2022年7月8日金曜日

調理でホルムアルデヒド計のアラームが鳴る

 室内でマイクロカプセルから出ると言われているHCHOホルムアルデヒドを常時監視しています。

 測定はNDIR方式の測定器を使用しています。

 この測定器はFTIRと同じ原理で、分子振動により特定の波長の赤外線が共振して吸収される原理です。FTIRは周波数成分を分析して解析出来ますが、NDIR方式は固定の赤外線光学フィルターを使用して、特定の周波数が吸収されて減衰するのを検出しています。

 我が家では通常は数十㎎/㎥位ですが、建物の反対側に有る台所で調理をしていると、下の様に極端な値が出る時が有ります。台所で何を使っているのが妻に聞くと、この時はみりんでした。他にも料理酒を使っている時も同じくらいの値が出ます。













 みりんや料理酒の成分であるC2H6OエタノールとHCHOホルムアルデヒドの赤外線吸収パターンをデータベースから探して比較すると、下の様にほぼ同じ所にピークが有るのが原因して、NDIR方式の測定ではこの両者が区別できない様になっている様です。

 この他にも、丸干しイワシをガスで焼いていると、これほど大きな値は出ませんが、やはり100越えのアラームレベルの検出が有ります。これは成分の何が影響しているかはまだ分かっていません。


 この様に測定器は、その原理を知って弱点を理解していないと嘘の測定をしてしまう事が有ります。FTIRでも波形を解析して区別していますが、S/N比(信号対雑音比)が100位しか取れないというのが論文に書かれているのを読んだことが有ります。

2022.07.10 追記
 残留クリーニング液にも反応してしまう事が分かりました。クリーニングして仕舞ってあったあった礼服が近くに置かれたら、数百㎎/㎥の表示が出ました。礼服に近づけると値が上がり、遠ざけると下がりました。IRパターンとの関係は別途調べて見たいと思います。

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