2023年12月17日日曜日

登山ではマイクロカプセル破壊が激しい

 一番香りの強い柔軟剤は各メーカーが以下の様に香りの出るのをPRしています。

・動きに反応

・わずかな水分・汗に反応

・体温を感じて香る

・カプセルがはじけるたびに香りが12週間続く(累積で溜まる)

 これらの条件で、動いて汗をかいて体温も上がる三拍子そろうのが登山の時です。

 実際、登山ですれ違う人の柔軟剤臭はすさまじく、普段スポーツジムで柔軟剤の臭いをたっぷり貰ってきても平気な妻も、「今すれ違った人はすごい臭い」と言います。

 また、こんな時は追越されて数分経っても臭いがずっと消えません。谷間などでは10分位続く事も有ったり、人影はないのに臭いだけがしたりします。

 これらの柔軟剤や洗剤の評価が何度も専門家により行われていますが、いずれも1回の洗濯のみで静かに干して発生する化学物質を測定するというものです。

 これでは、一番化学物質が出ない条件での測定ばかりです。メーカーが言っている様にマイクロカプセルの破壊を伴う条件で、また繰り返し洗濯をした物で評価する必要が有ります。1回洗濯してその衣類は捨てますか?

 NIH(National Library of Medicine)の以下の文書にメラミン樹脂のマイクロカプセルを長時間放置した後の放出や外力を与えた時の放出特性が詳しく記載されています。

https://www-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/pmc/articles/PMC6384642/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

 これを見ると、一般に行われている評価がいかに実際の被害とかけ離れているのか理解できるでしょう。但し、これも繰り返し洗濯してカプセルが劣化した状態の評価が行われていません。

 では、実際の登山での状況をお知らせします。
















  計測結果は、柔軟剤臭の人が近くに居たり、人が集まる所は僅かにPM2.5がわずかに上昇しています。このわずかな量で症状が出るという事は、かなり毒性の強い物質が関係しているか、濃度100%の液体(カプセル自体)を吸い込んでいるのではないでしょうか?














  登山開始から終了までに収集した微粒子をPCマイクロスコープで見てみました。














 上の写真は、大きなカプセルが破裂して中からごく小さな粒々カプセルが液体の様な物と一緒に出ています。香りの強さは表面積に関係するので、この様なごく小さな粒の中に香料を入れれば何十倍もの強力な香りを出す事が可能になります。

 繰り返し洗濯をした繊維は右の写真の様にべっとりと小さなカプセルが厚く付着しています。

 私はすれ違っただけで咳が出たり、頭痛、目に沁みてひどいと目が開けられなくなった事も有ります。また、ひどい疲れや眠気(と言うより麻酔の様な)症状や足がつったりするのが数時間遅れて出る事も有り、帰りの車運転中に路肩に緊急停車して休んだことも有ります。

 専門家の実態に即した評価で、原因の究明が進む事を期待しています。

2023年7月25日火曜日

住宅街の外気でホスゲンが存在する再確認と室内でも測ってみる:高温でホルムアルデヒドも出るか?

  前回のホスゲン測定の再確認と室内でも出るかどうか測定してみました。

<ホスゲンの測定結果>

 見辛いですが青い→の左側が3/27に室内で測定した物です。テープに反応は出ていません。密閉した室内には存在しませんでした。

 右の青い→の部分は4/1に外気を測定した部分で、ホスゲンに反応して中央部にうっすらと丸い跡がテープ送りの45分おきに出ています。測定値の表示はゼロですが、LDL(最低測定濃度)と言って5ppb未満はゼロに切り捨てられるので読み取れません。イソシアネートでは0.4ppbから表示されるのに比べると感度は1/10以下です。


左側は室内で反応跡無し、右側は外気で微量の反応跡が有る




<ホスゲンの毒性>

 ホスゲンは化学兵器に使われる猛毒のガスですが、イソシアネートに比べると毒性は弱いです。

 しかし、微量だと遅れて症状が出るので注意が必要と言われています。吸い込むと肺の中で水分と反応し塩酸が生成されて肺が侵されます。濃度が高い場合は泡を吹いて窒息死て死に至るそうです。

 今まで2度ほど夜中に口の中が泡で一杯で目が覚めた事が有るので気になる所です。  また、レントゲンやCTで肺の右下に炎症痕が認められて数年経っても消えないのも気になります。但しこれはイソシアネートが原因の可能性が高いですが。


<PMとVOC,HCHO測定結果>LKC-1000S+2ndによる

 午前7時台にはPM10,PM2.5がピークで共に値が大きい。

 9時から14時にかけてはTVOCが異常発生し、ホルムアルデヒドも増えている。但し、ホルムアルデヒドのこのセンサーは交差感度(他の物質も検出してしまう。特にアルコール)を持っているので確定は出来ません。

 直射日光が当たる状態では温度の計測結果がピークで50℃近くになっていますが、測定器の仕様では動作温度は0~50℃となっています。保証範囲での使用となっています。

 ケースの材質がいかにも赤外線を通しそうな材質なので、内部が直射日光の赤外線で温度上昇を起こしていると思われます。


<PMとVOC測定結果>AtmotubePROによる測定結果

 VOCは上と単位が異なります。また、センサーが異なる様でLKC-1000S+2ndの方が回復が早い。


 2台の測定器は並べて置いて共に直射日光が当たる状態ですが、こちらの計測温度は30℃maxとなっています。こちらはアウトドア用を売りにしているので、内部のプラスチックが赤外線を通さない真っ黒になっていますので、直射日光下でも正確に大気温度が測れていると思われます。内部構造が分かる分解時の画像を以下に添付します。





 この測定器の弱点は、左の黒いプラスチック部分に白い塊が見えますが、恐らくマイクロカプセルの塊ではないかと考えています。空気の流れが複雑で、流速が落ちる所に吸い込んだマイクロカプセルが付着して溜まるのではないか?但し、この構造のおかげである程度の雨には耐える様です。

 この時は分解修理に夢中でうっかり中をきれいにして動作確認をしてしまいました。この塊を顕微鏡で見なかったのを後悔しています。

 慣れない方は決して分解しないで下さい。元に戻らない可能性が有ります。もっとも、分解には特殊な工具が必要です。