2019年11月19日火曜日

PM2.5,PM10日陰テスト(直射日光、UVの影響テスト)

 以前から気になっていた事を実験で確かめたまとめです。

<気になっていた事と結果>
・我が家の外気に飛んで来るPM2.5,PM10といった微粒子を測定していると、直射日光が当たっている時に激しく微粒子が観測されます。

→激しくPM2.5,PM10が発生(マイクロカプセルが破裂して細かくなっていると思われる)するのは、温度が体温程度に上がった時である。今回は37℃を越えると発生しているが、別の時では35℃でも起きている。

→31℃でもPM2.5,PM10が増加している時も有り、柔軟剤の違いか、劣化度合いの違いかは分からない。

→温度変化によって激しくPM2.5,PM10が発生する時も有る。

・天気の良い日は窓を閉め切っていても昼頃になると咳が出て、活性炭のマスクが室内でも必要
→昼頃に何らかの原因物質が増加している

<使用測定器>

ラトックシステム(株)製
エアクオリティモニター REX-BTPM25V

比較の為に2台使用し、測定間隔は最短の5分間隔に設定。

測定終了後にデータをCSV形式でダウンロードし、Excel関数処理をしてグラフを表示しています。

詳細はメーカーの製品紹介を参照して下さい。
http://www.ratocsystems.com/products/subpage/btpm25v.html



なお、メーカーの製品ページの一部を紹介すると以下の様に記載されています。

●微粒子状物質「PM2.5」
2.5マイクロメートル(0.0025ミリメートル)以下と非常に小さい粒子のため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系・循環器系などへの影響が心配されています。PM2.5は工場や車などから排気されるガスや塗料などから発生するVOC、火山灰やたばこの煙などに含まれるとされています。

●粒子状物質「PM10」
粒子の大きさ10マイクロメートル以下のものを指し、アレルギーのもととなるチリやほこり、花粉などの飛散量を見る目安になります。本製品ではPM2.5とそれ以上の粒子の大きさを判別し、それぞれの粒子について浮遊する濃度を計測します。

●揮発性有機化合物「VOC」
塗料、接着剤、洗浄剤などに含まれるホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどが代表的な物質です。シックハウス症候群やシックスクール症候群、シックカー症候群を引き起こす原因物質のひとつであることが解ってきており、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛など人によって症状はさまざまです。本製品では、VOCの総量TVOCを計測します。

*我が家、病院内、電車の車中、登山道等で微粒子を収集して顕微鏡で観察すると、PM2.5,PM10及び更に大きな粒子が多数観察され、ほとんどが柔軟剤や洗剤の香料マイクロカプセルでした。

<9月2日(月)1号機庭の物干しざおで測定>
・近所の柔軟剤臭が特にひどかった日
・ゴミ集積場へ行く途中、石鹸臭が強く目にしみて気持ち悪くなった
・班のゴミ集積場当番のノートが柔軟剤臭く気持ち悪くなる
・6:40にBTつながらず一旦電源OFF→ONした。VOCは校正動作を行った。
































上のグラフ中央部のみ表示

























・温度が37℃を越えると急激にPM2.5,PM10が発生し始める
 (飛んで来たマイクロカプセルが破裂し小さな粒子として検出されていると思われる)
 この値はピークで90㎍/㎥にまでに達し、環境省の注意喚起のための暫定的な指針を越え、「不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす。高感受性者においては、体調に応じて、より慎重に行動する事が望まれる」という行動のめやすに該当する。

・VOC(成分は不明)は朝洗濯物が干されると共に上昇を始め、昼頃洗濯物が大体乾いてくると今度は減少に転じる

天気の良い日に洗濯物や布団を干すと、我が家の様に強い柔軟剤臭(マイクロカプセル使用)のする家に囲まれていると、洗濯物や布団がマイクロカプセルやその内容物で大量に汚染される。


<2台の測定器を物干しざおにぶら下げて測定>
・2台のうちの一方上部にタオルを掛けて直射日光を遮りUVや温度を下げる
・2台の測定器を入れ替えて同じ現象が再現するか見てみる

9月10日
9月6日
















<9月6日(金)1号機のみPM2.5,PM10異常発生時にタオルを掛けてみる>

・1号機は途中で日よけタオルを掛ける



上記の中央部拡大



























・8時ごろから温度はまだ31℃位にも関わらずPM2.5,PM10測定値が上昇している。必ずしも温度のみで上昇するとは限らない。温度変化がトリガーとなってマイクロカプセルが破裂し微粒子を放出しているのか?(グラフの温度変化は表示の都合上、マイナス側はカットしてあります)


・2号機は何もしないでそのまま測定続行


上記中央部拡大





























7時半頃から温度はまだ30℃位にも関わらずPM2.5、PM10共に上昇している。一号機と同じ傾向です。温度変化がトリガーとなってマイクロカプセルが破裂し微粒子を放出しているのか?



