2021.10.01(金)
台風16号の影響で風雨が強く、歯医者へ車での送迎を妻に頼まれました。
行く時は何事も無かったのですが、帰りに自宅前に着いて、妻が急いで車を降りた瞬間、目にしみて気管支に違和感を感じました。油断して今回は活性炭のマスクをしていなかったのですが、その時臭いは感じませんでした。
その後目が痛いので、急いでうがい、目洗い、顔洗いをしました。着ていた上着とズボンは直ぐに脱いで着替えて貰いましたが、鼻を近づけるときつい柔軟剤臭がして移香した事が分かります。
夕方準備が出来たので、洗濯籠に有った脱いだ上着とズボンを測定してみる事にしました。
測定の様子(上着の測定中)
上着は動かしてもイソシアネートは出ませんでした。
HCHO ホルムアルデヒドも0.032㎎/㎥で変化有りませんでした。
しかし、ズボンと入れ替えると・・・
入れた直ぐはゼロでしたが、あっという間に上昇を始め、max6ppbにまで達しました。
ホルムアルデヒドも少し上昇し、0.059㎎/㎥になりました。
値が落ちてきても、動かして刺激を与えるとまた上昇し、かなりの時間継続します。
測定データをグラフにすると以下のようになり、アレルギーを発症する猛毒のイソシアネートがピークで6ppbも出ることが分かります。
但し、これは自分がもろに吸い込んで危険な状態にならないように、ポリエチレンの袋を掛けて実験しています。誤差要因としては、袋で拡散しないプラス要因と、袋に吸着されるマイナス要因が考えられると思います。
イソシアネートの発生は37分間続き、その後はゼロ(測定限界0.4ppb未満)となり、ズボンを動かしてももう出ませんでした。(今回は行いませんが、過去に数日放置したり、刺激方法を加湿・加温にすると出た経験が有ります)
実験中の動画(4倍早送り)
これは或る特定製品の特性かも知れませんが、柔軟剤等の香りの強い製品使用の人が椅子に座った後で、そこに未使用者が座ると移香し、動かすと危険な量のイソシアネートが発生する事が分かりました。
もう医学定説として常識化しましたが、アレルギーはアレルゲンの皮膚感作で起こる病気です。例えば、子供の小麦粉アナフィラキシーショックも、母親の使用している化粧品や石鹸などに小麦粉成分が含まれているから、子供がアレルギー感作されるというのも、もうすでに医学においての病態定説。このままだと時間はかかっても、柔軟剤アナフィラキシーショックが、確実に10~20年後には世の中に蔓延化すると思います。私事臨床医師として、事態を憂います。
返信削除イソシアネート類はアレルギーを起こす物質として職業病で恐れられています。吸い込むだけでなく、皮膚や粘膜からも吸収され、その総量が問題となるとACGIHは警告しています。日本ではまだ基準が見直されていませんが、米国ではこの理由により、5ppb→1ppbと基準が厳しくなっています。
削除そして、工場等でなく、一般の住宅街や混みあった電車、地下鉄ホーム、地下の乗換通路等でこの1ppbを越えて測定器のアラームが鳴ります。