2016年4月13日水曜日

化学製品PL相談センターのアクティビティーノートに「徐放剤の一部にイソシアネートが使用」の記事

化学製品PL相談センター 2015 年12 月10 日発行
アクティビティーノート〈第226 号〉
に「徐放剤の一部にイソシアネートが使用」の記事が掲載されていました。

<一部抜粋>
 最近気付いたことであるが、柔軟剤のニオイの相談とイソシアネートは関連が無いと思っていたが、柔軟剤のニオイの相談でたまたま計測器を持参していて測ったところ、イソシアネートが検出された。それから、度々同様のことが有り、柔軟剤とイソシアネートの関連を調べた。

 すると、最近は柔軟剤に徐放剤というものが使われて、香りが長持ちするようにしており、その徐放剤の一部にイソシアネートが使用されているものがあるようだということが分かってきた。

⇒情報をいただきありがとうございます。当センターでは、現在のところ、徐放剤とイソシアネートが関連するという情報は確認できておりません。しかし、寄せられた相談内容と対応結果は、月次報告「アクティビティーノート」や年度報告書等にまとめて公開することで、情報の共有を図ってまいります。

詳細はこちらのリンクを参照して下さい。↓
http://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/662_704.pdf#search='%E6%9F%94%E8%BB%9F%E5%89%A4%E3%81%8B%E3%82%89+%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%88'

2016年4月7日木曜日

北里研究所病院 環境医学外来(アレルギー科)受診

ご注意)北里研究所病院のお知らせによると、環境医学外来(アレルギー科)は2019年12月で終了となっています。また、新規患者受入は2018年で終了となっていました。
理由は記載されていません。患者が増え続けているのに現在治療方法が無く、生活指導のみとなっていますが終了してしまうのは残念です。
以下リンクを参照して下さい。
https://www.kitasato-u.ac.jp/hokken-hp/2019/01/08005401.html

 10:50雨が上って明るくなってきたら今日4/5も部屋の中で咳が出始め涙も出て目がゴロゴロします。鏡を見ても異物は入っていません。玄関から外に出て家の周りを一周すると、北風に乗って柔軟剤の酸っぱい臭いがかすかに漂ってきます。

 以前から柔軟剤に含まれる何かの物質のせいに間違い無いとは思っていますが、同じような症状で徐々に進行するまれな病気も聞いた事があります。また、二つの原因が重なっている場合は、両者の症状が絡み合って、より判断が難しいことになります。(これは私が電子回路や部品の解析で苦労した経験です)

 現在の様な症状が出始めて2007年に産業医からは合成香料アレルギーとの診断を受けていますが、きちんと専門機関に診断を受けておこうと北里研究所病院 環境医学外来(アレルギー科)受診を決意しました。

 昨年10月始めに予約して一番早い予約が取れたのが半年後の昨日で、やっとその日が回ってきました。診察は10時からですが、電話予約の時に8時半までに保険証を忘れず持って来て下さい、紹介状が無いので3,000円+税が掛かりますとのことで、保険証とクレジットカードを持って6時半前に自宅を出発です。

 久しぶりに朝のラッシュ時に電車に乗りましたが、駅で前を歩く女性がかなり臭く心配でしたが、電車の中では換気が良く効いていたのでマスク無しで平気でした。むしろ10時頃の空いている時のほうが空調が止まって車両全体に臭いがこもってひどい様です。もっともすぐ近くに来られたら換気も関係ないですが。

 地元の総合病院では、玄関を入った途端に柔軟剤臭がして咳が出ますが、ここはマスク無しでも平気でした。受付を済ますと直ぐに分厚い問診票を渡され、検査の合間に書きましたが、検査の種類が多いので落ち着いて書けませんでした。検査が終わるまでには書き終わらす診察待ちの時に時間より早く呼ばれて、まだ書き終わっていなかったので、書き終わって診察となりました。

<事前の検査と基準外れの項目>
・尿検査  潜血1+
・血液検査 ヘモグロビン L、 好中球% H、LDH H、コレステロール関係 H(朝食後4時間)
・心電図 今回は体調が悪くなかったせいか、期外収縮は出なかった(期外収縮が出た話をしたら、長い時間測定してくれた)