<9月7日(土)今度は2号機にタオルを掛けてみる>

・1号機何もしないでそのまま測定































上記中央部拡大





























8:55分に36.5℃になるとPM2.5,PM10共に急増し、直ぐに温度が一旦下がるとPMも一旦下がっている。9:10になると温度が38度になり、急激にマイクロカプセルが破裂しPMが放出されている。10:55から11:15にかけては温度が37℃以下となり、これに従いPM値も下がっている。

13:50では38.5℃だがPM.2.5のみ24に下がり、13:55には37.0℃でPM.2.5のみ26に下がっている。PM10は大きくは下がっていない。


・2号機は途中で日よけタオルを掛ける
































上記中央部拡大




























・10時台にPM2.5,PM10が低下しているのは一時的に陰って温度が下がった影響と思われる
・12時ちょうどにタオルを掛けて一旦PM値は下がったが、12時40分に急上昇している。UVインデックスはゼロだが温度が上昇している。タオルの掛け方を直したが変化は無かった。この時柔軟剤の石鹸臭がした。



<9月10日(火)再度1号機にタオルを掛けてみる>
9月9日(月)朝台風15号が通過した次の日

・1号機はPM2.5,PM10が大量発生している途中でタオルを掛けて直射日光を遮る






























上記中央部拡大



















・途中から日よけでUVインデックスはゼロになっても、温度が37℃を越えているとPM2.5,PM10は盛んに発生している(マイクロカプセルの激しい崩壊が起こっていると思われる)


・2号機は何もしないでそのまま測定































・この日に我が家では妻が布団を干して、シーツやタオルケットを洗濯してくれたのですが、その後私は夜中に何度も焼けるような喉の痛みと激しい咳と痰で目が覚め、声がほとんど出なくなりました。→https://mukouryou.blogspot.com/2019/11/blog-post.html

2019年11月18日月曜日

布団を干すとマイクロカプセルだらけに:近所からのカプセルで汚染される様子

 布団を干したり、タオルケットやシーツを洗濯して外に干した時に近所から飛んで来る香料マイクロカプセルに汚染され、寝て暫くして温まると激しい咳が出たりする原因物質を観察してみました。

 台風15号が過ぎ去った次の快晴の日、近所でも大量の洗濯物や布団が一斉に干されました。そして、まだ吹き返しの風が強いので柔軟剤使用の近所の洗濯物から大量のマイクロカプセルが飛んでいると思われます。

 以前の台風10号通過直後の物干し竿での観測結果は以下のリンクで↓
https://mukouryou.blogspot.com/2019/08/pm2512.html

 台風通過直後に干した敷布団、洗濯したタオルケットやシーツがマイクロカプセルで汚染され、夜寝ると激しい咳や痰に襲われ眠れない日々が続きました。

 医者へ行って貰った薬(途中でアレルギー薬も追加)全く効果が感じられず、最終的には徹底的に柔軟剤への暴露を避ける対策を取り、1ヶ月近く掛かってやっと体調が普段通りに戻りました。

対策は、
①干した敷布団、洗濯したタオルケット、シーツを交換→これが一番効いた。
 最初は寝具一式を持って別の部屋で寝たが効果無かった。
②窓を開けない(近所に十数件きつい臭いの柔軟剤を使用している家が有る)
③更に室内でもできるだけ活性炭のマスクをして過ごす。症状がひどい時はマスクをして寝る。
 このマスクは漏れが少なくなる様に改造した物です。購入したままでは効果無かった。
④外出は最低限にする。外から家に入る時は着替えてうがい、目洗い、顔洗いをする。
 できれば人の居ない山に逃げる。人に会わないようにする。→その後数日は体調良好
⑤ひどく調子悪い時はとにかく寝る。昼寝を4時間しても夜も普通に寝られました。
⑥洗濯物は外に干さない。室内干しする。


