現在はトイレと風呂以外の窓を閉め切り、換気口も台所以外は全て閉じて空気清浄器を常時つけています。それでも午前10時頃から昼過ぎにかけては咳が出たりして活性炭のマスクを時々しています。
干した洗濯物から柔軟剤のマイクロカプセルが10時頃から昼過ぎにかけて多数飛散しているのではと以前から疑っていましたので、実際に柔軟剤処理した布を干して計測してみる事にしました。
<試験方法>
布を規定濃度で柔軟剤処理し、干しながら発生する微粒子とVOCをモニターして、十分乾いたら顕微鏡で観察しました。カプセルその物も観察する目的で、プレパラート上にも柔軟剤希釈液を垂らして天日乾燥しています。
以前、サンプルの布はフキンを使用して外気の影響を避けるために部屋干ししたら数十ppbのイソシアネートが発生し肺と声帯をやられてしまったので、今回はサンプル布を小さくし、二重窓の間に干す様にしたら大丈夫でした。また、以前は次々と色々な種類の柔軟剤や消臭剤を試験して、サンプル間の汚染防止が不十分で、どれから出ているのか確証が持てませんでしたので、今回は十分に間を開ける事にします。
試験に使用した柔軟剤と布
スイートフローラルアロマの香り 香り長続きするアロマ柔軟剤
一般に良く売られている物です。製品名は今回は非公開です。再現性が十分確認出来たら製品名は公開します。
布は息子の10年以上タンスに眠っていた黒いシャツでアクリル90%、毛10%の混紡です。布の色は黒くないと透明なマイクロカプセルは良く見えません。石鹸で2回洗濯しましたが、まだ一部にマイクロカプセルの破片らしきものが有りますが今回処理する物とは区別は付きます。
大きさは1cmX5cmの小さい布片です。
使用測定器、顕微鏡
PM2.5,PM10、VOC、温度、湿度 照度、UVインデックス、気圧測定 ラトックシステム(株)製 Bluetoothエアクオリティモニター REX-BTPM25V シャープ製PM2.5センサモジュール使用 |
PC Microscope SKM-S31B-PC 斉藤光学(株)製 X-Yステージ使用 (一式借用品です) |
<柔軟剤処理>
①手洗いのすすぎ要領で柔軟剤処理
・水道水に既定の濃度で希釈する
水60Lに対し40mlと同じ比率で、水1Lに対し0.75mlを加え良く攪拌
・プレパラートに液を垂らし日干し乾燥する
・布片(1cmX5cm)を浸し2分間攪拌して絞り日干し乾燥する
布の材質は、アクリル90%、毛10%の混紡
②干している状況
内窓と外窓間の空間9cm幅を利用しそこにエアクオリティモニターを入れてPM2.5,PM10,VOCやUVを監視しながら干す |
プレパラートに既定の濃度で希釈した柔軟剤液を垂らして天日乾燥させ、 顕微鏡で観察する。 |
<PM2.5,PM10計測結果>
干して30分後位から急激にPM2.5,PM10が放散し、4時間半位持続して急激に無くなる。干している間のPM2.5,PM10の放散と温湿度、照度との関係を相関分析すると、温湿度との強い相関がある事が分かる。
この測定ではPM10が計測されているが、後で観察した顕微鏡写真ではPM10サイズの粒子が見当たりません。乾いてしまうと分解して見えなくなる粒子があったのでしょうか?
乾く前でも観察してみる必要が有りそうです。
1号機の計測結果
2号機の計測結果
<PM2.5,PM10顕微鏡観察>
①プレパラート(顕微鏡で使用するガラス板)上のマイクロカプセル
(柔軟剤を既定の濃度に希釈し、ガラス板上に垂らして日干ししたもの)
従来の様な数十μの中に数μ~1μ以下のカプセルが入っている構造と全く異なる
1μやそれ以下(分解能の限界で良く見えない)の粒のみが多数見られる
3,000倍で撮影 1μやそれ以下の無数のマイクロカプセルが見られる 光学顕微鏡の限界(光の波長に近い)で小さい物ははっきり見えない 青っぽい細かいもやもやした物は顕微鏡のセンサーノイズです |
②布観察
3,000倍で撮影 元の繊維表面が分からない位1μやそれ以下の多数のカプセルが付着している 顕微鏡で見ると気持ち悪いほどですが、肉眼で見ると 下の写真の様な柔軟剤未処理の布と区別が付きません |
3,000倍で撮影 柔軟剤未処理の布(アクリル繊維の部分) |
今回はまだ1回だけの試験で更に確認が必要ですが、洗濯物が乾いていく過程で大量のマイクロカプセルが飛び散っていると思われます。そして、このカプセルは1μかそれ以下の大きさでPM2.5と呼ばれ、肺の奥深く効率よく入り込み、血液中にも入り、更に脳関門をも突破し脳にまで入り込むと言っている医師も居るそうです。
隣近所で洗濯物が干されると気分が悪くなる、特に我が家では昼前後がひどいのと通ずるものが有ります。今回試験した柔軟剤は1μやそれ以下のカプセルを使用しており、たとえイソシアネートが出なくでも、それを吸い込んだら危険ではないでしょうか。
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