2019年9月10日火曜日

35℃近辺で破裂しPM2.5,PM10を大量に発生する香料マイクロカプセル

 以前に実験して失敗し公開していませんが、売れ筋の香りが強く長持ちする柔軟剤で、使用条件と同じ(濃度、手洗い時間)でフキンを処理して部屋干しして、温度、湿度、機械的刺激を与えて猛毒のイソシアネートが発生するかテストした事が有ります。

 もちろん、部屋干しの時は有毒ガスで自分がやられないように大きなポリエチレンの袋(我が市のゴミ袋)の底に測定用の穴を開けてトンネルの様にして反対側から吸気して底で測定する構造にしました。これで室内でもほとんど臭いは気になりませんでした。

 この方法で、イソシアネートが一番再現性良く発生したのが、温度を上げた時でした。

 せっかくの実験でしたが、ここで失敗した原因は、試験が終わったサンプルを不十分な密閉で同じ部屋に置いておいた事です。ある時、数十ppbのイソシアネートが発生し、測定器のアラームが鳴り続けました。実験は1階で行っていましたが、測定器を持って発生源から離れても1階全部がイソシアネートに覆われていました。まさかこんなに大量のイソシアネートが発生すると思っていなかったので、これではどのサンプルから発生したのか特定出来ません。

 この時は体調は何とも有りませんでしたが、夜になると激しい咳で寝られない程で、喉から出血するほどひどく、1週間声が出ませんでした。耳鼻科に行くと声帯がどす黒くやられているという事で、炎症を直す薬を処方されました。また、この時は分かりませんでしたが、後日撮影した肺のCTやレントゲンでも右下に炎症が見られました。規定された柔軟剤の濃度でもこの様な有様なので恐ろしい事です。

 一方、窓を開けて外部から部屋に侵入してくるイソシアネートが連続して測定されている時に、窓を閉めると数分でイソシアネートはゼロになる事が分かりました。この事は、イソシアネートを出す物質(マイクロカプセル)がイソシアネートを短時間出しては変化しながら次々と飛んできているのではないか、と想像できます。

 これらの現象を解き明かすべく、我が家に飛んで来るマイクロカプセルの崩壊を微粒子(PM2.5やPM10)で観測し、データを長期間に渡って取ってみると、一番温度に依存して激しく発生する事が分かりました。そして、35℃近辺になると急激にPM2.5,PM10の放出量が多く(激しくカプセルが崩壊して中身を放出)なる事が分かりました。この急激に放出が始まる温度は多少ばらつきが有り、低い時は32℃位から始まります。

 この事から、最近夏山ですれ違う登山者のほとんどが強烈な柔軟剤臭を出しているのがうなずけました。下のグラフは台風一過の晴れで、近所に洗濯物や布団が大量に干された日を例として挙げた物です。

 洗濯物が干された午前7時頃から徐々にPM2.5,PM10が上がり始め、35℃でPM10が急上昇しピークは93㎍/㎥、37℃でPM2.5が急上昇してピークは86㎍/㎥にもなっています。

 前日から早朝にかけての夜間と昼間の急上昇期間の微粒子写真は以下の投稿で見ることが出来ます。

8/16夜~8/17早朝→リンク

8/17の急上昇期間→リンク

































 それでは次回、この急上昇したPMの発生が遠くから飛んできているのか、ごく近くで起きている現象なのかを実験で確かめてみたいと思います。

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