<微粒子サンプリング中の様子>

 寝て暫く経って寝具が体温で温まってくると、寝具に付着しているマイクロカプセルが破裂し、微粒子や破裂した破片が飛び散り、それらを吸い込み激しく咳き込み痰が出ます。

 シーツの上に粒子をくっつける為の特殊な両面テープ(電子顕微鏡用カーボン両面テープ)を台紙に貼った物を置いておき、2時間弱放置し落ちてきた微粒子をPCマイクロスコープで観察します。







<布団干し後の経過と症状>
9/9  早朝 台風15号通過

9/10 台風一過の晴れで布団干しタオルケットシーツ洗濯

9/11 医者に行く。風邪の診断

9/12 症状良くならず

9/13 夜中に喉痛く咳、痰
    3:30~5:10にサンプリング
医者に行きアレルギー薬追加
晴れると咳がひどい

9/14 10時少し前に気分悪く昼寝

9/15 0時少し前に喉痒く咳痰で起きて寝られず
    0:15 別の部屋へ避難して寝る
    1:45 咳が出始めパジャマと下着交換
    シーツとタオルケットを洗濯、ベッド、寝室を掃除機かける

9/16 夜中に3回起きた
    朝起きると頭痛、気持ち悪くだるい
    5:28 ごみ捨てに行くと近所の家の周りが石鹸酸っぱい臭い
    気分悪く午前2時間昼寝で熟睡
    午後も動くと咳が出るので2時間昼寝で熟睡
    この日一番症状がひどかった。VOCも異常なピークが出ていた。

10/9 徐々に症状が改善してきたが、今度は右耳の聞こえがおかしい。音がダブって聞こえる。

10/16 耳鼻科で耳の検査を受けるが、気導、骨導聴力には異常なく様子見。
     しかし、骨導で左を測定中に右から聞こえたり、左右同時に聞こえたりする時が有った。
     検査員に訴えたが、骨導は正確ではないので・・・と気にされなかった。

11/18  今も時々耳の症状が出ている。出たり出なかったりの状態です。


<枕元の微粒子PM2.5,PM10とVOCを計測>
2019.09.16 症状が一番ひどかった日に上の写真のサンプリング用両面テープ位置で計測






















<微粒子をPCマイクロスコープで観察>
・サンプリング:2019年9月13日 3:30~5:10
・色々なメーカーの物が混ざっていると思われます
・画像直下の番号は ファイル名(撮影時刻) 撮影倍率 を示します
 3000倍は光学1000倍をデジタルズームで更に3倍に拡大したものです

①外形の比較的はっきりしている物
20190913095215 400倍
破裂しないで伸びてしまったマイクロカプセルか?

































20190913095319 1000倍


































20190913095423 3000倍
壁の内側が崩れて小さな(直径2㎛~1㎛以下)粒を放出


20190913095659 400倍
破裂して一部が吹き飛んだカプセル


































20190913095750 1000倍


































20190913095838 3000倍
一部が無くなったドーナッツ状の物から粒が放出されている
大きなカプセルほど壊れやすい



































20190913101417 400倍

20190913101513 1000倍

20190913101604 3000倍
原形を留めている長径約64㎛の大きなカプセル
まだ内容物が残っている

20190913101631 3000倍
原形を留めている直径約41㎛のカプセル
内容物はほとんど無くなっている

20190913171226 400倍


































20190913171308 1000倍

































20190913171341 3000倍
原形を留めている直径30㎛の比較的小さなカプセル




































②破裂してばらばらになった物
20190913093823 1000倍
形が崩れてしまって小さな粒が放出されている



































20190913093906 3000倍
小さな粒は4㎛から1㎛以下でPM10やPM2.5と呼ばれる
PM2.5は肺の奥深く入ると言われている


































20190913093937 3000倍



































20190913094109 400倍
破裂したマイクロカプセルのかけらか?
倍率を上げると中に小さな粒々が見える


































20190913094314 1000倍


































20190913094352 3000倍
かけらの中に大きい物では3㎛、小さい物では1㎛程度の粒々が見える
周りには1㎛以下の粒が飛び散っているのが見える



































20190913160440 400倍
崩壊中のマイクロカプセル



































20190913160546 1000倍
小さな粒々が右側に放出されている


































20190913160656 3000倍
2㎛から1㎛以下のPM2.5と呼ばれる無数の粒々が放出されている
これらを吸い込むと肺の奥深く入り込むと言われている