2019年5月17日金曜日

柔軟剤臭の移り香

移り香で柔軟剤臭くなったレジ袋、ジッパー袋
写真は妻が3日前に友人から頂いて冷蔵庫に保管されている手作りのパウンドケーキです。私も食べていいと言うので、昨日冷蔵庫から取り出すと独特の柔軟剤臭がしました。

 一番外側のレジ袋から中身を取り出してみると、レジ袋が柔軟剤臭い。しかし、中に入っていたジッパー袋はもっと臭います。パウンドケーキは切られて個々にラップに包まれていますが、幸いにラップは柔軟剤臭はしませんので、美味しく頂きました。

 しかし、この後自分の手が柔軟剤臭い事に気が付いて、急いで石鹸で洗ったら臭いは取れました。

 今日ももう1個食べようと冷蔵庫から取り出すと、昨日と同じ状況ですが、今日はパウンドケーキを包むラップも臭います。ラップを剥がしたらケーキの匂いは良い香りでしたので今日も美味しく頂きました。今日は手は臭くなりませんでしたが、念のため手は直ぐに洗いました。

 上の写真は今日撮影した物ですが、この写真を撮り終えた頃から目が圧迫される感じがして、急いで片付けて冷蔵庫に仕舞いました。

 恐らくこのパウンドケーキを作った方は、マイクロカプセルを使用した香る柔軟剤を使っていて、そのカプセルが家の中に浮遊していて付着したものと思われます。

早朝はすがすがしい空気でも・・・
その事を裏付けるのが以下の現象です。
 早朝、人がほとんどいない時にウォーキングに出かけます。

 自宅の近所では、洗濯物が外に干されていない家でも、換気口から柔軟剤臭が出ていて、家の周りは柔軟剤臭に包まれている家が何軒も有ります。

 風が無いと、何軒もの柔軟剤臭が混ざり合ってすさまじい臭いになります。

 部屋の中はすごい臭いだと思いますが、臭いは直ぐに慣れてしまい分からなくなるので、その家の人には分かりません。

 ウォーキングで人家がまばらの所を歩いてきれいな空気を吸った後で自宅に近づくと、出る時は分からなかった色々な柔軟剤臭を感じます。

 自宅前で落ちてくる微粒子を顕微鏡で見ると、柔軟剤の香りのカプセルが気持ち悪い位見られます。PM2.5,PM10をレーザーで計測する測定器で見ても、敏感な人は外出を控えるレベルが計測されます。

 毎日この中で暮らすのは大変です。窓を閉め切って、換気口をガスを使う所以外閉めて酸欠に注意しながらの生活です。山深い所でも同様に香りのカプセルが沢山見られます。

2019年5月1日水曜日

柔軟剤処理した洗濯物から放散されるマイクロカプセル(2)雨の日


 前回「柔軟剤処理した洗濯物から放散されるマイクロカプセル(1)晴の日」に続く試験です。今回は雨の日に柔軟剤処理した布を部屋干ししたらどうなるかです。

 試験方法、測定器は前回と同じです。

<干している状況>
 二重窓の間の隙間9cmに干しています。
外側はペアガラスで温度が伝わりにくくなっています。

 この後、外側のシャッターを閉めて内側も内窓と二重カーテンを閉めておきます。

 大きな変化が無いため日が差す翌日8:00にシャッターを開け、部屋のカーテンもレースのみにして前回と同じ条件にしました。



<PM2.5,PM10計測結果>
①雨の日に干す(4月30日)
1号機の計測結果



























2号機の計測結果

































 雨の日で日が当たらず温湿度の変動も少ない時は、所々にPM10の小さなピークが見られるのみで、大きな変動は無かった。VOCも低く安定している。

 次の日は晴れ間が出そうなので、直射日光が当たる様にして同じサンプルを継続して干してみることにします。

②晴れたり曇ったり(5月1日)前日から続いて干す 
1号機の計測結果





























2号機の計測結果

























 薄日が差すと共にVOCが上昇し始め、VOCのピークとなる11時55分から12時05分までの10分間にPM2.5,PM10共に激しく発生する。カプセルが崩壊して中身を放出していると思われる。


 それでは次にこの後で顕微鏡により、実際の柔軟剤液が乾いてどのようになったかプレパラート上で見るのと、布に付いたのがどうなっているか観察してみます。


<PM2.5,PM10顕微鏡観察>

①プレパラート上乾燥柔軟剤希釈液のマイクロカプセル
塊が崩壊して小さなカプセル(小さい物は1μmかそれ以下)が出ている
20190501175803 3,000倍







































