2022年7月14日木曜日

富士山奥庭のPM2.5は人から発生していた

 2022年7月2日(土)

 孫が富士山へ行きたいと言っていたので、マイカー規制が始まる前に五合目まで車で登って散策する事にしました。


 五合目の駐車場へ着くと窓も開けられない土砂降りでした。

 雨雲レーダーを見ると、少し下がった奥庭は雲が切れていそうです。

 行ってみると小雨の状態で、支度をしているうちに雨は止みました。

 しかし、山頂は残念ながら雲の中です。







 7歳と4歳の孫を連れて奥庭を散策し、山小屋の奥庭荘で昼食にしました。








 以下は五合目駐車場から奥庭駐車場へ車で移動し、奥庭を散策してから奥庭荘で昼食を食べた時のVOCとPMのグラフです。
 奥庭の後は富士スバルライン料金所を出て直ぐの生物多様性センターを見学しています。

 VOCで大きな値が出たのは車中で孫たちがアルコール消毒を行った時のものです。

 PMで大きな値が出たのは山小屋で食事中に隣の席にグループが来た時で、PM1(1㎛以下の成分)がほとんどを占めています。私は食べ終わって粒子とガス対応のマスクをしていたので分かりませんでしたが、柔軟剤等のマイクロカプセルが破裂して微粒子が放出された可能性が有ります。

 



2022年7月8日金曜日

調理でホルムアルデヒド計のアラームが鳴る

 室内でマイクロカプセルから出ると言われているHCHOホルムアルデヒドを常時監視しています。

 測定はNDIR方式の測定器を使用しています。

 この測定器はFTIRと同じ原理で、分子振動により特定の波長の赤外線が共振して吸収される原理です。FTIRは周波数成分を分析して解析出来ますが、NDIR方式は固定の赤外線光学フィルターを使用して、特定の周波数が吸収されて減衰するのを検出しています。

 我が家では通常は数十㎎/㎥位ですが、建物の反対側に有る台所で調理をしていると、下の様に極端な値が出る時が有ります。台所で何を使っているのが妻に聞くと、この時はみりんでした。他にも料理酒を使っている時も同じくらいの値が出ます。













 みりんや料理酒の成分であるC2H6OエタノールとHCHOホルムアルデヒドの赤外線吸収パターンをデータベースから探して比較すると、下の様にほぼ同じ所にピークが有るのが原因して、NDIR方式の測定ではこの両者が区別できない様になっている様です。

 この他にも、丸干しイワシをガスで焼いていると、これほど大きな値は出ませんが、やはり100越えのアラームレベルの検出が有ります。これは成分の何が影響しているかはまだ分かっていません。


 この様に測定器は、その原理を知って弱点を理解していないと嘘の測定をしてしまう事が有ります。FTIRでも波形を解析して区別していますが、S/N比(信号対雑音比)が100位しか取れないというのが論文に書かれているのを読んだことが有ります。

2022.07.10 追記
 残留クリーニング液にも反応してしまう事が分かりました。クリーニングして仕舞ってあったあった礼服が近くに置かれたら、数百㎎/㎥の表示が出ました。礼服に近づけると値が上がり、遠ざけると下がりました。IRパターンとの関係は別途調べて見たいと思います。

2022年7月5日火曜日

戸建て住宅密集地の我が家の外気連続観測6月:大量の微粒子の正体

 我が家の外気観測結果6月分です。6月前半は雨が多く微小粒子状物質は少な目でしたが、雨が上がって晴れた16日~17日は異常に多くなっています。我が家の環境は、2階建ての住宅が混みあっている住宅街です。近くには工場等は有りません。

<微小粒子状物質の環境基準>

環境省 1日平均値が35㎍/㎥以下/年平均値15㎍/㎥以下

WHO   1日平均値が25㎍/㎥(暫定目標)/ガイドラインは年間平均10㎍/㎥

 これらは昔の工場ばい煙や自動車の排ガスを問題にしていた頃の基準で、現在は住宅街では後述の様に物質が全く異なっているので、健康影響を考えて新たな基準が必要と考えます


<6月の全観測データ>

















<PM10のみを1km離れた環境省の自排局と比較>

 自宅から約1kmの距離に環境省の自排局が有りPM10を観測していますので、その測定値との比較です。

 但し測定方式が異なり、我が家はレーザー散乱方式で1分間隔の測定ですが、自排局はベータ線減衰方式で1時間毎の測定です。測定方式は異なりますが、17日~18日のピークはほぼ一致している様に見えます。



















<6月のピークである17日~18日を拡大して見る>

 17日~18日を拡大して見ると、約1km離れている自排局とほぼ同じ値が出ていて、犯人は広域な成分の様です。また、我が家の測定器はPM1も測定できるので、成分はほとんどがPM1が占めている事が分かります。


















<17日~18日のPM10を環境省の自排局と比較>


















<ピーク時の微粒子を捕集して工業用顕微鏡で観察>

 17日のピーク時刻で4:18~8:02の3時間44分の間に微粒子を電子顕微鏡用両面テープで収集して工業用顕微鏡で観察して見るとほとんどが柔軟剤等に使用されている香料マイクロカプセルやその破裂、分解物でした。以下に代表的な写真を掲載します。

これらを呼吸で大量に吸い込んで、鼻腔で破裂したり、肺の奥深く血液にまで入ってしまってどうなるのだろうか?


未破裂マイクロカプセル

20220617115902 1000倍 未破裂

 直径90㎛の未破裂大きなマイクロカプセル。

 本来繊維にくっついて香りを出す機能の物が、そのまま剥がれて飛んできている。カプセルの表面が紫外線劣化しているのがくさい。

 大気中や吸い込んだ人の気道で破裂し、高濃度の合成香料液を飛ばしていると思われる。

 吸い込んだ人はどうなるのだろうか?




20220617110726 1000倍 未破裂


上は直径32㎛



下は直径20㎛






破裂してまだ中身が残っている物

20220617105736 1000倍 破裂しまだ中身が残る


 直径20㎛程度の破裂して中身が一部出てしまったカプセル。拡大して見ると、中に微粒子や液体、塊が見える。








破裂した殻

20220617102429 1000倍 破裂した殻


 長径67㎛の破裂して中身が吹き飛んでしまったカプセルの殻










中身がしみ出る

20220617102641 1000倍 染み出る

 直径20㎛のカプセル

 上の方から液体の様な物がしみ出ている。









20220617115109 1000倍 染み出る

 長径113㎛の大きなマイクロカプセル。

 左側から液体や微粒子が放出されている









20220617131727 1000倍 染み出る

 直径20㎛のカプセル

 右上に向かって液体を飛ばしている様に見える









伸びて溶けていく

20220617101830 1000 伸びて溶ける

 上の方は両面テープのエッジが見えている。付着したPM2.5微粒子が沢山見える。

 真ん中の伸びてしまったマイクロカプセルの右下から液体の様な物が噴き出している。他にも下側から液体や微粒子が放出されている。







20220617105521 1000倍 溶けながら粒子を放出

溶けて分解しながら微粒子を放出している。










20220617114800 1000倍混合未破裂溶けるかけら


 いろいろ混ざった状態









(注)画像の分類は、私が数千枚の顕微鏡観察中に破裂したのを見た経験を基に分類した物です。専門家の方で、もし間違い等に気付かれましたらご助言戴けると助かります。