2015年1月21日水曜日

MCS(多種化学物質過敏状態)の調査研究報告と国際会議での療法と予防戦略に関する合意

 2007年に産業医から「合成香料アレルギー」と言われて今年でもう8年目、柔軟剤等のあのいやな臭い(私にとっては毒ガス)に悩まされ続けています。但し、トイレの芳香剤でも全く平気で良い匂いと感じる物も有り、合成香料が全部駄目な訳ではありません。

 製品には「香料」としか書かれておらず、その本質を突き止めるべく、自分の症状と原因物質を推測し続けています。

 インターネットで検索していると、もう10年も前に日本で研究がされていた報告書が見つかりました。しかし、その後の進展が見られません。→①の資料

 一方、イタリアではMCSの本質に迫る国際会議が今年開かれて、療法と予防戦略に関する合意が決議されています。→②の資料
 この資料では「国際的な研究は、MCS 有病率は人口の3%から9%であり、特に女性に影響を及ぼしていることを示しており、・・・」とあり、我々の周りにも隠れた仲間(MCSと気が付いてない人々)が多いのではないでしょうか?

①日本公衆衛生協会発行 平成17年3月
 本態性多種化学物質過敏状態の調査研究報告→リンク

もう10年も前に発行された化学物質過敏症についての研究報告です。
・当時の化学物質過敏症の診断基準が書かれています
・複視についての試験結果
  「明らかに健常者の基準から外れる特徴の有る集団
  サンプル数が少なく微量化学物質暴露で自覚症状を呈する集団であるか否かについては、
 今後さらに慎重な検討が必要。
 →その後の報告は見つからなかった。



②AMICA 国際会議 2015年1月15日・・・化学物質問題市民研究会のHPより記事引用
なお、この記事引用とリンクについては、化学物質問題市民研究会の許可を得ております。

ローマ決議 MCS の療法と予防戦略に関する合意→リンク
 2015年1月15-16日にローマで開催されたイタリアのMCS団体 AMICA 主催の国際会議で1月15日に採択された 「ローマ決議:MCS の療法と予防戦略に関する合意」 を紹介しました。この会議にはイタリアのほか、ロシア、ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダからも科学者が参加しており、アメリカからは Martin Pall 博士が参加しています。

以下本文のみコピーペースト(全体は上記リンクを参照して下さい)

ローマ決議
MCS の療法と予防戦略に関する合意
2015年1月15日 *
  1. MCS は、生活の質を著しく低下させる様々な環境関連の疾病であり、
  2. MCS は、平均的な人々には通常有毒ではない化学物質に対しても、低用量でも耐えられない後天的な化学物質不耐症であり、
  3. 香気、洗剤、農薬などのような化学物質は日々の環境中に存在するので、MCSの影響を受けた人々は、機能を果たし、労働し、日々の仕事を行い、完全な社会生活を送ることが、通常できず、
  4. 、MCSの人々の生活の質は、ベルリンのロベルト・コッホ(2002)研究所により、重症の心臓循環系疾病のひとつより低いと推定され、MCS治療のための予算は心臓循環系疾病に向けられるものに比べて無視できるほどであり、
  5. 重いMCSの人々は、反応せずに過ごすことのできる安全な環境を見つけるために苦闘しており、
  6. 国際的な研究は、MCS 有病率は人口の3%から9%であり、特に女性に影響を及ぼしていることを示しており、
  7. これらの国際的な推定データからMCSは社会に対して数十億ユーロ(数千億円)の損失をもたらしていると推定することができ、
  8. 早期の診断の欠如が症状の悪化を招いており、
  9. 最近15年間に、MCSについての研究室及び臨床調査に大いなる前進があり、
  10. イタリアの研究者及び臨床医によるMCS文献へのいくつかの寄与と彼らの重要な国際的連携の確立があるので、
MCSは化学的過敏性と多臓器に症状があることにより特徴づけられる生理学的な疾病であるということを我々は明言する。

 MCSには、酸化/ニトロソ化ストレス、炎症、免疫不全、及び神経障害を含むいくつかの生理学的変化がある。因果関係に精神医学的な役割の証拠はない。

 MCSの患者は、特別の治療計画を提供される必要がある。

 MCSは、2型糖尿病や心臓血管疾患のような環境に関連する他の慢性疾病、及びアルツハイマー病、パーキンソン病、及びSLAのような神経変性疾患の管理のためにも有用な多分野介護アプローチを必要とする。

 健康介護提供者は、MCS患者が時宜を得た、そして適切な社会復帰を果たすのを支援するために、社会サービスと協力する必要がある。

 影響を受けた個人は、治療の一部として化学物質を回避する必要があり、そのためには職場における適切な施設と居住環境が必要である。

以上、参考にして下さい。

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