左側に崩壊して抜け殻になった親カプセルが見える 直径30μm程度
20190501181504 3,000倍







































一番密度が高い部分
20190501182225 3,000倍





































②布に付着したマイクロカプセル観察
アクリル繊維が交差した所にマイクロカプセル内容物
(透明な粘性の物と子カプセル)が付着
子カプセルで小さい判別可能なものは直径1μm
20190501183408 3,000倍

マイクロカプセル内容物がダンゴ状に付着 外径19μmX16μm
中に色々な形状の子カプセルが見える
20190501183643 3,000倍









































アクリル繊維に付着したマイクロカプセル内容物 26μmX16μm
内容物の一番手前にドーナツ状の物が透けて見える
20190501192000 3,000倍









































上の写真と同じドーナツ状の物が飛んだ? 直径16μm
20190501191235 3,000倍




























アクリル繊維の左側に積もる様に付着
最初から晴れた日に干すとこの様に大量に付着した
20190501203213 3,000倍
























アクリル繊維にべっとりと付着したマイクロカプセル内容物
20190501204007 3,000倍
























2本のアクリル繊維間をまたぐようにマイクロカプセル内容物が付着
20190502093117 3,000倍
























アクリル繊維にマイクロカプセル内容物が付着
粒々の子カプセルは3μm~1μm以下
20190502100741 3,000倍

























粘性の高いマイクロカプセル内容物が付着
20190502093740 3,000倍
























色々な大きさの子カプセルが透けて見える
20190502101221 3,000倍
























 柔軟剤の取説では、洗濯の後放置せずにできるだけ早く干すように書かれている。前回の様に直ぐに干した場合は、親カプセルが完全に崩壊して中の子カプセルのみが繊維に厚く付着していたが、今回の様に雨の日に干した場合は、カプセルが完全に破裂せず、内容物の粘液みたいのに包まれた子カプセルが多く見られた。

 我が家の外気では今回の様な大きな塊が多く飛んできているのが観察される。近所はほとんどが共稼ぎで夜に洗濯をする家が多く、一晩過ぎて直射日光に干すと今回の様な塊が飛んでくると思われる。

 今回は1回しか洗濯をしていないが、更に洗濯をして柔軟剤液が付いたり、前に付着した物が劣化してどうなるか?
 また、今回は小さな布片(1cmX5cm)で過敏の人は避けなければならない程のPM2.5が飛んだが、一家4人分程度の洗濯物を干した場合は恐ろしく大量の微粒子が飛ぶことになる。かなりの距離まで拡散するのではないだろうか。

2019年4月20日土曜日

「窓を開けて新鮮な空気を」は今や通用しない

 気温が上がりすがすがしい新緑で、窓を開けると心地よい風と共に新鮮な空気が入ってくる季節です。ところが、今やこれは我が家の様な混み合った住宅街では通用しません。
 窓を開けると柔軟剤臭く、咳が出て目が異物感でごろごろしたり目が痛くなったりします。

 以前窓を開けていた頃には、畳の上にはLED照明や太陽の直射日光が当たると特定の角度で鋭く光り輝くマイクロカプセルがそこら中に落ちていました。

 空気中に漂うマイクロカプセルはその大きさからPM2.5やPM10が多いので、締め切って換気口も閉じ、空気清浄機が作動している室内と外気をエアクオリティモニターで計測して比べてみます。また、時刻によってPM2.5やPM10が大幅に変動するので、その変動要因も探ってみることにします。

<使用測定器> 2台使用
PM2.5,PM10、VOC、温度、湿度
照度、UVインデックス、気圧測定
ラトックシステム(株)製
Bluetoothエアクオリティモニター
REX-BTPM25V

シャープ製PM2.5センサモジュール使用
分粒器、光散乱方式


<測定結果>
①外気(直射日光との相関)
 下のグラフの様に洗濯物が干されて暫くたった10時台から完全に乾く14時台まで外気のPM2.5,PM10共に高い値を示しています。12時台に一度落ちているのは風向が南寄りから北寄りに変わっているのでその影響かもしれません。

