NPOの活動報告で今までの検討内容を整理しオンライン発表しました。その中から最近の状況に絞って紹介したいと思います。(一部追加情報有り)
全体はYoutubeに活動報告練習版を公開(約40分の動画)
練習時にZoom録画した物をYoutubeに公開しました。自分のパソコンで録画すると発表者用ツールも見えてしまい小さな画面では見辛いかも知れませんがご容赦下さい。
1.或る機関で6軒の住宅屋外・室内でイソシアネートの分析
<分析対象物質>→イソシアネート類で標準液の手に入る物
Monoisocyanate ICA, MIC, PhI, EIC, PIC
Diisocyanate IPDI, 2,4-TDI, 2,6-TDI, 1,6-HDI,4 ,4’-MDI
<分析方法>
2019年12月~2020年1月のうちの1週間で住宅の室内外の空気測定を実施
サンプラー(ジブチルアミン)→アセトニトリルで抽出→LC-MS/MSでイソシアネート上記成分を分析(粒子とガス成分)
<分析結果>
いずれの住宅からもイソシアン酸(ICA)が室内及び屋外で比較的高濃度検出され、他の成分ではプロピルイソシアネート(PIC)、フェニルイソシアネート(PHI)及びメチルイソシアネート(MIC)が検出された。
<我が家の測定データ>
こちらは我が家の1階和室と2階ベランダのイソシアン酸の測定データです。昼間のデータなので、夜間の外気はもっと高いと思われます。(夜間早朝は有毒ガス検知器で測定した総イソシアネート量が高い)
他のイソシアネート類は二桁低い値か検出限界以下の値です。
室内が意外と高いのは、妻が近くでスポーツジムで柔軟剤臭くなった衣類を着替えているのでその影響と思われます。
また、これはイソシアン酸のみの値ですので他のイソシアネートは含まれていません。
<総イソシアネートに占めるイソシアン酸の量>
こちらのグラフは或る家庭で日別に総イソシアネートに対してイソシアン酸がどれくらい占めているかをグラフにしたものです。
16日と17日はイソシアン酸が大半を占めていますが、一番イソシアネート総量が多い15日ではその他の不明成分ばかりである事が分かります
③イソシアン酸に関する毒性資料(1)
a.イソシアン酸のSDS(安全データシート)で毒性を見ても不明と書かれている物ばかりで、英文の検索でやっと見つけたのが以下の資料です。
CAMEO Chemicalsは、緊急時対応要員と計画担当者が対応の推奨事項を取得し、爆発や有毒ガスなどの危険を予測するために使用できる危険化学物質データシートのデータベースです。以下のURLでイソシアン酸が見られます。
<上記の一部をGoogle翻訳>
警告:イソシアン酸、3,4-ジクロロフェニルエステルは、組織、特に目や粘膜に強い刺激を与えます。注意が必要です。
イソシアン酸、3,4-ジクロロフェニルエステルへの暴露の兆候と症状:
急性暴露は、皮膚、目、および粘膜の刺激と炎症を引き起こす可能性があります。立ちくらみ、眠気、不明瞭な発話、瞳孔拡張、唾液分泌の増加、嚥下障害(嚥下困難)、腹痛、および自発的な嘔吐が発生する可能性があります。喘鳴(甲高い、騒々しい呼吸)、呼吸困難(息切れ)、および肺水腫も一般的です。無関心と精神錯乱が発生し、昏睡状態に進行する可能性があります。
イソシアン酸に関する毒性資料(2)
b.国立環境研究所 環境展望台より
アメリカの研究チーム、健康影響が懸念されるイソシアン酸の大気中濃度を測定
研究チームでは、イソシアン酸の濃度が約1ppbv以上だと健康影響が懸念され、屋内で薪炭などを燃やすと高濃度になる可能性があると指摘
イソシアン酸に関する毒性資料(3)カルバミル化
a.細胞のカルバミル化によりタンパク質(コラーゲン等)を劣化させる
カルバミル化(Carbamylation)は、イソシアン酸と特定の自由官能基の間の非酵素反応に起因する、タンパク質の翻訳後修飾である。 この反応はタンパク質の構造および機能特性を変化させ、分子の老化に寄与する。多くの研究が、疾病、特に慢性腎不全とアテローム性動脈硬化症におけるカルバミル化タンパクの関与を示している。(URLは長いので省略)
b.蛋白カルバミル化は血管石灰化を悪化させる(大阪大学腎臓内科ホームページ)
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/kid/research/research29716796.html
④イソシアン酸の発生に関する論文
(ポリウレタンやポリウレアといったイソシアネート原料のマイクロカプセルの破裂はミクロの爆発で局部的に高温になるのではないでしょうか?顕微鏡観察中に爆発的に破裂し激しく吹き飛ぶ物が見られます。)
ポリウレタンフォームを含むマットレスの熱分解からのイソシアネート排出
低温では、ジイソシアネートが最も重要な製品でしたが、850°Cでは、モノイソシアネート、および主にジイソシアネートの熱分解から主に放出されるイソシアン酸が、ポリマー鎖から直接発生しました。
https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/27836276
2.化学物質の多世代影響
令和2年度化学物質の安全管理に関するシンポジウム(オンライン)に参加して
①シックハウス対策に関する研究
極低濃度吸入暴露の際のマウス海馬Percellomeトキシコゲノミクスによる中枢影響予測
国立医薬品食品衛生研究所・安全性生物試験研究センター・毒性部
(講演中のメモや気になった点)
・化学構造が違っても同じ反応
・脳の海馬に働いている可能性が有る
・臭う前に働いている可能性が有る
・周産期(妊娠後期から新生児早期までの赤ちゃんの出生前後の時期)の脳発達への有害性を示唆
質問:室内には限りませんが、最近話題になっているアレルギーに似た香害と呼ばれる過敏症も同じ方法で解析出来ないでしょうか?
→検討する
発表資料へのリンク
②化学物質の後発影響・多世代影響
・近年の研究から、胎児は化学物質に対する感受性が高いこと、胎児期に母親の体内で化学物質に曝された影響が成長後に「後発的」に顕在化する事例があること、さらにその影響が生殖細胞を介して次の孫世代やさらにその後の世代に伝わり、同様に各世代の成長後に後発的に影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。
(娘は妊娠を機に柔軟剤の使用を止めて石鹸洗剤にして良かった)
国立環境研究所研究プロジェクト報告へのリンク(開いた後で左のリンクをクリックすると報告書詳細が見られます)
3.香害対策
①署名活動「香害をなくすための施策についての要望書」に対する各省の回答へのリンク
②福島みずほ議員の質問に対する答弁(みずほ倶楽部ツイッター)
4/9 参院 地方創生・消費者問題特別委
香害問題(化学物質とマイクロプラスチック等を含む)①
関係各省庁へのみずほさん質問。
環境省から始まり、以下ツィートを厚労省、文科省と繋げていきます。
各省庁の意識の違いが表れていて興味深い質疑になっています。
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