<診察室での看護師さんの検査>
・体のバランス(目を開いた状態と閉じた状態) 少しふらつきが有りますが問題になる程でない様です。登山で危険な所を歩くので一安心です。ただ調子が悪い時はふらつく時もあるので要注意です。先日沢の中で立ち上がる時にふらついてひっくり返った経験があります。
・眼球の動き(縦、横) うまく測定できなかった?メガネ外したせいでターゲットがよく見えなかった

<医師の診察>
・問診 今までの経過、症状、我家の環境、妻も症状が出始めたこと等
     自宅の測定でイソシアネートとシアン化水素を検出し、イソシアネートはほとんど途切れる
    ことなく検出されていること。
     ガスクロマトグラフで柔軟剤成分が自宅の室内で検出されていること。
     一般的に売られている柔軟剤と消臭剤でイソシアネートを検出したこと。
・診察 神経反射テスト(ハンマーでたたいて反射を見る)、聴診器、のどの状態、目の動きチェック

といった内容で、脳の障害は無いが、過敏状態で精神的なものでは無い。という結論でした。
イソシアネートとシアン化水素(青酸ガス)が自宅で検出され、柔軟剤や消臭剤から出ている話は初めてだそうです。

・イソシアネートの過敏性チェックは現状無いそうです。Ige抗体の試験でも出ないそうです。以前は負荷試験(濃度を上げていって症状が出る点を探る)をやっていたそうですが、今はやってないそうです。精神的な影響が排除できない様で、やはり盲検法でやらないと駄目の様です。
 ある濃度までは何ともないが、その点(閾値)を越えると症状が出るそうです。

<費用>
 紹介状無しで\3,240(¥3,000+税)加算 され、保険が効くのでその分は\4,660で〆て¥7,900で済みました。

<感想>
 今回の医師は 調べたら産業医学関係が得意な方で、こちらの話は全部理解して貰えてイソシアネートやシアン化水素が検出された件も納得されていました。こういう件を訴えるとよく精神的なものと片付けられてしまう様で、その様な時には証言して戴けるそうで、名刺も戴きました。今までの測定結果をまとめて、市の消費生活センターに2年ぶりに行こうかと思います。

2016年4月3日日曜日

やっと見つけた香りの強い柔軟剤等から出る強毒のアレルギー物質「イソシアネート」

2016.04.26追記
 柔軟剤からイソシアネートが発生する実験を行っていますが、3回目は失敗しました。イソシアネートは非常に取り扱いが難しい物質で、専門家がやってもごく一部の人しか成功していません。

 また、3回目は自宅の玄関で実験したのですが、自宅の玄関が外部から汚染されているのでその影響を受けていることも分かりました。我家はそれほどひどい環境です。信頼性がまだ不足しているので、計測器をメーカーでメンテナンスして貰い、実験方法も見直して、再度挑戦します。

 2階のベランダに干した洗濯物を畳んでいると咳が出たり頭痛がするので、洗濯物に飛散したマイクロカプセルが付着しているのでは?という疑いを持っています。3回目の実験の時に洗濯物を測定してみましたが、検出出来ませんでした。後日デジタル顕微鏡で洗濯物をチェックしましたが、まだ慣れない作業で、これがマイクロカプセルかな?といった段階です。
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 外で柔軟剤の臭いがすると、部屋の中に居ても咳が出て頭痛がしたり、目がチクチクしたりします。この原因物質を探ろうと昨年環境分析を行っている3社に問い合わせしました。

 そのうち2社から回答が有りましたが、1社は発生源が特定できていて、分析する成分が特定されていないと測定できないという回答でした。もう1社は専門家が現場でサンプリングを行う必要が有り、とても個人で依頼できる金額では無いとのことで諦めました。

 その後、知人から測定器を借りられる所の紹介が有り、NPO法人のVOC研究会から測定器を借用し、専門家から測定方法と分析の指導も受けて、自分で測定・分析を試みることにしました。