 10時から14時迄のPM2.5,PM10の環境との相関係数を求めると温度との相関がかなり有る事が分かります。

 なお、このPM2.5,PM10の成分は過去に何度も顕微鏡で観察していますが、ほとんどが香料マイクロカプセルが占めています。顕微鏡観察中にカプセルが破裂して内容物が飛び散ったのを何度も経験しています。























②室内
 同時にもう1台のエアクオリティモニターで締め切った室内において測定したのが下のグラフです。窓は風呂場とトイレ以外は全て閉め切って、換気口も台所以外は閉じていて人が居る時は常時空気清浄機を作動させています。この効果で外との接触が無い時はPM2.5,PM10共に低い値です。

 しかしどうしても扉を開かざるを得ない時が有り、朝台所の扉を開いてごみの処理をした時に、ずっと離れている測定点でPM10が急上昇しているのは驚きです。また、外に干した洗濯物を取り込んで計測点と同じ部屋で畳んだのでここでもPM10が急上昇しています。私は洗濯物を畳む担当ですが、時々畳み始めると咳込んでマスクをしなければならなくなるのが数値でも出ました。

 また、午後に電車で出掛けて全身柔軟剤臭くなって帰ってきた21時頃にもPM10が急上昇しています。汚染された衣類から飛散したマイクロカプセルが計測されたものと思われます。

























電車の座席に座るとくっついてくる臭いマイクロカプセル

 前回(←リンク)は電車に乗って柔軟剤臭くなったズボンを直接顕微鏡で観察しましたが、固定が大変できれいに撮影出来ませんでした。今回、会社の研修同期の飲み会が有ったので、つくばエクスプレスの最寄り駅から秋葉原間でシートに座った時のズボンにくっつくマイクロカプセルを写真の様にテスト用布を貼り付けたズボンで調べてみます。

 テスト用の布は秋葉原駅に着いたらすぐに剥がして汚染防止の為にサンプル管に入れて保管しておいて、次の日に顕微鏡で観察します。

ズボンに捕集用の黒い布を
セロテープで貼り付けておく
電車を降りたらすぐに
サンプル管に入れて汚染を防ぐ
観察に使用した顕微鏡
斉藤光学(株)
PC Microscope
SKM-S31B-PC
X-Yステージ使用

























<ズボンにくっついていたマイクロカプセル(破裂した中身)>
 これが電車に乗ると衣類が柔軟剤臭くなってしまう犯人です。
 ほとんど透明な物、カラフルな色の粒が入っている物、メーカーや柔軟剤の種類によって色々な種類が有る様です。ズボンを観察するより鮮明に撮影する事ができました。
親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍
どろっとした液の中の小さな粒は子カプセルで直径3μ
























親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍
固い破片の様に見える
























親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍

親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍
中の子カプセルが液から出て近くにも付着している
























親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍























親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍
小さな粒は2μ程度だが、もっと小さな1μ以下と思われる物も
かすかに見える























繊維を覆うようにべたっと液がくっついている 3,000倍























しずくの様に垂れ下がっている 3,000倍























混紡の毛の繊維にくっついている所 1,000倍























上の部分を拡大 3,000倍























親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍























親カプセルから飛び散った中身と思われる 3,000倍
かなり粘着性が強い液と思われる












2019年4月16日火曜日

柔軟剤処理した洗濯物から放散される大量のマイクロカプセル(1)晴の日

 我が家は近所(隣ではない)からの柔軟剤臭が入ってきて窓を開けられません。窓を開けると咳、頭痛、目に沁みたりします。窓を開けていた頃は、畳の上にはキラキラ鋭く光る小さなマイクロカプセルが多数落ちていた事も有ります。

 現在はトイレと風呂以外の窓を閉め切り、換気口も台所以外は全て閉じて空気清浄器を常時つけています。それでも午前10時頃から昼過ぎにかけては咳が出たりして活性炭のマスクを時々しています。

 干した洗濯物から柔軟剤のマイクロカプセルが10時頃から昼過ぎにかけて多数飛散しているのではと以前から疑っていましたので、実際に柔軟剤処理した布を干して計測してみる事にしました。

<試験方法>
 布を規定濃度で柔軟剤処理し、干しながら発生する微粒子とVOCをモニターして、十分乾いたら顕微鏡で観察しました。カプセルその物も観察する目的で、プレパラート上にも柔軟剤希釈液を垂らして天日乾燥しています。


