有毒ガス検知器(呈色反応でイソシアネート基に反応)で測定すると、我が家の外気ではMAX2ppb程度のイソシアネートと微量のシアン化水素(青酸ガス)が検出されました。また、電車の地下区間や地下鉄のホーム、地下の乗換通路、混雑した歩道等でも米国の職業病予防ACGIHの基準1ppbを上回る値が検出されます。
イソシアネートはイソシアネート基を含むグループの総称で、色々な種類が有ります。有毒ガス検知器の検知可能な例を見ても、以下の様な種類が有ります。
しかし、有毒ガス検知器で数ppbを検知している時でも、TDI、MDIで反応するイソシアネートバッジでは以下の様に全く反応が有りませんでした。
暴露前(左)と暴露後(右) |
一般的なTDI、MDIには反応無し。
その後、或る研究機関で高速液体クロマトグラフで分析して貰う機会が有りましたので、その結果をお知らせします。
イソシアネート成分の分析方法
サンプラー(ジブチルアミン)に定量ポンプで空気を通し反応・安定化
↓
アセトニトリルで抽出
↓
LC-MS/MSでイソシアネート11成分を分析
(精度良く超高感度で11種類のイソシアネートを分析できる)
分析結果
ICAイソシアン酸が一番多く検出されました。
12/14の外気ピークでppbに換算すると0.48ppbになります。
室内、外気共にかなりの値で検出されています。
なお、有毒ガス検知器の検出可能ガスリストにICAは有りませんが、日本の代理店に確認したところ、検量線は持っていないが検出可能との事でした。
MIC イソシアン酸メチル
外気にわずかに存在しますが、室内は低い値か未検出です。
用途:殺菌剤、防かび剤、防汚剤 殺虫剤、防虫剤
インド、ボパールの化学工場で漏洩した。MICガスは風に乗って市街地に拡がり、3,000人以上の死者と35万人もの被災者を出した。
(失敗知識データベースより)
PIC ポリイソシアネート
用途:塗料、接着剤の硬化剤やウレタン樹脂の原料
外気でのみ微量に検出されています。
PHI:フェニルイソシアネート
未検出又は検出限度以下です。
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
用途:塗料用イソシアネート硬化剤未検出又は検出限度以下です。
今年の人間ドックでTDI,MDI,HDIのIge抗体の検査を受けましたが、どれも陰性で、この結果と一致しています。
イソシアネートとイソシアン酸との測定値比較
これは我が家では有りませんが、屋外でイソシアネートを2種類の測定方式で測定し比較した物です。<茶色>SPM Flexで測定
イソシアネート基(色々なイソシアネート類)に呈色反応で反応したものを計測
<青色>
LC-MS/MSでイソシアネート11成分を分析し、桁違いに大きかったイソシアン酸のみをグラフにした。11成分以外は不明。
<両者の比較から>
分析可能な11成分以外の成分が大量に有ると思われる。
0 件のコメント:
コメントを投稿
宜しかったらコメントを下さい。多忙(登山、花の写真整理)や体調不良で返事が遅くなるかも知れませんがよろしくお願いします。
なお、コメントはスパムやウィルスに誘導するのを防止する為に管理者が承認するまで公開されませんのでご注意下さい。