 結果は、我家の玄関と庭・部屋の外側で「イソシアネート」という職業病で問題になっている、ごく微量でもアレルギーを引き起こし、一旦発症すると量に関わらず存在するだけで症状が出るようになる強毒のアレルギー物質が検出されました。部屋の窓を開いている場合は、当然ですが室内でも検出されています。また、同時に庭で微量のシアン化水素(青酸ガス)も検出されました。

 イソシアネートの中でも工業用に一番多く使われているという2,4-トルエンジイソシアネートの毒性について調べると、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)の国際化学物質安全性カードでは、

吸入   腹痛、咳、吐き気、息切れ、咽頭痛、嘔吐
        症状は遅れて現われることがある。
皮膚   発赤、灼熱感、痛み
眼     発赤、痛み、かすみ眼

・工業用のトルエンジイソシアナートは、2,4- および2,6-異性体の混合体(80:20)で、TDI は一般名である。
・喘息の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
・この物質により喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと。
・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。

許容濃度: 
TLV:0.005 ppm(TWA);0.02 ppm(STEL); A4(人における発がん性が分類できていない物質); SEN(感作物質) (ACGIH 2004) (訳注:詳細は ACGHI の TLVs and BEIs を参照)

MAK:気道感作(Sa); Carcinogen category発がん性カテゴリー:3A 

となっており、実にトルエン(シンナーの主成分)の一万倍の毒性です。

 イソシアネートやシアン化水素が検出された時は、近所からの「酸っぱい柔軟剤臭」がしていたので、大手メーカー3社の売れ筋の柔軟剤、以前症状が出た時に銘柄が判明している洗剤と柔軟剤の組合せ、香料入り洗剤を購入して試験してみました。また、最近TVコマーシャルが盛んに流れている消臭スプレーもVOC研究会の追加提案で試験してみました。

 その結果、やはりほとんどの香りを謳う製品と消臭剤からイソシアネートが検出されました。
 私は昔から有るトイレの芳香剤の香料は何とも無くても、最近の香りが長続きする香料は咳が出たり頭痛がする原因の一つはここに有りそうです。香料は昔の物とは変わらない枯れた技術だと思いますが、最近は香りを長持ちさせたり、こすったり温度や湿度で香ったりさせるのにマイクロカプセルとか、とうもろこし由来のシクロデキストリンポリマーを重合させるのにイソシアネートが使われている可能性があることが分かりました。どうして分かったかというと、メーカーの特許に例としてイソシアネートを使う方法が挙げられているからです。

 また、ポルトガルのポルトー大学の実験でイソシアネートを使った香料マイクロカプセルの詳細な写真が有りました。
 繊維に香料カプセルはこの様にくっついています。(ポルトガルのポルトー大学実験資料より)


 すすぎ時に投入された柔軟剤の香料カプセルはこの様に繊維に付着し、付着出来なかった大半は排水で下水に流れ、下水処理場で浄化出来ずに海へ流れて行きます。そしてこれらの香料は生物に食べられ、食物連鎖を通して我々の口に入ることになります。

 現実に、海産物から香料成分が検出され始めています。


 では、実際に近所から我家に流れてくる柔軟剤ガス等の測定と柔軟剤等から発生しているガスの測定を行った状況です。

1.使用測定器
①ケムキーTLD 有毒ガス検知器(米国ハネウェル社製)

Honeywell Analytics ChemKey TLD Toxic Gas Detector
 比色定量分析に基づくシステムであり、吸引ボンプと乾式試薬テープを用いてサンプルエアーを捕集し、 対象ガスに曝露するとガス濃度に比例して色が変化します。 この色の濃さの変化を光学的に読み取り、光量の変化を内部にプログラムされているガス応答感度と比較して、 ガス濃度を算出します(試験紙光電光度法)。

 最近はこれと同じ原理の国産測定器が、警視庁のテロ対策で有毒ガスの検知用として使用されています。
 但し、今回検出したイソシアネートのテープは現在まだ有りません。










②ポータブルVOCモニター JHV-1000 株式会社 ジェイエムエス
 (簡易ガスクラマトグラフィで、環境省の簡易測定法として紹介されている機器です)


