有毒ガス検知器を借りられたので動作確認テストを行いました。借りてきた状態の機器に装填されていた有毒ガス検出用イソシアネートカセットテープは長期間常温で放置されていたので、バックグラウンドエラー(テープが化学反応してしまって使用不可)で使用できませんでした。
使用期限を1年以上過ぎた(28 Jun 2019)他のイソシアネートテープが冷凍庫に有り、変色具合を見たら使用出来そうでしたので、裏技を使って動作させてみました。但し、検出値は何割か低く表示されて正しくない可能性が有ります。
<測定器の概要>
<イソシアネートに注目する理由>
自宅で柔軟剤臭が一番きつい場所=車庫で毒性の特段に強いガスの濃度を色々測定したところ、微量の青酸ガスとイソシアネートが検出されました。
青酸ガスは多くの方がご存知の猛毒のガスですが、イソシアネートは更にその5千倍もの毒性が有り、職業病で恐れられているアレルギーを発症する物質です。臭いを感じた時は生命が危ないと言われており、臭いで有無を判別することは困難です。
・自宅1階窓締め切り状態の和室 0ppb
・玄関マット上 3.8~7.1ppb
玄関マットが高いのは、外で作業した衣類をここで着替えたり、出入りが一番多く多数のマイクロカプセルが落ちているのが原因ではないかと思われます。
・自宅和室前外気(時間で変化する)
15:11 3.6ppb 東風で石鹸臭
15:29 1.5ppb
17:37 1.0ppb 左の写真でアラーム1レベル(警告で画面が赤色になっている)
*米国の職業病予防基準値(この環境で8時間働く)は1ppbとなっており、1ppb以上はアラームが鳴ります。但し、敏感な人はこれ以下でも危険な場合が有ると言われています。
<光学読み取り系の確認>
テープはイソシアネート基に反応し、赤い丸に変色している(呈色反応)のを確認できました。スマホで撮影したので色が正しく有りませんがイソシアネートに反応した赤い丸が確認できました。
この化学テープはイソシアネート基に反応しますので、色々なイソシアネートに反応し、イソシアネートの種類は分かりません。
このため、この測定ではTDI(トルエンジイソシアネート)の検量線で測定しています。
しかし、一昨年の12月に我が家の室内、外気のイソシアネートを高速液体クロマトグラフで分析して貰った結果では、TDI,MDI,HDIといった一般的なイソシアネートはごく微量か検出限界以下で、ICA(イソシアン酸)が2桁多く検出されました。
<検出ガスの種類>
イソシアン酸の暴露を受けた時の症状について書かれた物はなかなか見つかりませんでしたが、CAMEO Chmicals化学データセットや国立環境研究所の環境展望台に記述が有りました。
有毒ガス検知器本体の動作が確認出来たので、イソシアネート用ケミカセットを手配しましたが、米国からの輸入になるので、2.5~3ヶ月の納期が掛かる様です(世界的な半導体関連材料不足の影響)。
新しいケミカセットが納入されたら、飛散微粒子(ほとんどがマイクロカプセルやその破片)と異臭、イソシアネートの関係(1ヶ月に数回異常なピークが出る)現象と主な柔軟剤や香り付け剤からのイソシアネート発生確認試験を行いたいと考えています。
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