 以前、サンプルの布はフキンを使用して外気の影響を避けるために部屋干ししたら数十ppbのイソシアネートが発生し肺と声帯をやられてしまったので、今回はサンプル布を小さくし、二重窓の間に干す様にしたら大丈夫でした。また、以前は次々と色々な種類の柔軟剤や消臭剤を試験して、サンプル間の汚染防止が不十分で、どれから出ているのか確証が持てませんでしたので、今回は十分に間を開ける事にします。

試験に使用した柔軟剤と布
 スイートフローラルアロマの香り 香り長続きするアロマ柔軟剤

 一般に良く売られている物です。製品名は今回は非公開です。再現性が十分確認出来たら製品名は公開します。

 布は息子の10年以上タンスに眠っていた黒いシャツでアクリル90%、毛10%の混紡です。布の色は黒くないと透明なマイクロカプセルは良く見えません。石鹸で2回洗濯しましたが、まだ一部にマイクロカプセルの破片らしきものが有りますが今回処理する物とは区別は付きます。
 大きさは1cmX5cmの小さい布片です。

使用測定器、顕微鏡
PM2.5,PM10、VOC、温度、湿度
照度、UVインデックス、気圧測定
ラトックシステム(株)製
Bluetoothエアクオリティモニター
REX-BTPM25V
シャープ製PM2.5センサモジュール使用
PC Microscope
SKM-S31B-PC
斉藤光学(株)製
X-Yステージ使用
(一式借用品です)

























<柔軟剤処理>
①手洗いのすすぎ要領で柔軟剤処理
・水道水に既定の濃度で希釈する
 水60Lに対し40mlと同じ比率で、水1Lに対し0.75mlを加え良く攪拌

・プレパラートに液を垂らし日干し乾燥する

・布片(1cmX5cm)を浸し2分間攪拌して絞り日干し乾燥する
 布の材質は、アクリル90%、毛10%の混紡

②干している状況
内窓と外窓間の空間9cm幅を利用しそこにエアクオリティモニターを入れてPM2.5,PM10,VOCやUVを監視しながら干す




プレパラートに既定の濃度で希釈した柔軟剤液を垂らして天日乾燥させ、
顕微鏡で観察する。






































<PM2.5,PM10計測結果>
 干して30分後位から急激にPM2.5,PM10が放散し、4時間半位持続して急激に無くなる。干している間のPM2.5,PM10の放散と温湿度、照度との関係を相関分析すると、温湿度との強い相関がある事が分かる。

 この測定ではPM10が計測されているが、後で観察した顕微鏡写真ではPM10サイズの粒子が見当たりません。乾いてしまうと分解して見えなくなる粒子があったのでしょうか?
 乾く前でも観察してみる必要が有りそうです。

1号機の計測結果






















2号機の計測結果
























<PM2.5,PM10顕微鏡観察>
①プレパラート(顕微鏡で使用するガラス板)上のマイクロカプセル
(柔軟剤を既定の濃度に希釈し、ガラス板上に垂らして日干ししたもの)
 従来の様な数十μの中に数μ~1μ以下のカプセルが入っている構造と全く異なる
 1μやそれ以下(分解能の限界で良く見えない)の粒のみが多数見られる

3,000倍で撮影
1μやそれ以下の無数のマイクロカプセルが見られる
光学顕微鏡の限界(光の波長に近い)で小さい物ははっきり見えない
青っぽい細かいもやもやした物は顕微鏡のセンサーノイズです



























②布観察
3,000倍で撮影
元の繊維表面が分からない位
1μやそれ以下の多数のカプセルが付着している
顕微鏡で見ると気持ち悪いほどですが、肉眼で見ると
下の写真の様な柔軟剤未処理の布と区別が付きません










3,000倍で撮影
柔軟剤未処理の布(アクリル繊維の部分)

























 今回はまだ1回だけの試験で更に確認が必要ですが、洗濯物が乾いていく過程で大量のマイクロカプセルが飛び散っていると思われます。そして、このカプセルは1μかそれ以下の大きさでPM2.5と呼ばれ、肺の奥深く効率よく入り込み、血液中にも入り、更に脳関門をも突破し脳にまで入り込むと言っている医師も居るそうです。

 隣近所で洗濯物が干されると気分が悪くなる、特に我が家では昼前後がひどいのと通ずるものが有ります。今回試験した柔軟剤は1μやそれ以下のカプセルを使用しており、たとえイソシアネートが出なくでも、それを吸い込んだら危険ではないでしょうか。