 PCに接続し、専用のExcelマクロでデータを読み取り現在値と前回の測定値がPC画面にクロマトグラムで表示されます。また、蓄積したデータをExcelグラフ機能でクロマトグラムとして分析できます。

 トルエン、E-ベンゼン、P-キシレン、スチレンは直読値として本体、PC共に表示されます。

 標準のパラメータで動かすのは簡単ですが、パラメータを変更するのは本体の液晶画面で行うので面倒で注意も必要です。







2.自宅の大気分析機器設置状況
 ①室内大気測定
玄関での測定 2015.11.10
悪天候のため
和室床の間での測定























 ②室外大気測定(ケムキーを外に出して)
玄関脇での測定
車庫での測定
(柔軟剤不使用の隣家境界)
























③室外大気連続測定(外気をチューブを通し吸引し測定)
外気引き込み部

 ダンボールから少しだけ出ているのがケムキーの吸気用テフロンチューブ(長さ13cmでイソシアネート測定ではmax15cmの制限が有ります)

 長い方はVOCモニターのチューブで、雨が侵入しない様に下を向けて設置しました。

 ケムキーの吸引用テフロンチューブは、イソシアネートは反応性が非常に高い為にテフロンでも15cmに制限されています。
 直射日光や雨・ほこりを嫌い、吸引口が機器の中央部に有り、窓を大きく開けなければならない。隙間風が部屋の中を吹きまくるので、ダンボールで急遽仕切りを貼りました。また、当然ですが窓はロック出来ないので、市販の鍵を購入して二重に取り付けました。

3.自宅での測定結果
①1回目の測定(2015.10.31~11.16)
・DIISOCYANATES(イソシアネート)→室内(窓を開いた)、室外で検出

11月1日 11:40室内でも窓を開けると柔軟剤臭がして薄く検出
       13:00室外でははっきりと検出
































その後11/1~11/2の室内では検出されない↓


11/2室内では検出されない
11/3車庫(柔軟剤未使用の隣家との敷地境界)ではっきりと検出


・AROMATIC AMINES(芳香族アミン)→検出無し

・HYDROGEN CYANIDE(シアン化水素=青酸ガス)→室外で検出
 特有の嫌な臭気であり、他と類似できる臭気がない。また、嗅盲といって遺伝的にこの臭いを感じない人が20%~40%いる。敏感な人は0.58ppmで臭いを感じる。(Wikipediaより引用)

11/11柔軟剤臭がする時は室外で検出
    玄関下駄箱の上でも検出



②2回目の測定(2016.2.15~2.27)室外大気連続測定(外気をチューブを通し吸引し測定)
・ALIPHATIC AMINES(脂肪族アミン)→検出無し

・DIISOCYANATES(イソシアネート)ほとんどの時間検出。 以下検出したテープにコメントを入れた画像











4.柔軟剤と消臭剤から発生する揮発性有機化合物の分析
①1回目 「香り付き柔軟剤、香り付き洗剤、香り付き柔軟剤入り洗剤」で原液を測定。但し1銘柄のみ加水して測定



②2回目 ①に加え消臭剤1銘柄も希釈、攪拌して測定


























 アリファティックアミンは3点ともかすかに検出された。

イソシアネートは原液か希釈で大なり小なり検出された。繊維に付着した後の摩擦でカプセルを破壊する設計の物も有るので、実際に繊維に付着させての試験も必要だが、我々の様に感作されていると思われる人はかなりの危険が伴う人体実験になってしまう。


5.室内に侵入してくる柔軟剤成分


































 柔軟剤単独で測定したKFとガスクロマトグラフのリテンションのピークが一致する所が多数有り、KF成分が室内に入り込んでいると思われる。11/10に喉がかゆくなったのはKF成分によるものと推定される。


以下は時間が無いので後日追記します。
6.発見されたイソシアネートの毒性と香料毒性との相加作用


7.柔軟剤や消臭剤からなぜイソシアネートが出るか


8.イソシアネートを除去する一つの方法(水フィルター)