柔軟剤の香りがすると咳や頭痛等になる私は、コロナが流行る前からずっと3蜜回避です。
ウォーキングも以前は夕方とかに行っていましたが、下校の中学生の一団と会ったりすると気分が悪くなるので、今は早朝4時に起きてウォーキングに出かけます。この時間は冬場は真っ暗でほとんど人に会いませんが、夏場は犬の散歩やウォーキング、始発電車に乗る人等意外と会います。
今回、0.3㎛から微粒子を測定できるエアクオリティモニターをぶら下げてほぼ同じ時刻にウォーキングに出た時の1週間分のデータを分析してみました。1週間と言っても連続ではなく少し飛んだ7日分です。
エアクオリティモニターは8.5cmX5cm位の大きさで、スマホと無線通信してスマホに右の例の様に表示されます。微粒子はレーザー散乱方式(MIE理論)で計測されます。この方式は以前環境省の測定で使用されていましたが、今はほとんどベータ線による減衰を利用した方式になっている様です。
測定データは1分毎にスマホに記録されており、ダウンロードしてPCでExcel処理しています。
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スマホに表示される例 |
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Air Quality Monitor
NotAnotherOne.Inc
Atmotube PRO
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1.前半3日間のデータ(4:00~5:30までを横に並べて表示)
我が家では室内の微粒子は非常に少ないですが、玄関の外に出た途端に数倍になり、日によって変動する事が分かります。3種類の微粒子の大きさについては、この測定器は以下の様になっていますので、積み上げグラフの様に見て下さい。
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7月10日ウォーキング時収集 1,000倍 崩壊中のカプセル |
PM10 (0.3~10.0㎛)
PM2.5 (0.3~2.5㎛)
PM1.0 (0.3~1.0㎛)
グラフを見るとPM1.0が大部分を占めている事が分かります。これは右の顕微鏡写真の様に倍率を1,000倍に上げても点にしか見えないのが沢山写っているのと一致します。
2.後半4日間のデータ(4:00~5:30までを横に並べて表示)
良く見ると、9月2日と5日に大きなピークが有るのが分かります。次はこの2日間を個別に見ていきます。
3.9月2日のピーク
臭いを感じた時の時刻と場所をメモしています。中央付近のPMが盛り上がっている折返しの所ではいやな臭い(表現が難しい臭いだがいやな感じ)がしました。その後の大きなピークは前を通った人が強い柔軟剤臭を出していました。この様に、柔軟剤臭がする時は大量に微粒子が飛び散っている事が分かります。しかし、VOCの方は反応していません。臭いはごく微量でも感じるので、ガス成分は検出出来ないのかも知れません。
4.9月5日のピーク
中央部の2か所の盛り上がりは、最初は有料駐車場で気持ち悪い臭いがした時です。この時間ですので誰も居ませんでした。次の台形の盛り上がりは駅前で駅のシャッターが開くのを待つ人が数人居ますが臭いは感じませんでした。
その後の大きなピークは少し煙かった所です。今日は煙は見えませんでしたが、近くのお寺で良くゴミを燃やしているのでその影響と思います。市の条例で野焼きは禁止されていますが、困ったものです。ひどい時は一面煙に包まれます。
最後に自宅に近づくと、出発した時より微粒子が多くなっています。
今回の測定で、臭いを感じた時は微粒子が飛び交っている事が分かりました。測定間隔が最短で1分なのでその間だと見逃す事も有りますが、今回は明確にデータに現れました。
この微粒子の影響について、愛知県の資料が分かりやすいので以下のリンクを参照して下さい。
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/20018.pdf
また、医学的に詳しくは産業医科大学呼吸器内科学の以下リンクのスライド(環境省の公開資料)が詳しいです。
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/cic/attach/briefing_h25-mat03.pdf
これを見ると、肺まで達したPM2.5は全身炎症を増強し、
眼科系疾患(結膜炎):眼のかゆみ、腫れ、流涙、目やに、等
呼吸器疾患(上気道炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患, 肺がん、肺炎など)
:くしゃみ、鼻水、咳、痰、喘鳴、呼吸困難(労作時、安静時)、等
心血管系疾患(狭心症、心筋梗塞、不整脈、動脈硬化、血栓形成など)
:動機、息切れ、胸痛、脈不整、血圧上昇、等
神経・脳:頭重感、疲労感、不安感、うつ、等
の様な症状が出やすいと書かれています。
しかし、私が観察している様に、今やPM2.5は柔軟剤等のマイクロカプセルやその破片が大半を占める事に気が付いていない事は大変残念です。
また、これらはほとんど透明で、測定方式によっては正しく測定出来なかったりする可能性も有ると思われます。以下リンクのベックマン社の資料には屈折率の問題が下の様に書かれています。
https://www.beckman.jp/resources/fundamentals/particle-size-distribution/basics/measurement
レーザ回折・散乱法の重要なファクターである屈折率は、その値を変更すると、粒子径や粒度分布が変化する。液体に関しては各種文献、資料に、屈折率が記載されているが、粒子を構成している物質(固体)に関しては充分とは言えないのが現状である。また混合されている試料や、複数の成分で構成されている粒子に関しては、屈折率が決定できない。