るマイクロカプセルの崩壊を微粒子(PM2.5やPM10)で観測し、データを長期間に渡って取ってみると、一番温度に依存して激しく発生する事が分かりました。そして、35℃近辺になると急激にPM2.5,PM10の放出量が多く(激しくカプセルが崩壊して中身を放出)なる事が分かりました。この急激に放出が始まる温度は多少ばらつきが有り、低い時は32℃位から始まります。

 この事から、最近夏山ですれ違う登山者のほとんどが強烈な柔軟剤臭を出しているのがうなずけました。下のグラフは台風一過の晴れで、近所に洗濯物や布団が大量に干された日を例として挙げた物です。

 洗濯物が干された午前7時頃から徐々にPM2.5,PM10が上がり始め、35℃でPM10が急上昇しピークは93㎍/㎥、37℃でPM2.5が急上昇してピークは86㎍/㎥にもなっています。

 前日から早朝にかけての夜間と昼間の急上昇期間の微粒子写真は以下の投稿で見ることが出来ます。

8/16夜~8/17早朝→リンク

8/17の急上昇期間→リンク

































 それでは次回、この急上昇したPMの発生が遠くから飛んできているのか、ごく近くで起きている現象なのかを実験で確かめてみたいと思います。